
10月最終日となる日曜日、
ハロウィーンだというのに早朝と言うのも憚られる午前3時、
眠っている家族を起こさぬよう静かに身支度を整えてお嬢の待つガレージへ、
今回は少し遠っ走りして信濃の国は女神湖まで、
毎年行われていると聞くアルファロメオのMTGへと初参加がてら、換装したキャブレターの感触を確かめるとしましょう。
事前の参加申し込み不要、
行く行かないは当日のコンディション次第でOKと言うのは、
日によって体調が大きく異なる(悪いorとても悪い)私にとって有難いイベントですね。
暫くかけていなかったので一発始動とはいかなかったですが、
2回目のトライで火が入り、グズる事なく安定したアイドリングに移行してくれるのも換装効果♪
付きっきりでなだめすかさなきゃならなかった寝起きの悪さ(笑)は何処へやら、
なかなかおしとやかになったじゃないの、お嬢。
暖機している間に持って行く荷物を積み込んだり(前日もフルタイム勤務で準備出来ず)
オーバークール対策にオイルクーラーにマスキングしたりして走り出したのが3:40AM、
貨物車両を除けば、ほぼ交通量のない湾岸線から、やたらと工事車線規制の多かった首都高を経由して中央高速へと実に順調な滑り出し♪
とは言うものの、
ここまでは終始パーシャルスロットルに徹します。
何故ならお嬢の方はもうすっかりウォームアップが済んで準備万端いつでもどうぞ状態なのですが、
前日睡眠2時間、
クスリ(ヤバいのではありませんヨ、弛緩剤です)の効果も切れて身体が強張る人間の方がまだ暖まっておらず、思うように動けないんです。
バケットシートの中でもぞもぞ身体を動かしてバキバキに固まった筋肉をほぐそうとしたり、
何とか意識をはっきりさせようと、同乗者がいないのを良い事に、
大声張り上げ歌などがなりたてて
(笑)
え?
何歌ったのかって??
演歌?
違いますって、
まぁ、年齢的には演歌でもおかしくない歳ではありますけど···
(苦笑)
こういう時にレパートリーの極端に少ない私が、誰も聴いていないのをいい事に口ずさむのはいつも決まって“日曜日よりの使者„
下手くそなワタシにも歌いやすいってのもありますが、
歌でも唄って目を覚まさないといけないようなシチュエーションになるのは大概日曜日なのと、
ここでちゃんと覚醒しておかないと、
『旧車が事故って大破!!
“日曜日の死者„』
ってワイドショーのネタにされるゾって戒めも兼ねての選曲なんですよ、、。
京葉道路→湾岸線→首都高と乗り継いで出発からそろそろ1時間弱、
効きの良いヒーターに暖められて、ようやく渋々ながら右腕が動くようになってきたのが中央道に入ってから、
いい加減この“爬虫類体質„を何とか出来ないものかなぁ、、。
ともあれやっと操作に余裕が出てきましたので、色々と試してみる事にします。
何しろ9月の末に迎えに行って、
お師さんの工場から自宅ガレージまで片道の、たかだか数十キロしかまだ走らせた事がないんです。
実質これがシェイクダウンみたいなものなんですから、まぁ色んな事が手探り状態。
相変わらずお師さんとは3日とあけずに訪ねたり(いらっしゃったり)電話したり(かかってきたり)していますから、
たかだか数十キロに過ぎない体験であっても、
感想とか疑問に感じた事とか思い付けばその日の内に即ディスカッションとなりますので幾つかの現象は既に予習済み。
その内の1つがアクセルペダルに伝わるキックバック。
今までに余り体験した事の無い感触でしたので、思わずその事について尋ねてしまったのですが、
一線から離れて久しいせいか、お師さんにする質問の仕方を間違えました。
「それはどんな状況の時に生じるんだ?」
(どんなにアクセント)
「踏み始めか?」
「中間から踏み足した時か?」
「それとも全開時なのか?」
そうだ、
その時のA/Fの数値とかも交えて、もっと具体的に質問しなければならないんだった。
(汗)
再現性含め、もっと走行データを集めてみるとした上で、
現時点で分かっているのはソレが踏み始めに発生するという事。
対する1つの可能性としてのお師さんの回答は
「カブるのを防ぐ為に意図的にアイドリング時の燃調を薄くしてある」
「その事が踏み始めに吹き戻しを生じさせてアクセルペダルに伝わる原因で、濃くすれば治まる」
のだそうです。
ウェーバーの時には、
リンケージのロッドがベルクランクを回してバタフライを開け閉めしている感触なら感じる事が出来ましたが、
これほど明確にキャブからの返答は無かったなぁ、
これがスライドバルブのタッチなのか。
次なる驚きはそのツキの良さ!!
踏めば即それが車速へと反映され、
そこには“タメ„というものが存在しない。
DCDのキャブレターも、
シングルとはいえゼロスタート時を除けばレスポンスに不満はなく、
踏めば胸のすくような加速をしてくれましたがコレはそんな比じゃない、
踏んだその瞬間に車が前に出るという表現は、あながち大袈裟なものではないのです。
だから引渡しを受けての帰り道、
ふとこんな疑念が浮かんだのです。
アクセル、ちょっと踏んだだけでガバッと開いてるんじゃないの?
ただ私はお師さんの作業内容をこの目で見て知っています、
本来ワイヤーリンケージなTMRをロッドで開け閉め出来るようにベルクランクを加工し、

(レバー長・角度試行錯誤中)

(決定して溶接)
その際もロッドによってリンクされるレバーの長さから角度に至るまで配慮され、
「全閉から全開までのストロークは今までと変わらないようにしてある」
(ストローク幅が無いと乗り辛い車になっちゃうからな)
その為に、本来やらなくてもいいアクセルペダル(とそのリンケージ)まで外して、
レバー比を変えられるよう工夫して開けられた調整穴の数々を見ただけでも、
そんなお師さんがアクセル開度とスロットル開度の関係に思慮が及んでいない筈がない。
(当たり前だ!!馬鹿にするな)
だからつまり、
この戸惑う程の反応の早さは、ヨシムラTMRというキャブレターの性格によるものなのでしょう。
嬉しい反面、
当日ちょっと色気を出して(笑)履き慣れない新しいドライビングシューズをおろしましたから、
ブレーキングの際にちょいとスロットルペダルに引っ掛けただけで、グッと前に出てしまって焦りましたが。
(苦笑)
ここまでノンストップで走り続けて、
談合坂SAに滑り込んだのが5:00amジャスト、
明日からは冬の始まりというこの時期、まだ辺りは夜の帳に包まれています。
中央道に入ってからはだいたい3500rpmをキープしてのクルージング、
メーターには頻繁に目を走らせましたが、水温は70℃台後半で安定して電動ファンの出番はなし、
オイルクーラーにマスキングが施された油温も70℃とインターバルを入れる必要性は無かったのですが、
久しぶりの遠走り、一応の点検と
これが主目的な人間へのヤク(だからヤバいのじゃないですって)とヤニの補充。
水温も下がりきらない内、再び本線に合流して、
やっと周囲が白み始め、ライトスイッチをスモールへと押し込んだ6時過ぎ、八ヶ岳SAへと到着
晴れていれば雄大な山脈が聳え立つ、感動のビュースポットなのかもしれませんが、
雲が多くてよくわからないので早々に立ち去り、待ち合わせの場所へと向かいます。
待ち合わせたのはgrungeさん。
最後にお会いしたのがGTAM(お頭号)の
エンジンOH完成お披露目会に大黒PAまでいらした時だったので、
その頃まだ私は健常者でしたから、かれこれ今から8年以上前になりますか。
諏訪インター出てすぐのコンビニで待ち合わせたら、
「8:30までに入場を済ませておかないと、入り待ちの渋滞に巻き込まれますよ」
というgrungeさんのアドバイスに従って直ちに出発。
会場まではgrungeさんの駆る2000スパイダーに先導してもらいました。
この時うっかり燃料補給をまだ済ませていない事を出発前に伝え忘れてしまい、
キャブを変えた事で燃料消費率が未知数とあって、
あとどのくらい燃料が残っているの??
(スライダーの巻線抵抗が摺り減って断線している為、燃料計は不動)
という不安を抱えたまま、今一つ踏みきれない追走となってしまいました。
(苦笑)
先導してもらったおかげで迷う事なくスムースに会場入り、
車種別に駐車位置が決められている訳ではなさそうなので、
(入場に際してスタッフの方からgrungeさんのスパイダーと一緒か?と尋ねられましたから、そうでなかったら別の位置に誘導されたのかもしれません)
入口付近に陣取ったスパイダーズに並べさせていただきました。
(この位置でなければならない理由を後で聞いて納得)
我々が到着した頃は、そこここに参加車両の姿はありましたが会場にはまだまだ余裕があり、外周部に停められましたが、
しばらくしますと続々と入場してきて、
やがて入口へと続く小道には入り待ちの長い車列が···
聞くところによれば、何でも当日には200台を超える車両が押し寄せたのだそうで、
会場となった屋外音楽堂に入りきれなかった車両も多数あったそうですね。
やっぱり経験者のアドバイスって有難いなぁ
事前の予報では終日曇りとの事でしたが、
会場入りしてほどなく雨粒が落ち始め
(涙)
慌ててウェザーニューズを確認しますと、昨晩までと違って昼前まで雨マークの連続に変わっているではないですか
....orz
帰路には雨予報が出ている関東地方ですから降られるのは覚悟の上でしたが、まさかここで降られるか!?
時にはポツポツじゃすまない降りに、
傘は持参してありましたがお嬢の車内に避難する事もありました。
芳しくない予報であったにも関わらず、105・115系といった旧車に分類される車種の姿もそこここに見られましたが、
残念ながら750・101系は見付けられません。
おまけにせっかくの高原+芝生(?)広場という絶好のロケーションも、
この曇天では魅力半減です。
この時点で既に11:00、
1日こんな感じで終わるのかな?っと思っていましたら、
お昼をまわった頃から唐突に天候が回復して、これぞ秋晴れとばかりに日差しが降り注ぎます♪
途端にパカパカとあちらこちらでボンネットが開き始めるのは、車イベントならではの光景ですね。
(笑)
やはりアルファと言えば、
その流麗なスタイリングもさることながら、エンジンの造形もまた魅力、
皆それぞれ思い思いに手を入れた、自慢のエンジンをお披露目したかったんでしょう。
こちらでも開いてますねっ、
grungeさん♪
後れ馳せながらボディに付いた水滴を拭って
お嬢も外したボンネットを頭上に載せた“握り鮨スタイル„
(笑)
本当ならイタジョブでお披露目する予定だったヨシムラキャブ装着姿を、
遅れること一月、やっとご紹介出来たのでした。
ところで、
魅せるエンジンルームと言えばこちらの1750
ストリップされた車内にロールケージ&フルバケット、タコメーターはスタックと如何にも使い易そうに仕立て上げられていましたが、
圧巻はこのエンジンルーム
ゴテゴテと盛り付けるのとは対極に、余計な物は廃して極力シンプルにというのはレーシングの手法。
(ヒーターも取り払った男前仕様、私がこんな身体になる前はウチのもそうだったなぁ)
おまけに要所要所にはちゃんとスポット増しまで施されてる。
油染みひとつ見当たらない手入れとコンディションの良さもさることながら、
最も興味深かった(羨ましかった)のがこのインダクションボックス、
既製品と見紛うばかりのクオリティのそれは、
聞けばファイバーで自作(!)されたのだと言う。
イイなぁ、
フレッシュエアが吸えて、ラムエアー効果も期待出来る、
ウチのにも欲しいなぁ···
(越中に出向けば製作ってもらえるんかなぁ?)
このスペースぢゃ
無理かっ、、、。
こうして、
顔見知りもほぼおらず、初めて参加するイベントだったにも関わらず、
ボッチでぽつんと佇もうと持参したチェアをトランクから出す暇もないほど、
わざわざ探して訪ねてきてくれた方がいたり、
多くの方に声をかけてもらったりと時間をもて余す事はありませんでした。
帰路は再びソロでのクルージング、
関東は悪天候だからと一縷の望みをかけて道路交通情報サイトを検索するも、
案の定、中央道上り線は数十キロの渋滞ですね。
それならそれで解消するまで待ちましょうと、車から降りて時間の潰せる双葉SAに立ち寄ったところ、
会場でもお話させていただいたエンスーな父子と再会してディープな話題に花が咲く
(笑)
お引き留めしちゃってご免なさいですけど、おかげで良い時間潰しになって渋滞区間はどんどん短くなっていく
(嬉)
それでも多少は引っ掛かるかナって危惧をよそに、往路と同じくスロットルを緩める必要ナシの快適クルージング♪
ただ途中、神奈川との県境辺りで一部区間、まるでミルクの中を進むかのような濃霧に遭遇して、なかなかスリリングな思いをしました。
双葉SAから、
こんな訳で渋滞をやり過ごして帰るんで遅くなるよと、
家族に電話した時にはまだあちらは雨との事でしたが、
到達時刻には上がる(お願いっ)との読み通り、
自宅付近は路面こそウエットなものの降雨はナシ♪
いつものスタンドで給油、
お疲れ、お嬢。
って、
微塵も疲れている様子がないんですけど、、。
諏訪ICの手前で給油した際は有人スタンドだったのでゼロトリップにはせず
ガレージに戻る前、自分の手で満タンにして消費した燃料はトータル53.91Lで、
トリップメーターの表示が443.4mile
今までの経験からウチのメーター上では1mile=約1.26㎞なのを裏付ける
ナビでの走行距離は562.4㎞
燃料消費率は10.43㎞/L というのは、
ほとんどの区間が渋滞知らずの高速主体だった事を考えると、
13㎞/Lは走ったシングルの頃と比べたら悪化してますね。
(汗)
けれどそれを補って余りあるパワー感、
シングルキャブの時には全開とはいかないまでも、時にはそこそこ深く踏み込まなければならないシチュエーションは多々ありましたが、
換装を済ませた今回は、踏み込むと言うよりただ足をペダルにのせておくだけで、流れをリードする速度での巡航が可能でした。
それともう一つ、
復路となる中央道東京方面行きでは下り勾配が続きますよね。
そこでふと、
当日会場にてお嬢の排気量を訊ねられ答えましたところ、
「その年式で排気量の車では往路の登り坂はさぞ辛かったでしょう!?」
と、労りの言葉をいただいたのを思い出して納得。
上下線とも同じ勾配とは限りませんが、
並走している限りそれほどは違わないはず。
ただ我々が往路にそこを通過したのはまだ夜も明けきらぬ一面闇の中、
登坂車線が出現したのは覚えていますから、何となく登り坂なのかなぁとは思いましたが、
実際走っていて勾配は全く感じなかったんですよ。
リッター当たり3㎞の差は、
ガソリン価格の高い昨今では懐に痛いところではありますが、
これほど動力性能に差が出るならソレにも目を瞑れるかな。