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  • ☆ジェット オン ドリーム ~夢幻飛行~  第2部
    elyming♂ 2006/11/23 22:35:55



        【 ジェット オン ドリーム 】

          ~ 夢幻飛行 第2部 ~  

            <第15幕>



  • elyming♂ 2007/01/03 23:42:58











        ~ 遠きにありて ~



     そのとき123便客室は ―――――


    救命胴衣の着用に手間取っている間にも、客室乗務員からの保安アナウンスが流れた。

       客室乗務員「この飛行機は急に着陸することが考えられますので、すぐに安全姿勢を・・・」

       客室乗務員「メガネは外して下さい。ボールペンや万年筆、ヘアピンなど先の尖ったものは
             すべて外してください。安全姿勢をとってください。」

    冷静なスチュワーデスの声とは裏腹に、機体の揺れはいっこうに収まらない。

       客室乗務員「管制塔からの連絡はとれております。」

    アシスタント・パーサーらしき落ちつた声のアナウンスが流れる。
    2階席担当のパーサーは、操縦室に入りコクピット内の状況を把握したのであろう。

    やがて、機体の揺れは、いっそう大きくなっていた。とても立っていることができないほどである。

    乗客の保安業務を手伝っていた非番の客室乗務員は「56C」の席に戻り、いよいよ不時着に備える
    覚悟である。L5ドア担当である客室乗務員も、通路をはさんで、二つ後方の空席に座った。
    乗客同様、彼女らも体を前屈させブレースポジションをとった。

    本来ならば『上着があれば、衝撃の際の保護になるように着用してください』と指示も出せるはずだが
    もはや、そんな時間的精神的余裕はなくなっていた。




    安全姿勢は、頭を深く下げて膝の中に入れ、自分の足首をつかむのである。
    非番の客室乗務員は、後ろに座るスチュワーデスとともに、保安のための大声を何度も叫んだ。

         「足首をつかんで、頭を膝の中に入れる!」「全身緊張!」

    他のエリアでも同様の光景があったはずだが、大きくて長いジャンボ機のキャビンすべての状況を
    今は知るすべもない・・・エンジンの音が変化し、機体が大きく揺れて続けている。

    このような緊急事態のときは「・・・してください」とは言わず命令口調となる。
    日頃の華やかな接客業務をこなす客室乗務員は、すでに乗客の生命を守るための保安要員と化している。




    ブレースポジションをとる直前のことであった ――――
    非番の客室乗務員は、すぐ近くに座る男性と短い会話をかわした。

       非番客室乗務員
      「緊急着陸して私がもし駄目だったら、後のL5ドア開けてお客さまを脱出させて下さい。」

       男性乗客
      「わかりました。スチュワーデスさん、そのときは私に任せておいて下さい。」

    とても冷静な声で彼からの返事を受け取った。彼女と彼が言葉をかわしたのは、これが最後であった。


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