
今日は以前からここで紹介しようと思っていたネタを披露する。
しかし最近はクルマ雑誌を買わなくなった。思い起こせば物心ついたころからクルマが好きで、小学校のころには「いつかスバル360を買って乗ろう」と思い、それは中学生になると「トヨタ2000GT」に変わり、高校生のころにはそれが日本の旧車になり、大学生になるころには創刊前の「ノスタルジックヒーロー」誌やら(あれは当初は単発雑誌だった)「オールドタイマー」誌やらを買うようになり、大学生になって「GT Roman]と出会ってからはイタリア車一直線で、「いつかはアルファロメオ」と思い、バイトしてベスパを購入して念願のイタリア車乗りとなり、その後2000年代になってようやくアルファロメオになり今に至るのだが、その間に買ったクルマ雑誌の数はそれこそ数限りない。
そういえば雑誌というものは、いわゆる書籍とは違って「立ち読み」であったり「読み捨て」られるものである、というのが一般的な話かもしれないが、私の場合、本屋で雑誌を買う場合でも「払った金額に見合った内容があるか」を吟味しないと買えない性格で、結局たった数百円の雑誌ごとき?に1時間も悩んだりすることもあるのだが、しかし自分の中では定番化してしまうと、毎月発売されるのを首を長くして待って購入したりしていた。その代表的なものはカーマガジンだったり、福野礼一郎の連載があったころのくるまにあ、や特選外車情報F-Roadだったりしたのだが、アルファロメオとイタリア車一直線になって以降、最近はそれも少なくなった。
一つは前述のとおり中身を吟味して買ったものは、なかなか捨てることができなくて結果、自宅の自分の部屋が雑誌と本だらけになって本棚に入らなくなったこともあるが、もう一つは最近アルファロメオの専門誌(Alfa&RomeoやSolo Alfa=後者は引き続き出してほしいものだが=)も出なくなり、輸入車のクルマ雑誌はイタリア車が出る頻度が下がってドイツ車ばかりになったこともある。もっとイタリア車には頑張ってほしいが、そもそも雑誌が売れなくなった、と言われて久しい昨今では、それも難しいのかもしれない。
自分で買ったアルファロメオ関係の雑誌やムックでは、大学時代に「いつかはアルファロメオ」と思って買った、ネコ・パブリッシングの”I LOVE ALFA ROMEO”や二玄社の「アルファロメオ」(カーグラフィックのアルファ記事の抜粋版で、①が付く前のもの)などがあり、これらはもちろん今でも私の本棚の一番重要な部分を占めているし、Auto Technoの’93年10月号「イタリアン・スポーツの60'sと現代」なんて特集号もときどき思い出しては読み返す1冊である。
2008年にオーストラリアへ仕事の関係で移住してからミトは発売となり、2010年に帰任したときには2年間の滞在中に毎日ネットで探した147GTAを買い直し、それで大満足していたころにミトはマルチエア・TCT・QVのモデルが上陸したのだが、147GTAいのち、だった私はブックオフへ行っては147GTA関連記事の載った、「買ってなかった」雑誌を買いなおしていたくらいで、だからミトは全くノーマークに近かった。今でもそうなのだが、ミトが雑誌に紹介されるときには「ピッコロ・アルファロメオ」だの、「乗って楽しいイタリア車」みたいな、一日千秋な記事ばかりで、一体その記事を読んでアルファロメオを買う人はいるのだろうか、と思うほど、イタリア車とアルファロメオが好きな私も、何だか飽きていていた感もあった。
しかも時代はリーマンショック以降、不景気にもなり、今に続くプリウスを筆頭とするハイブリッドブームもあって、輸入車の中でもドイツ車と比べて品質・ステータス・その他モロモロで商品性の劣るイタリア車は雑誌に載る頻度も下がり、それはミトがTCTとアイドリングストップを搭載しようが、続くジュリエッタが5ドアハッチバックになって商品性が上がろうが、変わることはなかった。だから本屋へ行ってクルマ雑誌を買わなくなったのは、何も私の本棚事情だけではない。露出が下がり、たまさか自動車ガイドに出ても先述のとおり、5行でミトやジュリエッタの魅力など述べられても、私的には全くお金を払って買うようなものではなかったのだ。
そんな私だったが、ある日会社帰りの時間潰しのコンビニでたまたま手にした雑誌があった。晋遊社という、MONOQLOという雑誌を出している会社の、「マイカー完全ガイド 本音のクルマ選び」。ちなみにMONOQLOという雑誌のシリーズには、時計やら家電やらいろんなバイヤーズガイド本があるが、いずれも売りは「広告一切ナシ!」で、我々素人ですら今や「提灯記事」などというつまらない言葉を知ってしまうほど、雑誌と広告の関係は切っても切れないものらしいが、それがない、つまり「言いたいことを言って書きたいことを書いている」を売りにしているものである。
イタリア車とアルファロメオいのち、な私が、あの時間潰しで、かつ他にめぼしい雑誌のなかったコンビニでなければそんな雑誌を手にすることもなかったかもしれないが、パラパラとめくって見て驚いた。ホチキス止めのその雑誌は、だからパラパラと開くと、すぐに中心のページに行ってしまうのだが、そこからは「クルマのプロ25名が選んだ 300万円以下限定 [激辛] マイカーランキング100」と題した、いかにもありがちな、クルマランキングだった。
繰り返すが、イタリア車とアルファロメオいのち、なのだから、一般的なクルマのランキングなどには興味はない。だいたいランキングなんてものは、「何を主眼にするか」によってどうとでも変わるものだ。変な話だが、「販売価格に比べてコストがかかっているクルマランキング」だったら147GTAなんてかなり上位に食い込むのではないかと思うほどである。
ところがその記事を見て驚いたのは、1位:マツダCX-5、2位:トヨタプリウス、3位:ホンダCR-Zという最初のページの次をめくったときだった。それが冒頭の写真、これをよく見るとなんと 6位:アルファロメオ・ミトとあるではないか!ちなみに4位はスズキ・ワゴンR、5位はインプレッサG4なのだから、3位のCR-Zよりもミトに違和感があるのは私だけではないだろう。一体どういうランキングだ、これ?
評価は加点方式で、項目としてはスペックから「パワーウェイトレシオ」「燃費」「エコカー減税」「安全装備」、識者ポイントとして「コストパフォーマンス」「ドライバビリティ」「ロングツーリング性能」「取り回し性」「スペースユーティリティ」「特別加算」となっていて、評価項目としては、まずまず真っ当だ。
国産車・輸入車を問わず300万円以下という括りだけで、しかも評価項目としては真っ当なランキングでミトが6位。これは輸入車では一番上で11位にゴルフ、12位にベンツのBクラスとポロ、14位にアウディのA1、15位にUp!、17位にThe Beetleといった具合の結果になっている。素晴らしい。ちなみに盟友ジュリエッタは300万円以下ではないから出てこない。
繰り返すが、私はそのランキングそのものには余り興味がない。もしもクルマを機械として考え、その目的に「後部座席も含めて乗員が快適で燃費よく安全で(価格比で)高品質で信頼性高く、ついでに運転して楽しい」クルマを選ぶのだとすれば、日本車が一番ではないか、と思うからである。
しかし2012年の終わりごろ(発刊は2012年12月)、アルファロメオ・ミトが識者25人が選んだマイカーランキングで輸入車1位、日本車を合わせても6位という栄冠に輝いた、というのは、世間一般的には認知度が低いかもしれない私の愛車の、輝かしい記録ではないか、と思う。または、とある客観性を若干持った視点から冷静かつ公平にクルマというものを眺めたとき、そこに何の恣意性も持ち込まなければ、ミトというクルマはこういうポジションに来てしかるべきなのかもしれない、と思う。
この雑誌を日本全国の誰が手にして、6位にあるミトのことを認識して、そのうち何人かが興味を持ってくれるのかは分からないが、ちょっとだけうれしい気分である。少なくともこのブログを読んでいただけるような、アルファロメオ好き・ミト好きの皆様にはぜひともこんな雑誌と記事があったことを知っていただきたくて、ここに(長々とだが)書いた次第である。
Posted at 2013/02/09 22:57:59 | |
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アルファロメオ・ミト | 日記