うれしいニュースが飛び込んできたので、とんでもなく久しぶりに
「島下×塩見 自動車メールマガジン」号外として、ここに書いてみます。
アルファロメオとマツダの協業プログラムが発表されました。プレスリリースには「次期ロードスター(MX-5)」のFRアーキテクチャーをベースに、マツダおよびフィアット傘下のアルファロメオのオープン2シータースポーツカーの開発、生産に向けた協議を開始することで合意しました」とあります。
伝統あるアルファロメオと技術力のあるマツダの提携ということで、日本人にとってもイタリア人にとっても、ハッピーなニュースではないかと思います。ロードスターのアルファ版開発を皮切りに、次々と両者のいいとこどりをしたモデルが開発されることを願います。提携って両者に足りない部分を補完し合うのが目的ですから、マツダに足りないブランド力と、ブランド力しかないアルファロメオが提携するのは本当にナイスアイデアです。
かつて自動車メーカーはグローバルで少なくとも400万台は生産しないとやっていけないと言われ、国をまたいでいくつか「400万台クラブ」が誕生しました。その後、ホンダなんてちゃんと生き残っているじゃないか! と、400万台生産しなくてはやっていけないという説は覆されました。ただし、その後に自動車の燃費要求が急速に高まったため、すべてのメーカーに次世代技術開発という、むちゃくちゃコストのかかるお題が課せられました。一社ではやっていけないくらいコストのかかるお題だったようで、大小いくつもの提携が生まれました。資本を注入する包括的なものもあれば、技術提携に限ったものもあります。また「新400万台クラブ」が言われ始めるかもしれません。
アルファロメオは他のイタリアンブランド同様、フィアット傘下にあるので、売れなくてもすぐにお取り潰しなんて心配はないのですが、男性にとっては宝石ブランドのようにキラキラした響きを感じさせるそのブランド力を活用できているとは言いがたい状態です。また、長年にわたって北米進出を悲願としてきましたが、なかなか果たせず、クライスラーと組んだことでようやくその足がかりをつかんだといえますが、肝心の売れ筋商品がない。ジュリエッタはそのプラットフォームを活用し、ダッジ・ダートとして販売されますが、北米での商売に必須とされるSUVをもっていないので、北米でボロ儲けするに至っていません。そこで、マツダからスカイアクティブテクノロジーを搭載したCX-5を供給してもらうことができれば、CX-5はじめマツダ車は元々イタリアンコンプレックスの感じられるデザインですから、フロントに盾を付けるだけで出来上がりです。個人的にはロードスターのアルファ版よりもCX-5のアルファ版がLAやデトロイトを走るのを見てみたいと思います。
マツダはマツダで、5角形のグリルだろうと盾がついていようと、ロードスターを日本でたくさん生産できる可能性があるので、今回の話はグッドニュースに違いありません。次期ロードスターはものすごく軽量化したボディにスカイアクティブGエンジンを搭載した、初代以来のライトウェイトスポーツカーになると言われていますので、そのアルファ版はもう自動的に魅力的です。トヨタ86及びスバルBRZは次期ロードスターが出る前にたくさん売っておいたほうがいいでしょう。オリジナルではなくマツダのメカニカルツインとはいえ、まさか生きているうちにFRのアルファロメオを新車で購入できる可能性ができるとは思いませんでした。
本当は日本メーカーには純血を守ったまま世界で存在感を示してほしいと思いますが、そういうファンタジーに思いを馳せている場合ではありません。日本メーカーが、努力では得られないブランドと組めるだけでハッピーと思わなくてはならないでしょう。
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2012/05/24 03:45:45