
東電と鉄道各社の話し合いの結果、4~7割の間引き運転ではあるが、鉄道運転が再開した。
会社に出勤しても原発事故のことが気になって仕事に身が入らない、
3号機は水素爆発で原子炉建屋が吹き飛び、4号機は建屋の壁に大きな穴が開いている。
3号機と4号機の間からは白い煙が立ち上っているとのこと。
最悪だ。PCVバウンダリ(格納容器障壁)が破壊されれば、放射線が広範囲に拡散することとなる。
今回発生している事象のまとめは、以下のURLを参照するとよい。
破局は避けられるか――福島原発事故の真相 ジャーナリスト 広瀬隆
http://diamond.jp/articles/-/11514
DG(非常用発電機)は軽油タンクの喪失により機能喪失、その他ECCS(原子炉隔離時冷却系)やFCS(水素再結合装置)も電源系の喪失により機能しなかった。
FCSさえ起動していれば、ドライウェルやサプレッションチェンバが可燃性限界以下(酸素濃度5%以下、水素濃度4%以下)に抑えられ、水蒸気爆発を起こすことはなかったと考える。
こうしたシビアなアクシデントを国、電力会社、学者は想定していなかったのかというと、事前に検討済みである。
1979年の米国のスリーマイルアイランド事故や、1986年の旧ソ連のチェルノブイリ事故のように、原子力発電所の安全設計において想定している事象を大幅に超えるものであって、原子炉の燃料が重大な損傷を受けるような大事故のことを「シビアアクシデント」(過酷事故)という。
「アクシデントマネジメント」とは、シビアアクシデントに至るおそれのある事態が発生しても、それが拡大することを防止し、万が一シビアアクシデントに拡大した場合にも、その影響を緩和するための対策です。
現在、アクシデントマネジメント(AM)に基づき、東電社員による懸命の対策が行われているが、LOCAの発生確率は10^-7であり、PSAの評価では炉心損傷頻度(/炉年)と格納容器破損頻度(/炉年)は次の通りとしている。
炉心損傷頻度 格納容器破損頻度
AM前 AM後 AM前 AM後
1F-1 7.9×10^-7 3.1×10^-7 2.2×10^-7 1.0×10^-8
1F-2 4.9×10^-7 1.6×10^-7 2.2×10^-7 1.2×10^-8
1F-3 3.3×10^-7 1.3×10^-7 1.6×10^-7 1.3×10^-8
1F-4 3.8×10^-7 1.5×10^-7 1.9×10^-7 1.5×10^-8
1F-5 2.4×10^-7 5.5×10^-8 9.6×10^-8 6.5×10^-9
1F-6 1.5×10^-7 9.1×10^-9 7.3×10^-8 3.0×10^-9
こんな1000年に1度あるかないかの事象が今起きている。
しかも、1プラントではなく、3プラント同時にである。
今後の安全設計における発生事象の見直し、並びにシビアアクシデントに対応できる系統・設備の必然性が見直される多であろう。
一刻も早く、GEが米国より発送準備している発電用のガスタービン設備、米国軍隊が持ち込む給水設備が設置され、PCVバウンダリの健全性確保、使用済み燃料(F/Pに貯蔵されていた燃料)の冷却が行われることを祈る。
また、1F-P(使用済み燃料格納施設)は今回の地震・津波で被害を受けていないかどうか心配である。報道では何も触れていないので、安全性は確保されていると信じるのみである。
参照URL
http://www.fepc.or.jp/present/safety/shikumi/accident_management/index.html
http://www.cea-jaea-collaboration.net/archive/jaea/summerschool2007/text/L-5.1_Accident%20and%20Safety%20Measures%20of%20Light%20Water%20Reactor.pdf
http://www.athome.tsuruga.fukui.jp/nuclear/information/fukui/data/si3.pdf
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/kakunou/1/siryo1-2-1.pdf
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g90403b09j.pdf
http://cnic.jp/files/kwd.pdf
http://www.jnes.go.jp/content/000005939.pdf
Posted at 2011/03/16 20:46:04 | |
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