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今回は、秋の名残が残る中で巡った　対照的な３ダムです。
１つ目は、千客万来、フルスペック都市近郊ダム　
　一庫（ひとくら）ダム
２つ目は　様々な要害に阻まれ、姿を拝めない幻のダム　
　喜撰山ダム
３つ目は　山里の奥に佇む、歴史を秘めた古いダム　
　犬上川ダム


一庫ダムは、日生ニュータウンの奥にある水資源機構のダム（公団ダム）です。


クレストやオリフィスの大型ゲート郡、シンメトリーにデザインされた提体、大きな副ダムなど
整ったスタイルが特徴です。また湖畔は整備された公園でバス釣りポイントとしても有名です。




もちろん駐車場や案内板も完備され、お約束の、「車とダム」もバッチリ撮影。


喜撰山ダムは、巨大な蓄電池として機能する揚水発電所の上池として建設され、
天ケ瀬ダムを下池として運用されます。
しかし、フレンドリーな天ケ瀬（国交省所管）と対照的に、所管の関電さんは見学謝絶。
右岸支川の寒谷川を堰き止めた提体は、かろうじて寒谷川上流側から遠望できるのみ。
ダムサイトへの道路は全てゲートで封鎖され、ハイライトの下流側は、一般道から全く見えません。
実家からは数キロですが、近くて遠い存在。小学生の頃、秘密基地だという都市伝説がありました。

しかし実は、このお社の脇から宇治川左岸に向け、奥山に紅葉踏み分け林道を進むと、


喜撰山ダム提体の下流側正面を見渡せる場所があります。
揚水発電のため、いつも明けがたは満水、夜は渇水ですが、今日は満々と水があるようでした。

昔はもっと見えた記憶があるのですが、植林が進んだ今は、よく見えるポイントは限られるようです。

この写真、喜撰法師と猿丸太夫とのコラボ作品とも言えますね。

犬上川ダムは、滋賀県はお多賀さんの東、犬上川の上流に忽然と姿を現すダムです。
年期が入ったコンクリに、超横長の赤いローラーゲートが映えます。
駐車場もＰＲ案内板もありませんが、訪問者を拒絶することも、また媚びることもなく、泰然自若。

戦前に着工され戦時中断を経て、昭和２１年完成　一説には日本初の大規模灌漑ダムといわれ、
国定公園内となるダム湖は、おしどり繁殖地南限だそうです。

下流には山里ながらも、はんなりした家並み。村人たちは怪しい私にさえも会釈をしてくれます。
しかし歴史を紐解くと、水争いを発端に住民の様々な葛藤の末に完成したダムだそうです。
ところでダム便覧には、下流正面から撮影した写真も掲載されています。
しかし林道から斜面を「よじ降りる」しか、そのポイントには行けません。
覗き込むと谷はこんなに深い。無理すると転落しかねないので、降りるのは自重しました。

ずっと以前に忘れていた趣味であるダム巡り。
ＡＲＱとヴェントのダブルキャストで、来年はどこに行こうか思案中です。