連休明けに満5歳の車検でガレージエストに赤チンを持ち込んだときのこと。
「タイヤ どうします?」 と訊かれて、まだ3万走っていませんし、
「いいです(キッパリと)」。
それが今月9日のこと。 で、整備を終えて引き取りに行ったのが13日。
でもって、先週の日曜日(15日)でした。
近所のパスタ屋の駐車場で なにげなくタイヤを見ると、後輪の側面に
30mmほどの木ネジがグサっと。 なんというサイド攻撃。いや、ライン
割ってるダロッ!
とりあえず、大急ぎで至近のカーショップにパンク修理を依頼(写真)。
側面は、修理のときにプラグを突っ込んだ途端、パッカーンって亀裂が
入るかもしんない場所だそうで、担当したスタッフの方もマジ 困惑顔。
「いいんですか ほんとにいいんですか いれちゃいますよー」。
ヒヤヒヤもんで、とりあえず修理は完了。
後輪だから大丈夫? いや、場所が場所だけに交換必至。
ってことは、バランス考えて、”4本 全とっかえ”。
絶叫マシンより心臓に悪い決断。
車検費用とほぼ同額の諭吉に羽根が生えて旅立ちを待つ。
20日の金曜日、交換のため、この前行ったばっかのエストさんへ。
元装着されていた エグザルトっていうシリーズは廃番で、
同じ PILOTのSPORT3に履き替えです。
124に気を奪われおって。
もうちっと赤チンに乗れっ! ってことなんでしょうか?
どこでモクネジ拾ったのか見当つきませんが、
2れい2はく1れい。
”神よ 相応の苦難をモクネジの落とし主にあたえたまえ”
クルマネタの話はここでおしまいです。
以下、クルマとはほど遠い、文学のお話。 文学ですよ。 文学。
東北道上りPAが鬼平江戸処としてリニューアルしたとき、
雨の中オープニング
セレモニーを見に行ったくらいの池波正太郎ファンであります。
ちょっと待て! 池波正太郎の大衆娯楽作品を”文学”というか?
まぁまぁ。価値観の違いは置いといて。
すでに他界された 池波ファンの大御所 西尾忠久氏の書かれたガイドブック。
いまも、net上にHPは残っていますが、活発な収集活動から得られたすさま
じい情報量は比類なき鬼平犯科帳のバイブル。
この本はそこから、都内を散歩するうえでのネタをピックアップしたものです。
あたしも時折 天気のよい日を選んで、散歩しております。
4月は、本所かいわいを。
写真は、首都高7号の真下 ここに 前線基地 五鉄があった という設定。
何の面影もないところから、鬼平が歩いていただろう220年前を想像するって
いう高度な知的作業。 まっ、ジジイの道楽としてはまことにリーズナブル。
数多い池波作品のなかでも、文庫本が一番売れているのが鬼平(全24巻)。
その作品のほとんどは江戸市中が舞台です。
ときどき、京都や奈良、熱海とか、はるばる倶梨伽羅峠まで遠隔地ロケを敢行
することがあり、わが街 深谷も、堂々作品に登場しています。
アバルトのことで2011年から幾度も三芳のガレージエストに行っているわけ
ですが、元々埼玉県民ではないので、土地カンがありません。
たまたま、文庫本8巻を再読していて、「あっ!」。
エストの近く。大昔、物流の大動脈だった新河岸川が流れているじゃないですか。
新河岸川? ⇒ 川越と江戸を結ぶ水路(途中 荒川に合流)。
犯科帳文庫本8巻「流星」に出てくる廃寺について作品ではこんな記載が。
川越水路の起点である新河岸の河岸場から、半里あまり南の福岡村の外れにいまは名も知れぬ
無住の寺がある。
新河岸川沿いの岸辺に、この廃寺があった。無縁の墓が夏草におおわれ、朽ちかけた本堂や庫裡
も形骸をとどめているのみだ。 ・・・中略・・・
粂八は、この寺を見わたす新河岸川の対岸の榎の大木の下へ、筵を敷き、草の陰から、廃寺の全貌
をみまもりはじめた。
あの西尾さんはもう7-8年まえにその「廃寺を突き止めた」と言っておられ
るのですが、ガレージエストからさほど遠くない距離なので、あたしもタイヤ
交換のあと、現場検証にでかけてみました。
エストから北西方向、ふじみ野市の新河岸川近くにあった回漕問屋が資料館
になっています。
手掛かりはココ。 旧 福岡村ですから。
展示物に昔の地図かなんかがあるとメチャ嬉しいのですが、まずは、
受付のお嬢さんに訊いてしまえ(正しくは昔 お嬢さん)。
ご本人はわからなかったのですが、問い合わせてくれて、
「ここじゃないですかねぇ」。 ご丁寧にありがとうございました。
資料館を一通り見学して、駐車場にクルマを置いたまま、川と大日本の工場
の間の道を歩くと。
おー、ありました・ありました。
墓地がありました(屋根のある建物は本堂じゃぁない)。
墓地の先、白い家がいくつも建っている向うが新河岸川です。
近くにある案内板の下の方、赤字の現在地の隣に仏像のマーク。
ここだったんですねぇ。作品の記述と位置関係がピタリ。
池波さんが盗人宿として想定した荒寺”西養寺”。
そのあと、鬼平ファンならご存知の朝霞市浜崎地区(これも作品に関連する地名)
に立ち寄りましたが、新河岸川の流域って、一部ではありますが、風情の残る
景観もあります。春はサクラが美しいと。
想像力をフルに使えば、川を下る雁舟の姿が・・・。
さぁ、6月はどこへ行こうか。 梅雨時だから、都内だなぁ。