2010年12月20日
遊びゴコロ満点のマーチや、コンパクトカーながらに個々のパーツの組み上げ精度に感心させられてしまうポロと比較すると、スイフトのインテリアは黒基調の色味で、ちょっとシンプルな印象といった感じ。
エアコンとかオーディオのデザインに奇をてらった素振りもみせないあたりをみると、もう少し『ヒネり』があってもいいような気がするものの、取り付け剛性が高められたシートは、座り心地にしっかりとしたコシが感じられるし、インパネのボタンが大きめで、幅広い年齢層のユーザーが迷うことなく直感的に操作できてしまうあたりには、むしろ好感が持てる部分。
仮に、私の身の回りの人にクルマを勧めるならば、運転操作に不慣れな免許を取り立ての初心者とか、両親が還暦を過ぎたときにコンパクトカーを選ぶことになったとしたら、ケータイでいう『楽ラクフォン』的なシンプルな操作感と大人っぽい辛口なデザインのスイフトをオススメしてあげたら、扱いにとまどうことなく、スマートに乗れるんじゃないかと思う。
そして、私たちはいよいよスイフトに試乗することに・・・。
乗り換え場所から試乗コースに繰り出すとき、
私たちはスイフトの実力に改めて感心させられてしまったのです。
試乗コースには段差の乗り越え箇所がありましたが、スイフトは後部座席の真下にある後輪からお尻が浮いてしまうような突き上げを感じさせることもなく当たりがマイルド。尖った感じは一切ナシ。
しかも、サイドのドア周りに設けられた2重シールとホイールハウスの裏側に設けられている遮音材のおかげなのか、ドライブ中はロードノイズがとにかく少ない。
これは、スイフトで東京から小淵沢まで後部座席に乗り続けたときに気がついていたことだったんですが、助手席や後部座席がとにかく疲れにくいのです。つまり、スイフトはハンドルを握って気持ちよく走れるクルマなのかと思いきや、じつは同乗者に優しいクルマに仕上がっていたのです。
これまで、国産コンパクトカーと欧州車を比較したときに感じていた国産車の最大のネガは、長距離ドライブの疲労感の違い。その点、スイフトはシートの質は改善されていることに加えて、走りの質はこれまで日本車が苦手としていた領域に踏み込んできたと思いました。
ドライバーに「クルマをコントロール下に置いている」と安心させる操縦安定性に加えて、走行中に耳に響くノイズや振動を上手に抑えてくれることで、ストレスから解放してくれるのです。
女性の一人としてクルマを見るならば、「運転者だけでなく、一緒に出掛けるみんなが気持ちよくドライブを楽しめることはやはり譲れないポイントだなぁ」と改めて実感。しかも、スイフトの場合、それに加えてベースグレードのMTの絶妙なストローク感が得られていたりして、夢中になって峠道を駆け上がりたくなる走りの楽しさ・・・
スイフトが目指した方向は、万人が求めるニーズをなんでもかんでも欲張りに盛り込んだクルマとは一歩離れたところにある。でも、その分、クルマを単なる移動の道具ではなく、胸をワクワクさせてくれる刺激をもつ反面、優しさも備えている。
「スイフトは、退屈になりかけている日本のコンパクトカー作りへ一石を投じてくれたのではないかしら?」
気がついたら、素直にそう感じている私がいました。
今後はスイフト・スポーツのような仕様が登場することにも期待したいところですが、
素のモデルでも、十分に走りの楽しさを満喫させてくれるところがスイフトの凄いところです。こうしたクルマは、これからも大切に育てていって欲しいですよね。
アナタがもし「最近のクルマには何かが足りない」と思っているとするならば、一度スイフトに乗ってみてはいかがでしょうか?きっと何か感じるものがあるんじゃなかと思います。
みなさんに支えていただいたスイフトブログは今回で最終回。
ありがとうございました☆
Posted at 2010/12/20 22:46:38 | |
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2010年12月14日
お次はマーチです。
愛嬌があるデザインや取り回しやすいボディサイズともにフレンドリーな存在といえばマーチ。
フルモデルチェンジで奥行き感のあるしっかりめの顔つきに変わって、どこかお兄さん顔になったという雰囲気です。
横から眺めてみると、4枚ドアの形状は先代マーチを思い出させるラウンド形状で描かれていますが、違っているのはリヤエンドのルーフ部分。以前は丸く落ちていましたが、わずかに跳ね上がっていて空力効果が得られるのだとか。4代目マーチのテーマは「エコマーチ」。3気筒エンジンやアイドリングストップ機構を搭載するなど、コンパクトカーながら先進的なパワートレーンを盛り込んでいるのがポイントです。
マーチのCVTは副変速機構付きのもの。ローとハイの2つのギアを用いる使うことで街中から高速域まで上手にパワーを引き出すタイプ。じつはこのCVT、スズキと日産、Jatocoが共同開発したものでスイフトと同じタイプのものなんです。
しかし、クルマが変われば、走りのイメージも異なるワケで、マーチは街乗り主体でとり回しやすいイメージでホノボノした感じ。一方で、スイフトは欧州車的なコシのある走りをみせてくれることで、成熟された感じがするのがそれぞれの持ち味といえるのかも。
そして、肝心のインテリアですが、
曲線で描かれたバブル形状のインテリアが優しい雰囲気。ベージュの色調を用いていたり、ドーナツ状のエアコンの操作盤などモダンなセンスを感じさせるあたりも日産が得意とするところですよね。
しかし、女子たるもの、シートの質感にはウルサイものです。
座ってみると、ちょっとコシがない印象。元々、マーチといえば、「背伸びしすぎていない感じ」が親しみやすさを与えてくるひとつのポイントでしたが、最近はライバルとなるコンパクトカーでも、質感が向上してきていることもあって、マーチは街乗り主体、たまには150km圏内の場所に足を伸ばしてドライブするイメージなのかも。
とはいえ、コンパクトカーでありながら、ガラス面が広めにとられて車内が明るかったり、視界もいい。また、後部座席はルーフの後端が跳ね上がった形状になったことで、先代マーチよりも乗員の頭上にゆとりが生まれていました。ただ、後部座席から目に留まるシートの縫い目がもう少しキレイに仕上がってくれたら株が上がりそうなのに、ちょっともったいない感じ。細かいところといえば細かい事なんですが、女子的にはやっぱり気になってしまうというのが本音です。洋服を買うときだって、デザインが良くても縫製の善し悪しで見栄えはずいぶん変わってしまうでしょ?
Posted at 2010/12/14 12:03:06 | |
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