
こんにちは。秋分の日もすぎ、9月もはや終盤…既にフレンチブルーミーティングまで一か月を切りましたが、今年は参加自体は間違いなくするものの、当日のみなのか前日からなのかどのような形で参加するか決まってません(ー ー;)。
もう少し先の決定となりそうです。
さて、今回のタイトルはバタフライガーデン、つまり蝶の来る庭という意味です。
最近ではこうした蝶が翔んでくる公園を自治体が中心となってつくったりするような活動も行われているようですね。
そして、このタイトル画像は安曇野にある
田淵行男記念館で手に入れた山岳写真家であり高山蝶研究家であった田淵行男さんが描いた美しい蝶、カラスアゲハの細密画です。
今回はこのタイトルとタイトル画像にあるように虫ネタです。苦手な人は不快になるかもしれませんのでこれ以降ページを読み進めないことをお勧めします。また前回同様にこれもInstagramの既出ネタですがまとめということで…。

さて以前このブログで
クロアゲハのことを取り上げたように我が家にやってくる蝶を育てています。
卵→幼虫→蛹→蝶へと姿を信じられないくらい変えて成長していく様はドラマチックかつ生命の不思議さに満ちています。特に蝶に羽化した時は大変感動させられます。
そんな素晴らしさに魅せられ、3年前何となくはじまった我が家にやって来る蝶の飼育が続いています。
知れば知るほど興味が尽きず…最近買ったイモムシのふしぎという本。生涯するフンの数とか面白いです。

ネットや本で知識や情報で世界が広がるのも楽しいですが、それ以上に実際に間近で目の当りにしたり体験したりするのはやっぱり楽しいものです。これは虫に限りませんよね。
そんな我が家にやって来た蝶の紹介をしていきます。

これはスミレに来たツマグロヒョウモンの幼虫。タテハチョウの仲間です。知らない人が見たら思わずΣ(゚д゚lll)ギョッとするような棘が全身にある毒々しいデザインですが、毒もなく棘も全く痛くありません。

枝などにぶら下がる形で蛹となります。鋲のような金属光沢の模様がついてるのが特徴です。
これは羽化の模様です。

羽が伸びた成虫の姿です。ご覧のようにツマグロヒョウモンの名前通り(♀のみなんですが)端が黒くなっています。人懐こい蝶で腕に登って来ちゃいました(≧∇≦)。
元々南方の蝶なのですが、温暖化でこちらでも見られるようになりました。

5月にスミレにやってきたこれもツマグロ?と思ってたら、こちらは同じタテハチョウ科のメスグロヒョウモンの幼虫でした。

蛹もツマグロヒョウモンとよく似たデザインです。

羽化したメスグロヒョウモン。ご覧のとおりメスのみ墨色な色をした翅を持つ蝶なのでこの名があります。青っぽい墨色がとても綺麗でした。
ほぼ意図的なのですが、我が家は柑橘系の鉢植えが多いんです。物凄く頻繁では無いですが、それを好むアゲハ(ナミアゲハ)がやって来るようになりました。

これは我が家で羽化したナミアゲハ。その日ちょうど雨が降っていて、旅立つ前に雨が上がるのを望むかのようにてるてる坊主に止まっていました(^^;;。
我が家の場合ベランダで育てているため、天敵がやってくる頻度はさほど高く無く無事に育つ方でしょう。でもこんなこともあります。ある日羽化を待つ蛹の近くでこんな蜂が…アゲハヒメバチという寄生蜂です( ゚д゚)。

蛹を見てみると齧られて開けられたような丸い穴がありました(´・_・`)。この蛹は越冬してようやく春の羽化の時期を迎えこれからというところでした。中は空っぽでこの蛹が生きていた証は外の殻だけということですね。
実際野生の蝶が無事羽化するのは、多くの鳥や蜘蛛などの捕食者や寄生虫等の天敵、病気などに遭うため数パーセントと言われています。その辺で飛んでいる蝶は奇跡的な存在という事ですね。

さてナミアゲハはよく知られているように1→4齢までは鳥糞に擬態したような姿で育ち、5齢つまり終齢で緑色の芋虫になります。アゲハの幼虫は食草が不足しなければ基本的に手間はかかりません。
そして、アゲハの終齢幼虫は十分成長すると蛹となる準備に入ります。アゲハは今までいた樹では蛹にはなりません。その場で蛹になると寄生虫などの天敵に狙われやすいのが理由と言われています。
アゲハはその時が来ると下痢のような糞をします。この時消化器官なども排出してしまうようです。何故ならもう食べる必要が無い訳ですから…。
その後それまでののんびりしていた動きとは打って変わって大急ぎで樹から離れます(・・;)。ちなみにこうなった幼虫は羽化までしっかり見届けたいことと、寄生虫から守る意味でケースに保護するんですが油断してると脱走されてしまいます。そうなるともう発見できません(-。-;。
良さそうな場所を見つけ蛹になるわけですが、その場所に応じて蛹の色は変わります。保護色というやつですね。

さらに羽化直前になるとこのように体が透けてきます
ナミアゲハが蛹から出てくる瞬間です。

この後翅が無事のびてくれれば問題なしです。
旅立つアゲハ。羽化が無事終わって飛んでくれるとホッとしますが寂しくもあります。
さようなら。
この蝶はタイトル画像にあるカラスアゲハと近い種類でさらに美しいとされるミヤマカラスアゲハ。メタリックな光沢のある翅が素晴らしく美しいです。

カラスアゲハを育てるのは念願でした。この蝶はどちらかと言えば山地の蝶で、田舎とはいえ市街地にある我が家ではさほど見る方ではありません。この美しい蝶を育て羽化して飛んでいく様を間近で見てみたい!そう思ってました。
そんな先月のある日、ナミアゲハに混じって少し様子の違うアゲハの若齢幼虫がいるのを発見しました。

ナミアゲハより緑っぽく艶々と光沢があり、頭の後ろの背中の部分が膨らんでいる・・・これはカラスアゲハでは!キタ━━━━━━(p゚∀゚q)━━━━━━!!

後に分かったのですが、さらにもう2匹いました!
なんとそれだけに留まらず一昨年来て以来、全く姿を見なかったクロアゲハも来ていました。

上からナミアゲハ、カラスアゲハ、クロアゲハ。微妙な違いなのですがよく見ると細かい特徴が異なっています。今回3種のアゲハの幼虫がそろいました。

さてカラスアゲハに戻りますが、脱皮して4齢に。脱いだ皮は食べてしまいます。これは貴重な栄養源です。

4齢になると体色は綺麗なグリーンです。この幼虫の時代から既に綺麗です。
食事中の様子。
さらに脱皮の様子。いよいよ終齢です。
終齢となったカラスアゲハ。頭の後ろの背中の部分は小さな蛇紋眼(目のような模様)と蛇のような模様が特徴です。

画像では伝わらないかもしれませんが体色の緑と黄色の線がとても鮮やかで綺麗です。

正面から。鎌首をもたげて蛇のようなポーズをとります。ボクは蛇なんだぞ~(`・ω・´)キリッと一生懸命アピールしてる様はむしろ愛嬌を感じます。
もっと神経質で病気にかかり易そうなデリケートなイメージがありましたが、特に扱いにくいこともなく、非常に穏やかで元気に育ってくれましたε-(´∀`; )。

この後蛹となる準備に入りました。

飼育ケースの蓋で蛹の前の状態、前蛹になりました。

蛹となってすぐの状態です。すっきりとしたデザインです。

カラスアゲハの蛹は越冬の場合それを示すラインが出ます。一日おいてこの蛹もラインが現れてきました(o_o)。

3種類のアゲハ終齢幼虫です。左はカラスアゲハ、右上がナミアゲハ右下がクロアゲハです。今回は非常にバラエティに富んでいて観察していて楽しかったです。
まだ幼虫のアゲハ達がいますが、ほぼもう終盤でもうすぐ蛹になります。ナミアゲハはまだ来月羽化する可能性がありますが、カラスアゲハとクロアゲハはほぼ越冬して羽化するのは来春と思われます。
早くも来春が待ち遠しい、我が家の「蝶のお庭」です。