まとめ記事(コンテンツ)

2016/04/24

自動車ジャーナリストを自称する人たちに想う事(其の参)

自動車評論家の森野氏がポルシェで箱根ターンパイクで事故を起こして死亡したニュース。

ボクが一連のブログを書こうと思い立ったキッカケとなった事故ですね。

この報道直後にこの事を紹介し「ご冥福をお祈りします」とだけ記載するブログが多数あったことに、ボクは非常に強い違和感を覚えていました。もし事故を起こしたドライバーが自動車評論家では無くただの一般人だったら、きっと非難の声が多く上がったと思ったからです。幸いにして少し時間が経つと真っ当に非難の声が相当数上がるようになったため、社会の健全性は保たれていると安心しましたが(苦笑)。

目撃者の「200km/hくらい出ていた」という話(速度)は恐らく事実ではないでしょうが、少なくとも一般人の彼の目に、そのくらいの速度が出ていたのでは?と思わせたことは事実でしょうから、常軌を逸していたとしか思えませんでした。

しかもボクに極めて奇異に映ったのは、この報道の直後に同業の多くの自動車ジャーナリストがこの事故の話題に触れなかったことでした。ボクが知る限り、この事故に対してタイムリーになんらかの情報発信をしたのは松下宏氏、国沢光宏氏の僅かに二名のみ。

松下宏:森野さんのご冥福をお祈りします
松下宏:森野さんの事故について

国沢光宏:森野さんの事故、無謀運転の可能性は低いと思う

事故直後ということもあって、タイムリーな発信と引き換えに事故の事実と速度超過が原因らしいという疑い以外に有益な情報はありませんが、それは仕方がないことです。他方でお二人共にいくつもの疑問点を提起しています。
曰く「森野さんが無謀運転の果てに事故るとは、にわかに考え難い(信じられない)」と。

一方で一般メディアは遠慮(容赦かw)無しに様々な報道を行ってくれましたが、そんな中で興味深い記事を見付けました。

繰り返される自動車評論家の“暴走”レポ……「ポルシェ事故死」とメーカー依存メディアの問題とは

つまり「自動車評論家が試乗と称して暴走行為を行うのは日常茶飯事で(今に始まったことではなく)、こういった事故はいつ起こっても不思議では無かった」ということでしょうか?(苦笑)

森野氏の事故をキッカケに我々消費者がこのような疑念を持ったとしたら、事は森野氏ひとりの問題に留まらず、自動車評論家と称する人たち全員、ひいては彼らの寄稿を掲載する自動車メディアを含めた業界全体の問題な筈ですが、先に述べた通りで当事者たる自動車評論家は「黙して語らず」を決め込んでいます。

この行動が結果的に「日常的に暴走行為を繰り返していた」事実を認めているんじゃないか?と我々消費者(第三者)の疑念に拍車を掛けることになると思うのですが、、、(^_^;)

改めてこの事故にはこちらの記事で示されるような様々な疑問点があります。

ポルシェ試乗で衝突 ベテラン自動車評論家が事故死のなぜ

ここでも森野氏は「無暗に暴走するタイプのドライバーでは無かった」という証言がありますし、これは国沢氏、松下氏の証言とも一致します。更に森野氏は「運転技術は高くなかった」という出版関係者の証言もあったようですが、恐らくこれはレーサー上がりの自動車評論家などに対して"相対的に"という話ではないかと推察されます。

いずれにせよ、ボクなりに事故の直接原因に留まらずに疑問点を整理すると

・森野氏は目撃者に「200km/hは出ていた?」と思わせるような暴走行為を、一体どんな目的で行っていたのか?
・今回試乗車両を提供した出版社の森野氏に対する依頼事項はなんだったのか?
・車両貸与と試乗依頼の基となった出版社の企画とはどんなものだったのか?その企画に対して森野氏を人選した経緯や、その人選自体は果たして適切だったのか?


なんて具合に様々出てきます。

こういった様々な疑問が消費者、或いは業界関係者にあった場合、本来それに応えるのがジャーナリストの役割であり、仕事であるというのがボクの考えなんですけどね(^_^;)。参考:其の壱

この事故(という事実)をキッカケに真実(事故の真相)に迫れば、もしかしたら業界の悪しき慣習(公道で暴走行為を行って記事を書くこと)が白日の下に晒されるかもしれません。

しかしそれを恐れて口を閉ざし、ほとぼりが冷める(事故の記憶が風化する)のをじっと待っているのは、例えば或る政治家の不正行為が暴かれた後に、同様の告発を恐れてジャーナリズムの追求を逃れ、ダンマリを決め込む他の悪徳政治家と同じです(爆)。

真実を追及するのがジャーナリスト本来の姿であって、真実の追及から逃れるのがジャーナリストではないでしょう?(火爆)

ってな具合で、少なくともボクが期待するジャーナリストの姿に照らし、日本の自動車ジャーナリストを自称する人たちに該当する人物は居ないというのが10年以上前のボクの結論ですが、今回の森野氏の事故は過去のボクの判断は正しかったと証明してくれたようなものです(核爆)。参考:其の弐

少なくともAJAJなる自動車ジャーナリスト協会に名を連ねる人たちの中に、ボクが「ジャーナリスト」と認めるに足る人物は在籍していない。これが今回の事故が明らかにした真実でした。

じゃぁ日本にはボクが期待するような自動車ジャーナリストは皆無なのか?

実はこんな記事を見つけました。

自動車評論家森野さんのポルシェ911GT3事故死について(追記あり)

現時点では既に追記と称していくつかの訂正が入っていますが、最初にボクがこの記事を読んだのは訂正前。内容はハッキリ言ってトンチンカンな憶測が多く、正直なところ感銘を受けるモノではありませんでした。ライターも全く聞いたことが無く、まぁクルマ好きの駆け出しの記者さんかなぁ、というのが印象でした。

と・こ・ろ・が、、、d(^_^;)

【続報】自動車評論家森野さんのポルシェ911GT3事故死について(現場確認)

なんと彼、時間を置かずに自ら事故現場に赴き、多数の写真と共に続報を伝えたのです。ボクにとっては注目すべき事実が多数見られました。

先ず驚愕の事実と言って差し支えないのが、現場にブレーキ痕やスリップ痕などのタイヤマークがほとんど残っていなかった事実!

事故が報道された直後、
「911特有の挙動でケツが出てインに巻き込み道路左側ガードレールにノーズを接触。弾かれてアウト(道路右)側の立ち木に突っ込んだ」
という憶測がありましたが、もしそうだとしたらスリップ痕もブレーキ痕もどちらも無いというのはボクの常識では極めて考え難いです。

ケツが出て反射的にブレーキを踏んでしまうのは下手クソの証(苦笑)みたいなもんですが、スライドすればなんらかタイヤ痕は残るでしょうし、左側のガードレールに接触した後にブレーキ痕が全く無いのも解せません。確かにガードレールの接触地点から事故現場まではGoogle Mapで目視でも20~30mくらいと距離が無く、時速100kmしか出てなかったwとしても1秒足らずの時間しかありません。しかしそれ以前からコントロールを失った、或いは失いかけていたのなら、左側ガードレールに接触した時点で、恐怖心から反射的にブレーキを踏みつけても不思議はありません。しかしそれが無い。

以上を踏まえたボクの憶測ですが、

目撃者の証言から森野氏が箱根ターンパイクを非常識な速度で暴走していたのは事実でしょう。目的は定かではありませんが、そういった暴走を伴う取材を終えて雑誌関係者と別れて帰路に付いた際、公道での高速試乗の緊張から解放されて疲労感を感じてました。しかし取材で高速走行を続けたことと、クルマが高性能なGT3という点も手伝って速度感は若干麻痺しており、下山のペースはいつもより少し速めでした。それでも100~120km/h程度でしょうか。問題のコーナーの手前で疲労感から睡魔に襲われ、コーナリング中に一瞬意識が飛びます(つまり居眠り運転)。カーブを曲がった後にクルマは本来の進路よりやや左に進んでガードレールに非常に浅い角度で接触。このショックで森野氏は我に返りますが、接触の反動と覚醒直後に氏が適切な操作が出来る筈も無く(恐らく一瞬何が起こったのか不明でパニック状態)、そのまま道路右側の立ち木に激突して帰らぬ人となった。

なんていうシナリオが考えられましたが、勿論当たっている保証は何もありません(^_^;)。
でもなんか説得力があるでしょ?w

この与太話の真偽はどうでも良いのですが(笑)、もしそれが真実だったら、暴走行為の挙句に事故って死んだと思われている森野氏の名誉を守ることになります。
そしてボクがこんな風に憶測できるもの、野間恒毅氏が自ら足を運んで貴重な事実を持ち帰り、それらを分析して真実に迫ろうとした、その行動があっての事です。

ただ彼はまだ真実を全て明らかに出来ているワケではありませんし、更なる続報が期待できるかどうかも判りません。そもそも警察は事故原因を公表しないでしょうから、誰かが取材しない限りはどのような事故として処理されたのかもわかりません。
大体警察は速度超過など事故の直接原因にまでしか踏み込まないでしょうし。。。

しかしそれ自体はこの際どーでも良くって(苦笑)、ボクが注目したのは野間恒毅氏がご自身を含め多くの人が抱いたであろうこの事故に関する様々な疑問に対して、自ら真実を明らかにすべく具体的な行動を起こしたことです。

これこそが、ボクが考えるジャーナリストの姿そのものです(^.^)b

会員が起こした事故の真相に迫ろうとすらしないジャーナリスト協会、口を閉ざす他の会員や、行動を起こさない理由(言い訳)をわざわざ寄稿する輩wまで居る中で、野間恒毅氏の行動はボクに「日本の自動車ジャーナリストだって捨てたモノじゃないんでない?」という微かな希望を抱かせる、ちょっぴり嬉しい出来事でした(^-^)。
Posted at 2016/04/25 14:34:09

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