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五朗&フジトモのブログ一覧

2010年09月30日 イイね!

強烈な危機感が先代スイフトを生んだ

強烈な危機感が先代スイフトを生んだ 前回は初代フィットの話しをしました。もう10年近く前の話です。その後マーチやヴィッツ、デミオ、あるいは現行フィットにも乗りましたが、結局のところ、走行性能に満足することはできませんでした。

 そんななか、唯一感心したのが先代スイフトでした。とくにスイフト・スポーツの走りは抜群で、走り始めた途端「こいつはいいクルマだな!」と思ったほど。スポーツモデルでありながら、低速域でも足が路面の微妙なうねりに対してしなやかに動き、タイヤが路面にヘバりついている感触がしっかりと伝わり、ステアリングを切り込めば、ノーズがスーっと素直に動く。メルセデスのように、誰にでもハッキリとわかるレベルのものではないけれど、そこには間違いなく「いいモノ感」があったのです。
 
 スイフト・スポーツの実力は、当然ながらベースとなったスイフトのポテンシャルと大きく関係しています。ボディやサスペンションといった見えない部分にしっかりとコストをかけると同時に、速度無制限のアウトバーンや石畳の道路などを含むヨーロッパの道を徹底的に走り込んで熟成を深めていった成果です。
 
 軽自動車のトップメーカーであるスズキは、トヨタでさえ舌を巻く低コストによるクルマ作りを得意とするメーカーとして知られていました。そんなスズキがなぜいきなりスイフトのようなクルマをだしてきたのか?

 そこには、初代スイフトに対する猛烈な反省があったはずです。軽自動車をベースにつくった初代スイフトは、典型的なコスト最重視型コンパクトカーでした。しかし、出来上がった商品を冷静に評価して、スズキは気がついた。こんなクルマ作りをしていたらいずれ韓国車や中国車に負けてしまう。そんな強烈な危機感がスズキに一球入魂のモデルを作らせるに至ったのです。


Posted at 2010/09/30 22:50:38 | コメント(6) | トラックバック(0) | 日記
2010年09月27日 イイね!

固い乗り心地=欧州車的!?

 初代フィットに試乗したとき、乗り心地の悪さとステアリングフィールの不自然さに驚きました。パッケージングと燃費は最高なのに惜しいな…そう思った僕は、ある開発者の方に正直な気持ちをぶつけました。

 すると驚いたことに「フィットは欧州車的なセッティングになってますから!」という答えが返ってきたのです。おそらくその人は欧州のコンパクトカーにマトモに乗ったことがなかったのでしょう。固い乗り心地=欧州車的と思いこんでいたようです。実際そんなことはぜんぜんないのですが。
 
 とはいえ、ご存じのように先代フィットは大ヒットしました。その後マイナーチェンジの際に開発責任者の方と改めて話す機会があったので「ユーザーからは乗り心地とステアリングフィールに対する不満は出ていないのですか?」と質問すると、「とくにはないですね」との答え。そんなものかなぁと思ってさらに突っ込んで話を聞いてみたところ、どうやら「満足しているわけではないが、この値段ならこんなものだろう」というのが、多くのユーザーが下した評価のようでした。
 
 たしかに、コストパフォーマンスはモノ選びをするときに欠かせない視点です。でもそれは、中身には目をつぶって価格の安さだけを求めるのとは違うはず。値段が安いのだから乗り心地が悪くてもいい、ステアリングフィールが不自然でも仕方がない、という考え方は、本当の意味でのコストパフォーマンス主義ではないと思うのです。
 
 初代フィットが提示した素晴らしいパッケージングと燃費には惜しみない拍手を送る一方で、僕のなかには、決して誉められたものではない乗り味と、それを許容する日本ユーザーの志向に対する疑問が湧いたのでした。



Posted at 2010/09/27 10:45:28 | コメント(15) | トラックバック(0) | 日記
2010年09月24日 イイね!

コンパクトはロングドライブが苦手!?

 仕事柄、知人友人からクルマ選びの相談を持ちかけられることがよくあります。そうはいっても僕の好みを一方的に押しつけるわけにはいかないので、いま乗っているクルマや予算、用途などをヒアリングするのですが、よく出てくるのが「長い距離を走ることが多いからあまり小さいクルマはねぇ…」という話しです。
 
 たしかに、高速道路を長距離長時間走るなら、余裕のあるクルマのほうが快適です。でも、だからといってコンパクトカーを諦めてしまう理由にはなりません。なぜなら、長距離長時間走っても抜群に快適なコンパクトカーも存在するからです。
 
 僕は以前、いまでは先代となったルノー・ルーテシアに乗っていました。最高出力はわずか90ps。ATは4速。その他、スペックのどこを眺めてもキラリと光るポイントなんてどこにもないクルマでした。でも僕は、ルーテシアでどこまででも走っていきました。それも、覚悟を決めてなんて気持ちではなく、かなり前向きな気持ちで。
 
 というのもこのルーテシア、座り心地のいいシート、どっしりした直進安定性、加速時は吠えるけれど巡航時は静かなエンジンなどがあいまって、長距離長時間走行をしたときの快適性が抜群に高かったのです。
 
 流暢な日本語を操るルノー・ジャポンの名物男、フレデリック・ブレンさんによると、フランスに住んでいた頃、彼はパリから南仏までのおよそ1000キロをコンパクトカーでよく走っていたといいます。しかもそれは、彼の地の人々にとってはごく当たり前のことで、だからこそ、コンパクトカーだからといって中身に妥協はしないのだとか。
 
 ヨーロッパのコンパクトカーが長距離長時間走行を得意とするのは、そういう性能をユーザーが求めるからなんですね。それに引き替え日本のコンパクトカーは…話しが長くなりそうなので、この続きはまた!

Posted at 2010/09/24 13:08:17 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記
2010年09月21日 イイね!

日本車のとるべき道

日本車のとるべき道 皆さんこんにちは。モータージャーナリストの岡崎五朗です。今回からスイフトをテーマにしたブログを始めることになったので、よろしくお願いします!

 実は、このブログを始めたのにはワケがあります。ワケというよりは「想い」とか「願い」、もっといえば「危機感」という言葉のほうが近いかもしれません。

 かつて日本車は、安くて燃費がよく信頼性に富んだクルマ作りによって世界を席巻しました。でも、それはもう過去の歴史になりつつあります。すでに韓国車が猛烈な勢いで迫りつつあり、欧州勢も信頼性や燃費で日本車に追い付いてきました。

 その結果、いま何が起きているのか? 世界市場では、日本車から、より価格の安い韓国車への乗り換えという流れが顕在化してきました。一方、信頼性と燃費に磨きをかけた欧州勢は、個性的なデザインや優れた走行性能、内外装の質感といった、プラスαの魅力を競い合うステージに入ってきています。

 後方から韓国車に追い上げられ、前方にはスパートをかける欧州勢が。そんななか、日本のコンパクトカーは今後どうするべきなのでしょうか? 徹底したコスト削減? それともプラスαの魅力の追求? 

 日本車のとるべき道は「両方」だと僕は考えています。「安かろう悪かろう」ではなく、さりとて「モノはいいけど値段も高い」でもない。いまこそ「優れた商品をお求めやすい価格で提供する」という原点に戻ること。それが、日本車を勝利に導く方程式だと思うのです。

 どんな経緯でこういった考え方に至ったのか。理由はいろいろあります。それに関してはおいおい報告していきますが、そのなかのひとつに、新型スイフトを眺め、乗ったことが大いに関係しているということだけはお伝えしておきましょう。ではまた!
Posted at 2010/09/21 11:34:51 | コメント(1) | トラックバック(1) | 日記

プロフィール

「今日は五朗さんとtvkの収録です。」
何シテル?   11/06 16:56
新型スイフトのことはもちろん、日本&世界のコンパクトカー事情なども綴っていきます。途中、“フジトモ”にバトンタッチして、また僕にバトンが回ってくる予定です。そし...
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