前回の投稿から少し時間が空いてしまいましたが引き続きジクサーの話を続けようと思います。前回はジクサーが「高速走行も普通にこなせる」という話を書きました。
今回は下道&ワインディングで感じたことを書いてまとめとしようと思います。
小排気量ゆえの車体の軽快感にラフさを許容するエンジンとミッションで、
気軽で楽しい操作ができるバイク。
【車体】 軽量&高剛性⇒コーナリングの楽しさ
130kg強の車体は250ccのオフ車に乗っているような軽さで、街中の使いやすさはもちろんの事、ワインディングでもクイクイと向きを変えてくれ、自分でバイクを扱えている(バイクに乗せられていない)と感じられてとても楽しいです。 車体は軽いものの剛性は高くリアタイヤも太い為か、軽さゆえの怖さ(不安定さ)を感じさせないところがこのバイクの素晴らしい部分です。
【エンジン&ミッション】 どこからでも加速するトルクフル名コンビ
空冷SOHC2バルブ単気筒(14ps)+5MT
この字面だけみるといかにもローテクな印象を受けますが、実際に乗って感銘を受けました。極めて実用性と快適性の高いパワーユニットです。「56.0mm × 62.9mm」のロングストロークエンジンは150㏄ながら250cc以上とも思うほどトルクフルで、2速発進も全然余裕です。 そのエンジン特性を活かすような5速ミッションとの組み合わせで、
どのギア、どの回転数からでも、アクセルをひねれば加速してくれるため、とても快適。ちなみに今回の燃費は驚異の46km/Lでした。
【操作系】:よく効くブレーキ、軽いクラッチ、レバーは遊び調整なくも不満無し
ブレーキ:よく効きます(効きすぎて扱いにくい事もなく)。「バイブレ」というブレンボの新興国ブランドがFキャリパーには入っています。リアブレーキも扱いやすく、不満なし。
クラッチ:150㏄という事でとても軽いです。これは長距離を走る場合にはかなり大事。クラッチが重いと(私のようにたまにしか乗らない人間は)左手の痛みに後々苦しむことになります。
レバー:クラッチ&ブレーキ共に遊びのアジャスト機構はついていませんが、デフォルトの遊び量がちょうどよく不満はありませんでした。
【総評】
現実使用に根差した知的なバイク というのが抱いた印象です。このバイクにはハイテクな電子制御もついていませんし、スペック表で光るような物もありません。150ccという排気量は日本では中途半端であり、インド製造の30万円というのもネガティブに受け止められそうです。
しかし、クルマもバイクもそうですが、ネットや紙の上で見た二次元の情報と、実際に見て乗った三次元情報の間には大きな乖離があると思われ、このバイクはその傾向が特に顕著です。上辺(二次元)だけさらえば一見ネガティブとも思えるこのバイクの特徴は、実際の使用状況下において素晴らしい輝きをみせます。
また、個人的に私が発見したのは「小排気量車の持つ楽しさ」でした。乗り物に気負うことなく乗れる精神的な豊かさというのは、乗り手の疲れを減らし、あるいは周りの景色を楽しむ余裕を与えます。
私は以前125㏄のアメリカンに乗っていたのですが、その次のバイクは750ccのネイキッドに乗り換えました。この750ccのバイクで北海道を一周するなど色々な所を旅し、選んだことを後悔はしていませんが、今思うといわゆる小排気量のスポーツバイクに乗ったことがなかったと思いました。大型バイクは大型免許さえあれば基本的にはどんな人にも動かすことのできるバイクだと思います。しかし今回乗って思ったことは、やはり
小排気量車の方が気軽に操作を楽しむことができ、またその安心感ゆえに色々試してみようと思える分、車体の挙動を勉強しやすいと思いました。
このジクサーは30万円という価格ながら、250㏄を超えんばかりのエンジントルクに高い運動性能や快適性を兼ね備えており、バイクでツーリングに行ったり、スポーツライディングを楽しむ場合、
50万円超になる250ccクラスに対してネガになる部分が実用上ほとんどないと感じました。それが前回の高速道路編の冒頭に「250ccキラー」と書いた理由です。
一般的にこのジクサーは免許取りたてのビギナーライダーや女性ライダーなどバイクの扱いに不安がある方にお勧めというような言われ方をされています。もちろんそれは正しいと思いますが、同時に「小排気量車を扱う楽しさ」を知りたいと考えるより多くのライダーにその30万という価格も相まってお勧めできるバイクだと感じました。正直私も、もし次にバイク買うならこのジクサーかなと思ってしまっているほどです(笑)
とにかくこの価格設定といい、
無駄のない、隙のないバイク、それがジクサーです。
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バイク | 日記
Posted at
2017/11/19 13:57:46