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塩見 智のブログ一覧

2011年03月24日 イイね!

16年前の震災と今回の違い

震災から2週間、皆さんはこの非常時をどうお過ごしでしょうか。僕はもう一生忘れないと思います。仁科亜季子が子宮頸がんを患ったのが38歳の時であるということを。

地震、津波、原発。数珠つなぎの災害が東日本を襲いました。生命、財産を奪われなかった国民も、電気、ガソリン、そして水という、これまでコストさえ負担すれば当たり前に手に入れられたものを入手できないことに頭を悩まされています。住む地域によって程度の差は小さくありませんが、全国民が試練を与えられている感じですね。

地震当日、僕は出張でLAにいたのですが、帰国後、多くの予定がキャンセルとなり、ぼーっと考える時間が増えました。いろいろ考えさせられます。暗い駅と本数の少ない電車やネオンが消えて営業時間も短い飲食店などに対する不満と、これでも案外大丈夫だなという感覚の同居。何度も停電する地域と一度もしない地域があり、停電しない地域にいて申しわけないと思いつつもPCの電源までは切っていない自分の行動。大丈夫だが避難すべき地域や食べても問題ないが出荷停止となる野菜を報じる官房長官をどの程度信じ、どの程度疑えばよいのか。エンターテインメント性の高いイベントを実施すべきか否かという議論と同時に叫ばれる“自粛しないで経済回せ”の大号令……。そのどれにも結論は出ません。


LAでも、メディアは津波への警戒を含め、日本の地震を大きく報道していました。そして多くの人に「日本人か? 家族は大丈夫だったか?」と心配していただきました。

こうした状況に対し、早々に東日本を離れる人もいれば、大丈夫と判断して残る人もいます。本当は避難したいけれど、仕事の関係や経済的事情からできない人も少なくないでしょう。僕自身は、判断するのに十分な情報が手に入らないことにイライラしながらも普段と大きく異なる行動はとっていません。ただ、情報が手に入らないと書きましたが、16年前、阪神・淡路大震災を激甚地区の宝塚市で経験した時のことを振り返ってみると、あの時と比べて、今回は格段に多くの情報を受け取っています。なにしろ、あの頃にはPCも携帯電話も持っていませんでした。余震を事前に知らせる緊急地震速報もありませんでした。官房長官もこれほど頻繁に記者会見を開いていないはずです。当時と比較すれば、あふれんばかりの情報を受け取っています。なのに、僕は避難すべきか残るべきか、外に出てよいのか家にいるべきか、何を食べ、飲むべきか、確固たる自信をもって判断できていません。

なぜだろう? しばらく考え、結局、必要なのは情報の量ではなく、情報を解析する能力なのだと気付かされます。かつては情報を収集する能力が問われましたが、今は洪水のような情報を正確に取捨選択することが求められています。昔と今のどちらがよいかという問題ではありません。PCも携帯電話もない時代に戻りたいかと問われれば、答えはNOです。日常的にはメリットがデメリットを大きく上回っていますから。けれど、ITに寄りかかった生活は、前進するか後退するか、それともそこに留まるかで人生を大きく左右するような非常時に求められる嗅覚や本能のようなものを鈍らせることに、今さらながら気づきました。Yahoo!知恵袋は京大の入試問題は解けても(解いてないけど)、「震災から2週間が経過、都民はどう過ごすべきか」という問いには答えをくれません。信頼できる情報源を確保する。これこそが現代のサバイバル術なのでしょう。

……にしても、オシム元気そうじゃん。代表監督できただろっ!
Posted at 2011/03/24 14:44:53 | コメント(2) | トラックバック(0) | よもやま話 | 日記
2011年03月18日 イイね!

4月号発売中止のお知らせ


読者の皆様

この度の東北関東大震災により被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。

Bagnole編集部は4月号を3月25日に発売すべく編集作業を続けていました。が、制作スタッフのなかに今回被災した地域の出身者がおり、3月18日現在、彼らの親族、知人の安否が確認できていません。彼らから被災者支援のため現地入りしたいという申し出がありました。月刊誌として発売日は死守すべきで、苦渋の決断ではありましたが、了承しました。

これを受けて、Bagnoleは4月号の発売を取りやめ、4月25日発売の5月号から発行を再開します。読者の方々にはご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。

Bagnole編集長 塩見 智
Posted at 2011/03/18 16:26:00 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日記
2011年03月08日 イイね!

日本の自動車メーカー社員の何割がクルマ好き?

今発売中のBagnole3月号で「イマドキの就職事情」という小特集を組みました。僕自身もそうですが、子供の頃からクルマが好きで好きで、将来は自動車メーカーに入りたいという夢を抱きながら、実際にはまったく異なる職に就いている社会人は少なくないはずです。特に男子は。ところが、某日の日経ビジネスオンラインに掲載されていた「2012年度就職人気企業ランキング」のトップ10に、自動車メーカーは1社もありませんでした。えっ?

確かに、近頃、若者のクルマ離れ云々と言われます。が、それは趣味として自動車に興味をもたない若者が多いという話題だったはずです。就職先としてまで、自動車メーカーは人気を得られなくなったのでしょうか? カオスの時代、学生の就職活動が超保守化しているとは聞きますが、たとえ自動車そのものに興味がなくても、自動車メーカーはイコール大企業なわけですから、民間においては安定的な就職先のはずです。にもかかわらず、トヨタも日産もホンダもトップ10入りしていないなんて……という疑問から組んだ企画です。

特集では、ふたりの識者の寄稿に加え、ナマの声を集めようと、現役学生の座談会を開きました。学生時代の僕のように、たとえ望んでいたとしても入るのが難しい学生に話を聞いてもあまり参考にならないので、短絡的ですが、一番賢いとされる東大生ばかり5人集めてみました。質問はずばり「自動車メーカーは、就職先としてどう?」。


聞き手は西川 淳さん。後方で「なるほどね」的腕組みをしているようでいて、実は「こいつらどんだけすごいんだ」と完全にビビってるシオミ
(写真=五條伴好)

果たして、彼らから返ってくるのはシビアなものばかりでした。「魅力ないです。芽をつぶされるイメージがあります」「(リクルートのために)メーカーの人がやってきて僕らに話を聞かせてくれるのですが、開発効率の話ばかり。『設計期間がこんなに短くできるようになりました!』と言われても……」「機械工学系の学科でも、僕の周囲では自動車メーカーより金融、コンサル、商社にいく人が多い」などなど。言っておきますが、彼らは学生フォーミュラ(※)に参加するほどの、筋金入りのクルマ好きたちです。そんな彼らでさえ、自動車メーカーに興味を示していないことに驚かされました。

座談会後、我々は、その場でしばらく、うーんと考え込んでしまいました。コメントだけを抜粋するとドライな意見に聞こえますが、全体を通して聞いてみると、学生たちは、現状の日本の自動車メーカーにさして興味をもっていないだけで、日本の自動車や自動車産業に対してそれほど落胆しているわけではありませんでした。ふと心配になったのは、自動車メーカーに就職する人たちのうち、いったい何割がクルマ好き、徳大寺巨匠が言うところの“カーガイ”かということ。青臭い発言ですが、やっぱりクルマが好きな人たちがつくったクルマに乗りたいじゃないですか。

ちなみに、僕個人は企画とはまったく異なる次元で、彼らの話を聞けば聞くほど、こいつら、この歳でこんなにしっかりしてんのか……という、なんというか“手遅れの焦燥感”のようなものを味わっていました。

※ 「学生が自ら構想・設計・製作した車両により、ものづくりの総合力を競い、産学官民で支援して、自動車技術ならびに産業の発展・振興に資する人材を育成する」という趣旨のもと、学生が小型レーシングカーの出来栄えを競う競技。自動車メーカーや名だたるサプライヤーがスポンサーとなっている。
Posted at 2011/03/08 22:34:34 | コメント(14) | トラックバック(1) | よもやま話 | 日記
2011年03月02日 イイね!

2.5ℓV6のFRセダンの価値は?

Bagnole3月号では「カチカチ価値観」と題し、価値観について考えてみました。なぜ頭に「カチカチ」とつけたか。「あなたの価値観はカチカチに固まっていませんか?」という呼びかけの意味を込めよう……というのはだいぶ経ってから思いついた後付けの理由で、実際にはほぼ100%言葉の響きです。

例えば。例えばですが、使えるお金が300万円あったとして、クルマ好きなら、まず「新車ならこのクルマが買える」「中古車ならアレに手が届く」などと考えるのではないでしょうか。僕もよく考えます。けれど、“クルマ好き人間”=“クルマしか好きじゃない人間”とは限りません。むしろ、クルマがいろんな“好き”のうちのひとつであることのほうが多いでしょう。その場合、他の”好き”、あるいは他の“必要”に300万円を投じたら何を実現できるかということを考えてみたかったのです。

改めていくつか調べてみると、300万円あったら結構いろんなことができることがわかりました。ひと晩の食事とワインに投じればとんでもない一夜になります。素敵な物件も手に入ります。「モノより思い出」とばかりに旅行すれば、一生忘れようのないメモリーが手に入ること請け合いです。300万円というのはあくまでモノのたとえで、30万円でも3000万円でもいいのです。クルマ購入を検討する際、印鑑を押す前にひとつ深呼吸を入れて、その資金を他に使えばどれほどのモノ、サービスが買えるか、考えてみるべきではないでしょうか。

そりゃBagnoleは自動車雑誌ですから、300万円でどんなクルマが買えるかについても言及しています。そのなかのひとつとして「トヨタ・マークXなら新車で、諸費用を含め十分に300万円で買えるよ」という提案を盛り込みました。マークXをひと言で表現するなら、排気量2.5ℓのV6エンジンを縦置きし、後輪を駆動するセダンということになりましょうか。

こんな贅沢なスペックがこの価格で買えるのは世界でもマークXを除いて他にありません。もちろん、数値化できるスペックだけで価格が決まるわけではありません。“クルマはスペックではない”というのは、むしろ我々クルマ雑誌がよく使う言葉です。ですが、まるっきり無視できるファクターでもありません。例えば、世のFFがどんなに進化しても、前輪に駆動と操舵を同時に担わせる以上、前輪で操舵、後輪で駆動させるFRにかなわない領域があると思います。


マークXがダメといっているわけではなく、Xジャンプの着地でもなく、マークXのグリルのマネ。

マークXがどういうクルマかについて、みんカラのスペシャルブログでもおなじみの島下泰久さんに原稿を寄せていただきました。島下さんはその原稿でクルマの善し悪しに触れるとともに、このクルマを例に「今の国産車で、日本のユーザーを第一に考えたクルマがどれだけあるだろうか。その問いかけこそ、私が年末のCOTYでこのクルマにポイントを投じた理由である」という主旨の問題提起を盛り込んでいます。

モノの価値は定まりません。人それぞれが決めることです。その平均的なところをとって市場での価格が決まります。だから買い物は難しい。同時にだから面白い。Bagnole3月号の特集「カチカチ価値観」、読んでみてください。
Posted at 2011/03/02 04:23:10 | コメント(3) | トラックバック(0) | お知らせ | 日記
2011年02月24日 イイね!

次回Bagnoleトークショーは「スポーツカーの行方」

次回Bagnoleトークショーは「スポーツカーの行方」毎回好評をいただいている有楽町のドコモスマートフォンラウンジでの「Bagnoleトークショー」。2月28日(月)の3回目はスポーツカーについて語ります。ゲストは本誌でもおなじみの西川 淳さんと渡辺敏史さんです。日頃、ジャーナリストとして自動車産業や環境技術や若者のクルマ離れなどについて言及しているお二方ではありますが、ひと皮むけば、三度の飯よりスポーツカーが好きなクルマ好きなおじさんたちです。

そしてこのタイミングは、ジュネーブショー直前でもあります。登場する予定のクルマについても語っていただきましょう。そうそう、西川さんは先日、マクラーレンMP4-12Cをテスト済み。今最も注目を集める英国製ピュアスポーツについても語っていただく予定です。

いつも本誌では、これに島下泰久さんも加わってトークを展開していますが、島下さんは当日、マヨルカ島でポルシェ・ケイマンRを試乗中の予定。なので残念ながら欠席……なんですが、トークショー会場がドコモスマートフォンラウンジであることを忘れてはいけません。つまり電話がいっぱいあります。現地の島下さんと連絡をとって、ケイマンRのファーストインプレッションを聞いてみようではありませんか。

詳細、お申し込みは「ドコモスマートフォンラウンジ」サイトまで。
http://www.dcm-spl.com/cool_events/2011/02/-bagnole.html

また、いつも通りBagnole on USTREAMで中継します。遠方の方は「Bagnole on USTREAM」でググってください。

僕、今回はホントに「スゲー!」とか「マジっすか?」って言ってれば、あっという間に1時間たっちゃいそう! また、サービス精神の豊かなおふたりのことですから、質問すれば原稿に書けないようなことも答えてくれるはず! 質問を用意してきてください!
Posted at 2011/02/24 00:03:30 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
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