先日、36.4(キロ/リットル)のカタログ燃費を持つホンダの新型フィットハイブリッドに試乗しましたが、モーターのアシストがある力強い走りに感銘を受けたところでした(アクセルに違和感がありましたが、あの感覚が「ハイブリッド」なのでしょう)。
お店の人からは、カタログ燃費の7割くらいの距離は走れますよ。といわれたので、実際は25キロくらいでしょうか。最近は、各社とも、これでもか!と燃費競争に明け暮れていますが、燃費が上がれば上がる程、給油する間隔は減るわけで、その辺りを物好きな勉強家が試算した所、下記のようだったそうです。
>月900㎞(年間10800㎞)と仮定して、レギュラー150円とすると
>リッター10㎞だと、90L 13500円(1080L 162000円)
>リッター15㎞だと、60L 9000円 (720L 108000円)
>リッター20㎞だと、45L 6750円 (540L 81000円)
>リッター25㎞だと、36L 5400円 (432L 64800円)
>リッター30㎞だと、30L 4500円 (360L 54000円)
>燃費が良くなるほど、節約できる燃料が少なくなることがわかる。
>(リッター10㎞を15㎞にするのは月々30Lの節約だが、25㎞を30㎞にするのは6Lの節約)
これで分かる通り、最新のクルマで争っている「数キロのカタログ燃費の差」というものは、数字が高くなればなる程、実際の燃料費としては、ほんの少しの差額となります。それは、20キロと25キロの差額みたいなものであって、月当たりの燃料費差額は1,350円(9リットル)となっています。
ただし、これは、月当たり900キロ走った場合の話しであって、それ以下の人は、もっともっと少ない燃料費差額となり、ここまでくると、もう、燃費競争というのは、ある程度進む所まで進んだ感があるのではないだろうかと、私なんかは思ってしまいます。
たとえば、年5000キロ、月当たり450キロしか走らない人が、200万円のカローラハイブリッドを買っても、非ハイブリッド車との差額をペイできるのは、実際のところ、二十年
10万キロの距離を走らないとだめなようで、最初に支払った差額分の回収はそのときまでお預けで、それまでに、バッテリーを交換しなくてはならず(基準は8万キロ)、「気持ちだけエコ」というイメージを身にまとう価値観はあるものの、いったい何をやっているのか分からない、という笑うに笑えない結果になります。
もっと広い話しで言えば、いままでは、原油の堀り惜しみで、わざと供給量を少なくして、原油利権を握っていた人たちが利益を上げていましたが、天然ガスのようにちょこっと穴を開ければ、そこからどんどん吹き出してくるような、「堀り惜しみ」のようなことが出来ない状況だと、エネルギー本位制のよりどころも、原油ではなく天然ガスに移行するのは必至で、エネルギーがどんどん低価格化するという方向へ行くわけで、そういう意味でも、燃費競争というのは、もう意味をなさない時代に、既になりつつあるというのが、ヤマグチ自動車商会の業界時事問題への感覚です。
ヨーロッパやアメリカのように、隣町まで数十キロを信号なしで突っ走るような、そんな道路環境なら、燃料もたくさん使うでしょうが、日本のように都市間距離が狭くて山も多く、常に数百メートル以下間隔の信号で停止させられていては、距離も伸びないのであって、日本らしいクルマというのが、自ずと生まれて来るという形となります。
そういう意味で、欧州車がこぞって「小排気量+ターボ」にシフトしているなか、
トヨタの幹部がそれはしないよ、というのも頷けるところです。
先日の新型アクセラのハイブリッド仕様は、30(キロ/リットル)のようです。
私ならフィットよりもこちらの方が好きですし、またむしろ、中古のスイフト、もしくはアテンザとかスカイラインの方が費用対効果が高いと思います。
Posted at 2013/10/19 20:29:39 | |
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