『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』1992年に製作されたアメリカ映画
盲目の元軍人を演じたアル・パチーノが
アカデミー主演男優賞を受賞した
人生に悲観し、ふて腐れた孤独な盲目の退役軍人が
自身もトラブルを抱え人生の選択に迫られている
心優しい青年との数日間の交流を通じて
自分の人生を見つめ直し
新たな希望を見出すまでを描いたヒューマンドラマ
アル・パチーノのまったく瞳を動かさない壮絶な演技と
タンゴ・プロジェクトによる「ポル・ウナ・カベサ」をバックにした
ガブリエル・アンウォーとのタンゴ・ダンスシーンが印象的
ストーリー
アメリカのボストンにある全寮制名門高校に
奨学金で入学した苦学生チャーリーは
裕福な家庭の子息ばかりの級友たちとの齟齬を感じつつも
無難に学校生活を過ごしていた
感謝祭の週末
クリスマスに故郷オレゴンへ帰るための旅費を稼ぐため
チャーリーはアルバイトに出ることになっていた
そのアルバイトとは
姪一家の休暇旅行への同伴を拒否する盲目の退役軍人
フランク・スレード中佐の世話をすること
とてつもなく気難しく、周囲の誰をも拒絶し
離れで一人生活する
毒舌家でエキセントリックなフランクに
チャーリーは困惑するが
報酬の割の良さと中佐の姪カレンの熱心な懇願もあり
引き受けることにする
感謝祭の前日
チャーリーは同級生のハヴァマイヤーたちによる
校長の愛車ジャガー・XJSに対するイタズラの準備に遭遇
生徒たちのイタズラに激怒した校長から
犯人たちの名前を明かすなら超一流大学(ハーバード)への推薦
断れば退学の二者択一を迫られ
感謝祭休暇後の回答を要求される
チャーリーは同級生を売りハーバードへ進学するか
黙秘して退学するかで苦悩しながら休暇に入ることになった
中佐はそんなチャーリーをニューヨークに強引に連れ出し
ウォルドルフ・アストリアホテルに泊まり
“計画”の手助けをしろ、という
チャーリーはニューヨークで
中佐の突拍子もない豪遊に付き合わされるはめになる
高級レストランで食事をし、スーツも新調し
美しい女性とティーラウンジで
見事にタンゴのステップを披露したかと思うと
夜は高級娼婦を抱く
だがチャーリーは
共に過ごすうちに中佐の人間的な魅力と
その裏にある孤独を知り、徐々に信頼と友情を育んでいく
旅行の終りが迫ったころ、中佐は絶望に突き動かされて
“計画”
拳銃での自殺を実行しようとするが
チャーリーは必死に中佐を引き止め
思いとどまらせる
ふたりは心通わせた実感を胸に帰途につくことができた
しかし、休暇開けのチャーリーには
校長の諮問による公開懲戒委員会の試練が待っていた
チャーリーは
全校生徒の前で校長の追及によって窮地に立たされるが
そこに中佐が現れ
チャーリーの「保護者」として彼の高潔さを主張する大演説を打ち
見事にチャーリーを救うのだった
満場の拍手の中
中佐はチャーリーを引き連れ会場を後にする
再び人生に希望を見いだした中佐と
これから人生に踏み出すチャーリーのふたりは
また新しい日常を歩み始めるのだった。
Posted at 2022/10/14 00:54:11 | |
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