ミシュラン MICHELIN Pilot HX MXM 205/50R16 87W  

2005/6月現在、205/55/R16等のごく限られたサイズしか手に入らないモデル。廃盤間近。しかし、もし叶うなら今一度履いてみたい、とても良いタイヤである。
使用期間：1999/5～2002/5，約３年
装着時走行距離：142,643km
廃棄時走行距離：199,620km
実走行距離：36,000km
生産地：フランス

MXMの第一印象は、高い！
SXGTを履いた頃（'97/9）、スバルディーラーでMXMを見積もってもらったときは、１本４万円以上した。その高価格に呆れてSXGTを選んだのだが、SXGTでも当時は2.5万円/本であった。
SXGTは良好な乗り心地と充分なグリップを持つ良いタイヤで、調子に乗って走っていたら２万km弱で寿命（ノイズとワンダリング増加,山はそれでも３分程度は残っていた）となってしまった。
そのころツテがあってタイヤを安価に入手できる機会に恵まれ、それならいっそ高嶺のMXMを試してみたいと考えた。

履いてみての印象は期待を裏切らず高級なもので、まさにミシュランの粋が詰め込まれたモデルであった。
SXGTでもその快適性に驚いたものだが、MXMはその上を行く。街の交差点を曲がるだけでも気持ちよい感覚は、他のタイヤでは味わえないものであった。またトレッドが減ってきても騒音以外の性能が低下しないところが最大の美点であり、２年目、３年目でもスタッドレスから履き替え走り出したとたん、その変わらぬ乗り味に驚き喜び、そして凄味さえ感じたものである。
個々の性能（ドライグリップ、ウエット、柔らかさ、低ノイズ）を見ればMXMより上のタイヤは多いだろう。突出した判りやすい性能に欠け、人によっては高いだけで印象に残らないタイヤかもしれない。けれども、総合性能がこれだけ高いタイヤはないと断言できる。
高価格な商品であったが、良好な性能が他のタイヤの２倍維持され、結果的にはむしろ安いくらいであった。
それにしても、美味しすぎるものを知ってしまったものである。