2011年05月17日
振動について。(長文注意)
先日、ソムタムさんのブログにて紫川さんのと会話の中にエンジンハンガーリンク
延長で振動が悪くなったとの内容がありました。
その件について今回は解説したいと思います。
ただし、これから解説する内容が100%原因かは調べてみないと私にもわかりませんので参考程度に。
後、用語に関してはググれば出てくると思いますので、割愛します。
では本題に。
まずモーターサイクルの振動にはいくつか原因があります。
①エンジンからくる振動
②路面の凸凹を拾っての振動
③タイヤのスタティックバランスのずれ
などが大きく上げられると思います。
その中でもエンジン振動は大きく影響してきます。
エンジンの振動の中でも
①ピストンが上下することによる振動
②その他回転物のアンバランスによる振動
です。
ここで、少し違う話を。
スクーターはモーターサイクルと違い、エンジンとホイール・タイヤが一緒ににスイングする、ユニットスイングエンジンという機構になっています。
一部シルバーウイングや、T-max・GP800などはエンジンとスイングアームが別になっているスクーターもありますがほとんどがユニットスイングです。
エンジンがフレームに入っていないためエンジン振動によるエンジンの回転を吸収するエンジンハンガーリンクが採用されています。
このリンクがかなり重要な部品です。
話を戻して、エンジンの振動に。
まず①のピストンの上下運動による振動です。
ピストンが上下するときの往復部慣性力により振動が発生しています。
またシリンダー方向にはクランクについているカウンターウェイトにてある程度相殺されますがクランク回転していますので回転部慣性力による振動も発生しています。
この慣性力の合力をエンジン慣性力と言います。
エンジン慣性力による振動はリンクの角度によりセッティングできます。
もう少し詳しく言うと、決まってしまっているリンク角度でエンジン振動を減衰するために慣性力の方向をカウンターウェイトの重心変更などで変えているのです。
ということは、エンジンハンガーリンクが延長によりリンク角度がずれてしまうことでエンジン慣性力による振動を減衰できなくなり振動が悪化してしますということです。
エンジンハンガーリンクを延長することでリンク角が寝てしまうので悪くなる可能性は大いにありますね。
また、わかたくさんや私のようにヒップアップしてたり、その逆にローダウンしている人も振動が悪化する可能性は大きいです。
後はわかたくさんもコメントされていた、ブッシュ(=リンクストッパーラバー)のあたりが組み換えや力のかかり方で変わったため振動が悪化した可能性もあります。
この場合、加減速で振動が違う(どちらかのみ悪化する)ことが多いです。
なので加速時に振動が悪い場合は、乗車状態でリンクを締め付けるなどしてみるとよくなったりします。
逆に減速時に悪い場合はスタンドアップ状態で締め付けるといいでしょう。
次に②について。
これはリンクとはほとんど関係ありませんので興味のある方は参考にしてみてください。
エンジン内には回転物がいろいろあります。そのなかでスクーターのエンジンにある振動に影響する回転物といえばドリブン周りでしょう。
このドリブン周り、駆動系セッティングされている人は見たことあると思いますがドライブプレート(クラッチ)に○g・cmなど記載されていたりします。
これはドリブンAssy(クラッチアウター除く)のアンバランス量と方向の意味です。
部品メーカーで管理されている場合が多くこういう数字が書かれています。
Assyでバランス管理されているということは、クラッチをはずして戻すときについていた方向と逆方向むと振動が変化する場合があります。(変わらない場合もあります)
なので組バラス前に組み付け方向をマーキングしておくといいでしょう。またクラッチ交換は振動の変化が絶対嫌という人はAssy交換をお勧めします。(お金かかりますが。)
どうでしょう理解していただけましたでしょうか。難しかったですか?
細かい部分はもっと書くことは多いですが簡素化して解説してみました。
まあ、このあたりを弄るなら振動の悪化は仕方ないと考えるのがいいですかね。
それか大金を出して大幅にフレーム改修するかですね。
自分は少しの振動くらい気にしません。それくらいは覚悟してやってますから。
以上ご参考に。
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Posted at
2011/05/17 13:05:09
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