平地を走ってHVバッテリの蓄電量が減ってくると(BL2に落ちてさらに電力を使ったとき)、強制充電が開始されます。山道を下ってHVバッテリの蓄電量が増えてくると(BL8に上昇してさらに充電が進んだとき)、それ以上の充電は放棄されます。
これは、HVバッテリの品質を保持するための機構で、SOC(蓄電量)で表すと、40%~80%の間で常に制御されています。
さて、今も所有するプリウス20型では、山道を下っていてHVバッテリが満充電になると、回生ブレーキによる充電をキャンセルした上に、エンジンを強制的に回し、HVバッテリの放電を続けます。平地に降りてそれ以上充電されることもないのに、HVバッテリの放電を続けBL6程度になるまでエンジンを回しつづけます。
そのため、プリウス20型では満充電対策として、燃費マニアの間には様々な変態テクニックが編み出されていました(真冬でも強冷房とか、満充電手前でNレンジとかw)。
しかし、プリウス30型以降においては、挙動が違うようです。
先日のCT200hでの山岳ドライブでHVバッテリの満充電に係る挙動を何度も観測しました。
満充電となるのは、BL8、SOCは78.8%です(もう少し上のこともあります)。
満充電になると、
・EVマークの点灯が消える(エンジンが回り出す)。
・回生ブレーキによる充電電流はほぼなくなる。
・電流量はわずかで充電や放電を繰り返し、SOCは80.4%と80.8%の狭いレンジで推移する。
・下り傾斜が緩み放電が少しだけ進んだ場合、ブレーキを踏む等でエンジン停止できる。
(80%近辺でも停止を観測)
ということで、CT200hの場合(30型プリウスやアクアもそうでしょう)、満充電になるとエンジンが勝手に回り出すものの、停車すればエンジンは停止するので、20型プリウスのようにかなり余分に放電させるようなことはないようです。
むしろ、このエンジンオンは、満充電での回生ブレーキ無効化の代わりとしてエンジンブレーキを発生させるため、と言えるのではないでしょうか。
取説には、長い下り坂でSレンジに入れてエンジンブレーキを効かせろ、とは書いていないように思いましたので、
バッテリの充電可能範囲では回生ブレーキが、満充電領域ではエンジンが自然と回ってエンジンブレーキが効くようになっているのだと思います。
さて、それ以外にも、変則的な挙動も観測しましたので、リストアップしておきます。E-1(燃費競争レース)の場合には要注意ですが、一般的なTNPドライバーには不要な知識と思います(^_^;)
1)下り坂にて、マンホールや段差等のギャップによるABS発動が原因の「回生ブレーキを放棄する現象」が発生すると、満充電ではないのに、エンジンが回り出す(エンジンブレーキを発生させるため)。
低速走行または停車、あるいは、弱モーターで数秒走れるようなほぼ平らなところにこないと、エンジン停止しません。このエンジン回転は、速度アップするとまた復活することもありますので、回生放棄が発生した後には、確実に回生ブレーキを復活させるための手段を確立しないといけませんね(E-1マニアの場合のみ)。
2)満充電や上記現象によるエンジンオン中、下り傾斜が緩んでアクセルをわずかに踏みたすような状況だと、バッテリがたくさんたまっている状況にありながら、燃料噴射を発生させるようで、瞬間燃費は99.9ではなくなります。この現象も要注意ですが、E-1マニアだけの知識でいいでしょう(^_^;)
3)バッテリ急降下現象に注意
これから山下りでたっぷりバッテリ充電がなされるから、山上の平地でモーター走行をたっぷりやっておくことを考えました。宿の駐車場にてバッテリレベルはBL8ありました。平地を1kmほど、時には、登坂も登ってBL3までは使ったのでした。すると・・・信号待ちの間に、BLがぐぐっと下がって、強制充電開始・・・orz
バッテリを連続して多量の放電をさせると、このようなバッテリレベルの急降下現象が発生することはプリウス20型時代から観測されていました。
MyCTでもついに発生(T_T)
車のECU(コンピュータ)が把握しているバッテリレベルと、実際のバッテリ蓄電量に差異が生じたときの調整現象といわれています。
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CT200h TNP講座 | 日記
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2012/08/30 08:39:59