みん友の皆さん、こんばんは。
行ってきました、タイプワン エンジン教室。
コインパーキングが全然、見当たらず個人的な感性で狭い杉並区の住宅街をウロウロしていたら、見事に遅刻しましたが。。
S耐対応で、昔タイプワンの店長さんを務めていた原さんもいらっしゃいました。(昔、お世話になっていましたけど覚えてなかったみたいですね)
結論、行って良かったです。
収穫は、、
・B16Aベースにエンジンのメカニズムがよくわかったこと(カットモデルでエンジンオイルの油道までわかった)
・VTECの作動原理がよくわかったこと(本や雑誌だとイマイチだったのが、現物を見てなるほどと感心しました。これぞ、百聞は一見にしかず)
・Spoonのコダワリとアツいハートがよく伝わりました。
全体の構成としては、
1:エンジンのメカニズムの基本
ここは教科書通りの話でした。構成部品からどうやってエンジンが回るのかという車好きもしくは理系の機械系ならわかる話です。
ここで、2つ質問しました。
質問1:インテRの96SPECのポート研磨はF1の職人が手作業でやっていたか?という質問をしました。
答えは、、、
ウソです。
フルモデルチェンジでカタログ値を出すために超初期の数十台はやっていたみたいですが、量産エンジンでタクトタイム(工程時間)が生産台数に間に合わないだろうと思っていたのですが、にわかに96の伝説として語り継がれて物が一つの都市伝説?!になったようです。
質問2:カムシャフトやバルブスプリングなどSpoonも含めて各メーカー出しているが、エンジンのバランスを崩すようなことは無いか?
答えは、、
それは無いみたいです。
ただし、コンマ1秒欲しいといったサーキットで走る人向けでストリートでは必要のないパーツでもあるようです。自分がOHするときにそこまで導入しようかどうか迷っていたので、聞けて良かったです。
自分はストリートなので、やりません(笑)
んが、、サーキット重視になるかもしれない将来性は先日のブログで書いたので迷い所です!
2:GT-RやNSX、S2のコンロッドの比較
・NSX(チタン製)
NSXは精度命で6気筒のピストンASSY(ピストン、ピストンリング、コンロッド、ピストンピン)全てでしか発注は受け付けないそうです。価格35万にビックリ!
当時の設計は強度面でひたすら肉厚にしていたそうです。
・GT-R(RB26だったかな?!)
各社の違いの参考で見せてもらいました。V型と直6という事もあってかNSXよりもGT-Rの方が短いですね。
・S2000(鉄)
ここ最近は解析モデルの発達もあってか形状で力を逃がすあるいは分散させるといった形状をとるそうです。
クランクシャフトの穴からピストンピンまでのR形状の工夫により、力が左右方向に逃がすように設計したみたいです。
3:Spoonのピストン、コンロッド、ピストンピンの質量誤差について
Spoonでは、気筒数全ての上記3つをコンマ2ケタまで合わせこんでいるようです。
そのためにピストンだけでもストックが300個くらいあると言っていました。そして4/300を合わせるメカニックさんの凄腕にビックリです!こういうこと聞いちゃうと、Spoonさんコンプリートお願いしますってなっちゃいますね♪
ここで、お昼休みです。なんと無料で市嶋さんセレクトのご飯にありつけました!
昼休みを終え、いざ後半戦にGoです!
4:オイルポンプの実演とVTECの作動原理について
B型は、タイミングベルト側のクランクシャフト付近にオイルポンプを設けています。クランクシャフトが回転することによってオイルがどう回っていくのかを実際に見せてもらいました。
そして、B型のオイル経路を実際に見ました。あ~こうしてエンジンオイルが回るのねというのが一目瞭然です。画像は回した時の写真ではありません。
ロッカーアーム上の2つのプレートから各ロッカーアームに周り、ピストンとコンロッドの間から滲み出たときは感動しました。

VTECの作動原理は独立した3つのロッカーアームの右側の中心に穴が開いて、ロッカーアーム間をピンで連結しています。
ある回転数(VTEC作動時)になった時にスプールバルブからその穴にエンジンオイルがピンを押す事によって全てのロッカーアームが動く事でハイカムに切り替わるということでした。自分はカム形状の工夫によって全てのロッカーアームを動かしているのかと思っていたので、なるほどねと感心しました。ちなみにローカムに落とす時にはロッカーアームの左側にピンを押しかえすバネが仕込んでおり、スプールバルブからオイルが抜けたときに反力で独立したローカム状態に戻すという事です。
この辺は言葉での説明ですが、実際に物とメカニズムの解説付きだと本当に良くわかります。
5:クランクシャフトのメカニズムと聴診器でエンジンの音を体感しよう
エンジンオイルで写真に写っている如何にもエンジニアらしいおじ様(お兄様と言ってくれといっていましたがw)クランクシャフトについて説明してくれました。
エンジンブロックって2部品なんですね(エンジンブロックとラダー)写真はエンジンを下側から見たものなのですが、量産エンジンはこの2部品を10個のボルトをあるトルク値でかけた状態でドリルで一気に貫通させ、その後にブロックとラダーをばらしてクランクシャフトを組付けるとの事でした。
そしてエンジンを聴診器で使って聞いてみようは、S2のエンジンを回してインテークマニホールドやプラグ付近、ヘッドカバーなどの音を聞いてみました。これといってどうとかは無いのですが、こうした経験が無かったので、こういう音が聞こえてくるんだと新鮮な気分にさせてくれます。
エンジン、ミッション組立室内に入りました。
温度は20℃で一定管理し、室内自体に圧力をかけてゴミや塵を下側から逃がすようにしているそうです。こうした環境で精度も厳重に管理しているSpoonの徹底したこだわりに胸が熱くなりました。
最後に閉会式。Spoon代表のかの有名な市嶋さんにご対面できるかと思いましたが、所用があって拝むことができませんでした。残念><
しかし、お土産をゲット♪
これで無料とは、、実に良かったです。
自分は車体設計なのでエンジンを一つのコンポーネントとしてしか見る事ができません。
車体工場はいくらでも足を運んで見ましたが、量産エンジンの仕組みなんて仕事ではあまり活用することが無いので、とても勉強になりました。
ただ、聞きたかったことについては、あくまで車体設計としてエンジンをコンポとして見たときの質問を考えていたので、エンジンに特化した質問はあまりすることができませんでした。
しかし、車の心臓部と言われるエンジンを見て、聞いて、触ってという体験は本当に貴重な時間でしたし、エンジンやミッションオーバーホールの候補としては十分すぎるほどイイというのが今回の大きな収穫でした。
現在は16Aの部品はまだかろうじて残っているみたいですが、早々に消えていくものだと思います。
インテRの触媒ももう新品では買えないみたいですし、ここ数年でオーバーホールする決着をつけなければならないなと思った一日でした。
帰りは、、大渋滞にハマり通常1.5hなのが3.5hもかかってしまい、すんごく疲れました。
以上、長文失礼しました。