って、どこを走ってるかご存知でしょうか?
答えは、奈良県から和歌山県にかけて。近鉄の大和八木駅前から和歌山県の南端に位置するJR紀勢線の新宮駅前までを結ぶ、奈良交通の八木新宮線という路線であります。
運行距離166.9km。途中バス停の数は169。所要時間はなんと6時間半(!)。そして通しで乗った際の運賃は5250円。そのいずれもが日本一,若しくは日本屈指という路線であります。これでも以前よりは運転区間が多少短縮されたみたいで、昔はなんと奈良の大仏前が始発だったとか。
ワタシがこの路線の存在を知ったのは確か大学2年の時。もう20年前。青春18きっぷで夜行で新宮へ行った際に、この路線の存在を知ったのです。「えっ、奈良まで行くの?」「でも6時間半もかかるのか〜( ̄O ̄;)」「それに6000円オーバー(当時は今より運賃が高かった)はちょっと辛いな〜」といったところで乗車を見送り、そのまま紀勢線を北上した…という思い出があります。
前置きがかなり長くなりましたが、あれから20年。ついに乗車する機会に恵まれまして。5/24に取得出来た有休を使って行ってきた次第です。
まずは朝7時名古屋駅発の近鉄特急に乗車。
この車両も30年選手。果たしていつまで見られるか。
8時40分くらいに大和八木駅到着。
駅前の待機レーンに、これから乗車するバスは既に待機していました。
良く言えばいすゞ製の最新のノンステップバス。悪く言えば、ごく普通の路線バス。なんせ、ウチの目の前を走っている市バスと同じ車両(^^;;。
とはいえ、専用のラッピング(沿線自治体のゆるキャラが描かれていました)が施されていますし、シートも(路線バスにしては)座り心地の良いものになっていたので、おそらくは専用車なのでしょう。
駅前のコンビニで飲食物を調達し、観光案内所?できっぷを購入したりしていると、程なく発車時間が近づいてきましたので乗り場に。15〜6名ほどの乗客を乗せて、AM9時15分にいざ出発!
新宮まで6時間20分という表記からも、ただならぬ路線であることがうかがいしれます。
バスは1時間余りで五條バスセンターに到着。ここで10分休憩。そう、所要時間があまりにも長すぎるため、途中3ヶ所で休憩時間が設定されているのです。その間にトイレに行ったり飲み物を調達したり出来るというワケです。
この時点で運賃は既に4桁オーバー。
ここから国道168号に突入。バスは速度をあまり上げずマイペースに走行。後続車に追い付かれるとすぐに譲っていきつつ淡々と山道を進みます。
今でこそ普通に通れますが、この国道168号線、大雨で通行止めになることが本当に多いところでして。特に2011年8月の大雨では川沿いの水力発電所が流されてしまうほど。国道自体も何年も通行止めで、川向かいの狭〜い県道が迂回路になってたり。その辺のことが運転手さんから所々で解説されます。
↑バス車内から1枚。道中にはこんな風景が至るところに(>_<)。
そうこうしてる内にバスは上野地バス停に。
ここでは20分休憩時間があります。そこで行くとすればこちら!
谷瀬の吊り橋。かつては歩道吊り橋としては日本一の長さ(297m)だった場所。
ワタシは高所恐怖症なので(>_<)、とても渡る勇気はありませんでしたが、空いていれば20分の休憩時間の間に十分往復出来るとのこと。
バスは更にすすんで1時間ほどで十津川温泉に。ここで最後の休憩。
ここの休憩箇所は奈良交通の営業所でしたが、無料Wi-Fi有り。これは助かります!
最後の休憩を終えると、バスはいよいよ十津川村を脱出し和歌山県入り。しばらく行くと本宮大社前に。ここで外人さんばかり15〜6人ほど大量乗車。本日一番の盛況に。…と思ったらしばらく行った湯ノ峰温泉で殆ど下車。最終的には乗客5人で新宮へ。
そして15時45分、ついに新宮駅前に到着!
運転手さんも最後まで交替無しで1人で6時間半走破。下車の際には「おつかれさまでした!」と。
(ちとぼやけて見にくいですが)整理券は最終的に109番まで到達!全て表示するのに4周かかってました(^^;;。
さて無事に新宮に到達しましたが、翌日はシゴトなので帰らなくてはなりません!
新宮駅から左側の列車でまずは県境を越えて熊野市まで。
更に駅前から高速バスに乗り換え。これで一気に名古屋まで。3時間半ほどバスに揺られて21時頃名鉄BC着。なんとか日帰り強行ツアーを完了させた次第です。
終わってみての感想は、「とりあえず、お尻が痛かった」ということがまず第一に挙げられるでしょうか(^^;;。まあ随所に休憩を挟むとはいえ、6時間半も乗ってたらそりゃ痛いっすわ(ワタシの場合、名古屋に帰るのに更に4時間ほど)。
でも運転手さんの技量がハンパないおかげで変な揺れもなく(バスがAT車であることも多分に影響してるでしょう)、クルマ酔いすることがなかったのは意外。
クルマで行く分には滅法走りごたえのある、格好のドライブコースだと思いますが、狭いところが結構多いので、自信がないようならバスに揺られるのも一興かなと。
何回か車内放送で流されてましたが、この路線は沿線自治体の手厚い?補助金でかろうじて維持されています。実際廃止論議が起こったこともあるみたい。観光路線であると同時に沿線住民の貴重な「足」でもあるこの路線が末永く続くためにも、一度は乗ってみることを(この場を借りて)おススメするということで今回の記事は締めたいと思います。
Posted at 2018/06/08 17:18:44 | |
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