サーキットを走る際に準備したい装備

2023年1月4日

ピット

サーキットを走るためには、必ず用意しなくてはならない装備品をはじめ、あったほうが便利なものや、あると助かるものなど、さまざまなアイテムがあります。今回はクルマに装着するパーツではなく、用品などを紹介していきます。

ドライバーの装備品

サーキット走行の必需品といえばヘルメットです。レースなどの競技でない場合は、バイク用のヘルメットも認められていることがほとんどです。

実はバイク用のヘルメットと四輪用のヘルメットは、構造や材質が異なっていて、バイク用は耐衝撃を重視、四輪用は耐衝撃に加えて火災対応も重視されています。

ヘルメット

基本的にはフルフェイスがいいでしょう。オープンカーの場合はフルフェイスが必須になることもあります。ジェットタイプも使えることが多いのですが、半キャップや工事用ヘルメットは使えないと思っていて下さい。

グローブ

グローブも装着が求められることがほとんどです。グローブはレーシングタイプのグローブを使いましょう。軍手はもちろん、指先が覆われてないドライビンググローブや、メッシュタイプのグローブも避けましょう。

靴

靴についてはスニーカーでかまいませんが、革靴のようにヒールがあるものは避けましょう。また、スニーカーの靴ひもは結んだあとに蝶々の部分を中に押し込むなどしてペダルなどに引っ掛からないように処理しましょう。ガムテープで留めるのもひとつの方法です。

服装は長袖&長ズボンの着用が求められます。レーシングスーツの着用が必要なことはあまりありません。

いずれはレースに参加したいから「レースにも参加できるヘルメットやグローブ、レーシングスーツを買っておこう」は、ちょっと待て! です。

レーシングスーツ

レース用の装備品には使用期限があります。レースで使用できる装備品はFIAの公認を受けていて、この公認番号で使用期限が確認できます。「FIA8856-2000」という公認番号のレーシングスーツはJAF国内格式以下でのレースの使用期限は2024年いっぱいまでです。

ただしホログラムタグが追加されているものは2028年いっぱいまでFIA国際格式で使えるとなっているので、少なくとも国内格式のレースでも2028年までは使えるはずです。

このように使用期限があるので、レースを始めるタイミングで購入したほうが長く使えることがあります。レースはいくらお金があっても困ることはないので、節約しておくことも大切です。

工具などはタイヤまわりを中心に

理想を言えば工具箱一式を持っていくことですが、あったほうがいいのがホイールナット用のトルクレンチです。

トルクレンチ

サーキットを走る際は、ホイールナットを規定トルクで締めておくことが大切です。サーキットでタイヤを交換して走る場合は、タイヤを脱着するためのタイヤレンチ(十字レンチが使い勝手がいい)と、ジャッキも必要です。ジャッキは車載ジャッキよりもガレージジャッキと言われるもののほうが使い勝手がいいでしょう。

ジャッキ

また、エアゲージも必要です。エアゲージはスティックタイプではなく、アナログのメーター式かデジタル式がおすすめです。

エアゲージは精密機械で正しい数値を計測するには校正という調整が必要なのですが、サーキットで使うときなら落としたり強いショックを与えないようにして扱えば問題ありません。

エアゲージ

大切なのはいつも同じエアゲージを使うことです。正確な値での何Mpaがベストセッティングなのかは重要ではなく、このエアゲージで何Mpaのときがベストセッティングということが重要だからです。

空気圧調整にはエアポンプが必要です。空気をゼロから入れるわけではないので、車載のエアポンプでも十分ですし、バルブが合えば自転車の空気入れでも十分に対応できます。

工具

この節の冒頭にも書いたように、理想は工具箱一式です。車載工具は使えない(そもそも最近は車載していない)と思っていいでしょう。

これから工具を揃えるなら、8mm~27mmのコンビネーションレンチ(一方が片口スパナ、もう一方がメガネレンチのもの)、六角レンチ、+と-のドライバー、プライヤー、ニッパー、ラジオペンチ、モンキースパナ、ボックスレンチセットなどがあればいいでしょう。セットで販売されているものも多くあります。

ウエス

ウエスとパーツクリーナーも携行したいアイテムです。万が一オイルをこぼした際なども、パーツクリーナーを吹きかけてウエスで含ませるようにするとけっこう除去できます。また、困ったときにほかの来場者に工具を借りたときなども、パーツクリーナーとウエスを使って工具をキレイにして返却するなども礼儀のひとつです。

そのほかに必要なアイテムいろいろ

意外と必要なのが粘着テープ類です。粘着テープは、布のガムテープ、養生テープ、ビニールテープの3種を用意するといいです。紙のガムテープはキレイにはがせないので使わないようにしましょう。

旧車でサーキット走行をする際などは、ヘッドライトに飛散防止用としてビニールテープを貼り付けます。最近のクルマはヘッドライトがプラスチックになっているので、飛散防止処理が求められないことも増えてきています。

粘着テープ

そのほかのテープの使い方はさまざまです。接触などでバンパーがズレたときに押さえるために使ったりもします。また、走行券を車内で貼り付けて置いたりすることもあります。とにかくテープは万能なので、持っていて損はありません。同様の理由で結束バンドも持っているといいものです。

サーキットでは走行前に不要なものをクルマから下ろしますので、雨が降っても濡れないようにビニールシートなどを持っていくといいでしょう。

より濡れることを嫌うものがあるときは、防水バッグなども欲しいものです。サーキットのパドックは比較的フラットに設計されているので、水がたまりやすい傾向にあります。

困るのは貴重品です。同行者がいれば貴重品を預けておくこともできますが、ひとりで行ったときはなんとも不安です。カギが掛かるキャリーバッグに入れて、ワイヤー錠でどこかにロックしておくなどの方法を考えましょう。

仲間

ミニサーキットではピットに屋根が備えられていることはあっても、先着順であることも多いものです。そうした場合、荷物だけ端っこに置かせてもらうなどのコミュニケーションも大切です。

みんなの自動車部

その他、各地のサーキット&イベント情報、みんなの#サー活、みんじどブログなどは、 サーキットページからチェックしてみてください!

写真:アフロ

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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