6EM7

　昨日、ふと思いついて、その昔作ったなかで一番小さかったという理由で唯一残存している6EM7のアンプをPCのオーディオ出力につないでみました。いつも使用しているTA2020使用のデジタルアンプに比べると、無負帰還ですので低域のダンピングは悪く、その他の帯域でもあきらかに歪んでいます。しかし、一面押し出しのよい音で状況によってはこちらが好ましいと思うことがあるかもしれません。  
 

  6EM7プッシュプルA級動作アンプ。原型は、「浅野勇著、続魅惑の真空管アンプ　その歴史・設計・制作、誠文新光社　昭和51年」　収載のものです。写真の6EM7はシルバニア製ですがすでにボタン・ステム化されて袴はかたちばかりのものになっています。整流管は旧ソビエトか東側諸国製らしいGZ34ですが、GZ34とは名ばかりで内部抵抗は非常に高いです。しかしラックスの電源トランスとの組み合わせでプレート電圧がちょうどよいぐらいに落ちてくれています。6EM7はテレビの垂直偏向管とのことですが、ハイμの電圧増幅三極官と三極パーワー管がひとつのバルブに封入されて、整流管を入れてもわずか五球でステレオアンプが構成できます。