
ある日のことです、
所用のついでにガレージへと顔を出しましたら、何やら鳴り響くエアソーの切削音。
ん?
何の工事だ??
と、音のする方へと向かいますと、何と音源はお嬢の左フロントホイールハウスから!!
「あれから更に良い位置を探って、最終的にこうなったんだが」
「エンジンが振れるとおそらくここに当たるから切除してるんだ」
バンプラバーがあった所だ
そう言われてドコだっけ?と覗きこんでみましたら
ああ、ノーマル脚の時にリミットケーブルがあった所ですね。
これは右側
脚を作り替えて以来、使っていませんから無くても全く問題ありませんね、
どうせならもっと大きく切っちゃってもイイのに
等と、オリジナル至上派が耳にしたら眉間に皺を寄せるようなセリフがさらりと口に出るのは···
やっぱり師事したのがこの人だからだろうナ。
(笑)
切るといえば此処、
貼ったマスキングに墨線が入れられているのが見えますでしょうか?
30mmと一番短いファンネルでも干渉するからと、ここを切る事も考えたのだそうです。
勿論ただ切りっぱなしではなく、
ちゃんと補強は入れるにしても、やっぱりサブフレームを切るのはどうしたものかと思いとどまったのだそうで、
それからというもの、エンジンマウントとの間に入れたシムを足したり引いたりする事で、持ち上げたり傾けたりして、やっとこさこの位置に落ち着いたという事で、
「そのシムの厚みでスペーサーを作って入れた。」
(苦労したんだゾ)
インテーク側に入れてただ傾けたって訳じゃないんですね、
ところで
まだ大丈夫だからと今回は交換しなかったエンジンマウントですが、
当然新品の時に比べたら潰れて短くなっていますよね。

(相当古いガラケーのカメラですから見辛くてごめんなさい)
マウント交換したら、また位置が変わっちゃうんでは?
「その時はマウントを見比べて、変わった分だけシムを抜く(スペーサーを薄くする)」
なるほど。
エンジン位置が更に変わったとなれば、
4番のファンネルと並んでクリアランスが気になる、オルタネーターとステアリングギアボックスの間はどうなったんでしょう?
ケースは更に削られてます、
テンショナーの方は···
一見変化はないように思えますが、
ちょっと待てよ、何か違うゾ
先端ばかり気にしていたけど、
違和感の正体はコレか!!
そうか、こっち側を長穴加工して逃がしたんですね!

(これが元々です)
「そうだ、先を削ると(スリットが入ってるから)切れちゃうだろ」
「それとベルトも(短く)替えてある」
これなら何とかここもクリアしていますけれど、
それにしても本当にギリギリですね、、。
(苦笑)
それと、
もう1つの懸案事項なんですけれど、
エキマニを付けたままエンジン位置を変えたじゃないですか、
そうするとパイプのどこかにストレスがかかっているんじゃないかな?
「排気系を製作りに出した時、(お前のリクエストで)フレキシブルを入れただろう」

(通常レーシングには余り入れないようですね)
「それが(ストレスを)吸収した」
アイドリングで振動の大きい、チューンドシングルキャブへの対策として入れたフレキシブルが、こんな所で役に立つとはね。
リフトアップしたついでに、
そのあまりの爆音ぶりから“直管疑惑„が囁かれているお嬢ですが、
見ての通り、ちゃあんとサイレンサーは付いてるんですよ。
(オーダーはストレート管だったのだが、お師さんのチェックが入ったみたいで、出来上がってきたらいつの間にかサイレンサーが入れられてた(笑))
さて話を“削る„に戻しましょう。
「こんなコトもやったんだぞ」と、
お師さんから送られてきた画像はスロットルのリンケージ
その“逃げ„を捻出するための工夫。
本来ならアダプターを介して、キャブレター自体を外に逃がしてやれば済むのでしょうが、
いかんせんお嬢にはそのスペースが一切無い。
苦肉の策で、マニホールドのウォーターラインを最小限削ったという事なのでしょう。
言われてみれば、
「こんな加工してる」と送られてきた画像にも削る箇所がマーキングされていますね。
リンケージといえば、
そうと言われなければ気付かないほど些細な、
けれど実はとっても重要な箇所があるんです。
それが此処、
アクセルペダルからのリンケージ。
ナット止めに変更されたボールが内向きになっていますよね。
これ元々は外向きにカシメられていました。
それを矢印の所へとターンバックルでジョイントさせますと、真っ直ぐではなく斜めに押す事になってしまうのです。
それでも開閉自体は全閉から全開までちゃんと出来ますし、
この程度なら、まぁ問題ないですよとするショップがほとんどでしょう。
この部分を加工するとなると、
アクセルペダルごと引き抜かなければならず、
それをするのは通常、エンジンが降りている時ですからね。
極端に斜行していますと、
アクセル開度とバタフライ(スライドバルブ)の開き方が同期せず、
ある一点から急に開き始めたりして乗り辛いものになってしまうのですが、
この程度ならそんなに問題ないかな···
この暑さですし、
他にもやらなきゃならない仕事が押してますから、お嬢にばかり構ってはいられないよナ
そんな事考えながら、
半ば諦めの面持ちで凝視していたのを見逃さなかったのでしょう
次の時に
「コレもやっておいたからな」って、
どうやって?
まさかこの為だけにエンジン降ろしたりしないですよね??
「知恵の輪みたいにして外した(笑)」
リンケージなんて、キャブを付けてしまえばほとんど見えない箇所なのに、
目を瞑ろうとすればいくらでもそう出来る、そんな些細な箇所にも一切の妥協ナシ
うん、
これこそGARAGE ◯◯◯◯クオリティだ。