お次はマーチです。愛嬌があるデザインや取り回しやすいボディサイズともにフレンドリーな存在といえばマーチ。フルモデルチェンジで奥行き感のあるしっかりめの顔つきに変わって、どこかお兄さん顔になったという雰囲気です。横から眺めてみると、4枚ドアの形状は先代マーチを思い出させるラウンド形状で描かれていますが、違っているのはリヤエンドのルーフ部分。以前は丸く落ちていましたが、わずかに跳ね上がっていて空力効果が得られるのだとか。4代目マーチのテーマは「エコマーチ」。3気筒エンジンやアイドリングストップ機構を搭載するなど、コンパクトカーながら先進的なパワートレーンを盛り込んでいるのがポイントです。マーチのCVTは副変速機構付きのもの。ローとハイの2つのギアを用いる使うことで街中から高速域まで上手にパワーを引き出すタイプ。じつはこのCVT、スズキと日産、Jatocoが共同開発したものでスイフトと同じタイプのものなんです。しかし、クルマが変われば、走りのイメージも異なるワケで、マーチは街乗り主体でとり回しやすいイメージでホノボノした感じ。一方で、スイフトは欧州車的なコシのある走りをみせてくれることで、成熟された感じがするのがそれぞれの持ち味といえるのかも。そして、肝心のインテリアですが、曲線で描かれたバブル形状のインテリアが優しい雰囲気。ベージュの色調を用いていたり、ドーナツ状のエアコンの操作盤などモダンなセンスを感じさせるあたりも日産が得意とするところですよね。しかし、女子たるもの、シートの質感にはウルサイものです。座ってみると、ちょっとコシがない印象。元々、マーチといえば、「背伸びしすぎていない感じ」が親しみやすさを与えてくるひとつのポイントでしたが、最近はライバルとなるコンパクトカーでも、質感が向上してきていることもあって、マーチは街乗り主体、たまには150km圏内の場所に足を伸ばしてドライブするイメージなのかも。とはいえ、コンパクトカーでありながら、ガラス面が広めにとられて車内が明るかったり、視界もいい。また、後部座席はルーフの後端が跳ね上がった形状になったことで、先代マーチよりも乗員の頭上にゆとりが生まれていました。ただ、後部座席から目に留まるシートの縫い目がもう少しキレイに仕上がってくれたら株が上がりそうなのに、ちょっともったいない感じ。細かいところといえば細かい事なんですが、女子的にはやっぱり気になってしまうというのが本音です。洋服を買うときだって、デザインが良くても縫製の善し悪しで見栄えはずいぶん変わってしまうでしょ?