森の隈のブログ一覧

古代史大好き、森の隈です。
(加工品からその時代の金属加工技術や加工温度を想像するのが特に好き)

やっとポンペイ展行ってきました。



まず、入口で驚かされるのが、石膏像。



火砕流で覆われた有機物が、分解され残った空洞に石膏を流し込むと現れる、ご臨終の姿です。

うつぶせの姿ですが、来ている服や髪型、足の指までわかる姿で残っています。
合掌

年表とかの説明の先にあった、展示に釘付け

青銅製水道の蛇口

青銅製水道のバルブ

ハンドルの取り付け部

現代のフルボアボールバルブに似た構造(パッキン除く)

やっぱり砂型鋳物かな～。
型の合わせ目がそれっぽいな。
円筒形の擦り合わせは、どうやって精度出したのだろう。
漏れ量は、どのくらいだったのかな～。
各部の寸法計らせてもらえば、推論できるのにな～。

などと、青銅バルブの製造に１０年ほど関わった知識が想像を膨らます。


精巧なブロンズ像
年代的に、この前見たエジプト展のロストワックス鋳造製ブロンズ像と被るのだけれど、鋳造の精度が段違いに良い。
まあ、エジプトのは、庶民向けの量産品だったけどね。
肌砂に凄く細かい砂を使うとか、凄い技術がいるんだけど。


青銅製の冑(かぶと)
板金と鋳物で出来てます。
はい、ロー付けですね。仕事では銀ロー使ってたけど、どんなロー使っているのか。今の見た目じゃわからない。


膝あて、板金たたき出し。


彫金もうまい。






鉄製の足かせ。捕虜の足を並べて、上の丸い穴に棒を通すと、足が抜けなくなるというもの。

ちょっと待った。
フラットバー状の板に立てた部品の穴に棒を通す。

溶接と言う、ピンポイントで１２００℃以上に鉄を加熱する技術以外で、この数の部品を精度よく並べて接合する技術を私は知らない。
鋳鉄単体の仕事しかしてないから、私の無知だろうけど。


お約束、古代のパン。


ほんと、ブロンズ像は凄い。
彼らが、９００℃の温度を自在に使いこなしていたのが判ります。

青銅製のフルート


やっぱりロー付けの後が。


金の腕輪
画家のミュシャが書いた舞台ポスターに、似たような腕輪を付けた女優の絵がありましたね。この時代を題材にした演劇だったのかな。

以上　長々とお付き合い有り難うございました。