
くろバン劇場 『悔しい別れ・発動編』
一晩明けガレージの愛車を見る…痛々しい姿…
『ちゃんと直してもらおうな…』
加害者の女性が契約している●●ダイレクトからは今日連絡があるはずだ。
今日はディーラーが愛車を工場へ運び込んでくれる。
愛車の修理が始まるのは保険会社と話しがついてからだ。
『●●と、大手商社の名前を冠したグループ企業だから問題はないだろう。
加害者の女性も名刺を見ると県観光課の公務員だし「必ず直します」と繰り返し言ってたしな…』
愛車の脇に停めてあるバイクを目覚めさせる…『直ってきたら、また走ろうな』と愛車に呟き会社へ向かった。
昼前に●●ダイレクトの担当の「島」と名乗る女性から連絡が入り代車の話しだけをし始める…事務的な一方的な応対口調…『なんだこの口調は?』と思いつつ、愛車のディーラー担当を教えて直接話して貰うことにした。
次の日、男にディーラー担当から代車の件で「篠原」と名乗る男性から連絡が入り、「カローラクラスの代車を出す話しになりました」と伝えられた。
男の愛車よりクラス下だが『修理期間中だけだから構わない』と彼はディーラー担当に伝えた。
「島」と名乗る女性が担当と伝えていたので、彼が相手に聞いてみたところ「『島は11時まで来ない』と答えられた」と教えてくれた…専属担当ではなかったのだろうか?
事故後3日目…ディーラー担当より「●●ダイレクトから車の修理費が時価格19万と車検の残り4万…23万しか支払えないと連絡がありました、うちの外観からの試算でも40万以上掛かる修理なんですけど!」
冷静な彼が憤慨している。
「わかりました、私もこれから●●の島さんと話しをしてみます!」
急ぎ●●ダイレクトに電話を入れると待たされた挙句「席を外しているので折り返し…」と云われ待つ事に…数分後●●の島さんから連絡があったが、男から電話があるとは思ってなかったらしく戸惑っている…男にしてみれば『ディーラーより先に連絡をよこすべきだと思うのだが…』と思っていた。
『相変わらず言葉遣いが悪い保険担当だ…』とも…
彼女の話しを要約すると…
・時価格での金額しか出せない
・代車を返せばその分を上乗せする
・直さず金だけの支払い
『…これでは当てられ損な話しではないか!』
男は保険会社の被害者に対する対応に「怒り」を隠しつつ冷静に話しを進めたが、事務的に同じ事を繰り返す言葉遣いの悪い担当と話しても埒が明かず、●●ダイレクト側に正式な修理見積りを提出する事で再検討をお願いし、ディーラー担当からも●●に連絡を入れて貰う事に…
小一時間後に彼から「明日●●の委託調査員が現車を見に来るそうです」と連絡が入る。
●●ダイレクトに疑念を持ち始めた男は「お渡しした事故直後の写真も見せて、こちら側が何も細工せず正当に修理請求をしている事を伝えて下さい」とお願いをした。
『…なんなのだ、この会社は?、事故担当は被害者に伝えるだけのパートかアルバイトなのか?」
男の気持ちに不信感が広がっていく…
男が加害者の女性にこの事を電話で話そうと連絡をするが電話には出ず…時間を空けた3度目の電話でやっと話しが出来たが、彼女は●●ダイレクトから男が●●と話した後に連絡を受けていたようだった。
彼女は「保険側の話しの意味が解らない」「●●から被害者(私)と金の話しはしないでと云われた」「これじゃあ何の為の保険か…」と男に話した。
「私の希望はあくまでも事故の前の状態に車を戻して欲しいだけです。」と伝え、再び彼女は了解をし「また動きがあれば連絡します」とも言った…
『空約束にならなければよいが…』
公務員の加害者にも不信感が広がってきた。
事故後4日目…今日はディーラーに●●ダイレクトの委託調査員が愛車を見ている筈だ。
『ネット契約の保険会社なので委託なのだろうか?』
この日は何処からも連絡は来ず、男も様子をみることにした。
通勤には代車も無くバイクでの通勤が続いている。
事故後5日目…●●ダイレクトの「鈴木」と云う男性より連絡が入る。
また「島」と云う担当ではない…『何の為の事故専任担当なのだろう?』
男が「担当の島さんは?」と聞くと「島は11時まで来ませんので代わりに連絡しました」と鈴木が答えた…『ほんとにアルバイト担当なんじゃないのか?』と、不信感が増していく。
この鈴木から伝えられた事は、何も検討されていない内容だった。
・レッドブック(オートガイド自動車価格月報…査定の参考書)をもとに新車時の10%程度の19万が愛車の査定額
・車検の残りを日割り計算し、査定額と合計した金額が23万を支払える
・アジャスター鑑定人(これが委託調査員の事だが)の調査による修理金額は395,000円で全損扱いとなる
・現金払いなら「免責証明」を被害者に送り、中2日で入金
・全額修理は出来ない
・代車は2週間までしか出さない
・加害者が「対物超過特約」に入っていれば払えた…なんと云うことか!
いまどき「対物超過特約」を付けていない保険とは!…男は加害者が契約した保険に唖然とした。
男は納得出来る訳も無く「加害者には私の希望を伝えたあります。契約者と●●とで話して貰いたい。」と伝え、了承せずディーラー担当に相談する事にした。
「レベルの低い保険屋ですね、普通は被害者の事を考えて修理期間や1ヶ月位の代車費用は出しますよ。対物超過特約だって、こんなトラブルの為に保険会社自体が契約者に薦めるものなのに…インターネット契約の保険でも薦める文章とか説明は無いんですかね?」とディーラー担当も呆れた。
●●側の修理査定も怪しくなり、ディーラーで愛車の本格的な修理見積りを依頼する事とした。
破損パーツを外す工賃が掛かってしまうが自分達の正当性のために概算ではなく細かく見積もってもらう事に男は決めた。
『愛車の無い生活が家庭にも負担が出始めている。ディーラー担当も頑張ってくれている、何とかしなくては…』
次々と怪しくなる加害者とネット契約の保険会社●●ダイレクト
…闘いが…始まった…
つづく
次回 『悔しい別れ・暴発編』
※この話は事実に基づいたフィクションです…事実は98%位ですけど(苦笑)
いやぁ~、今回のは小説に為り切ってないですねf(^ ^;
事故当時の交渉メモと写真を見ながらですから、当時の怒りがこみ上げちゃって…もう6年経つので「第三者的に書けるかな?」と思ったのですけど難しいですね(苦笑)