従来からのFIR、Sharp roll offは、
位相はドンピシャにくるので、奥行きがVの字(センターが最も奥)で出て一見良い音に聴こえるのだけど、音の立ち上がりが遅く、輪郭が甘い。昔からの音という意味で、耳触りの良い聴きやすい音ではあると思うから万人受けはするよね。音像が見えるカーオーディオに関していえば、奥の方で上を向いて下を向いて歌っているようなイメージとなるから違和感が出る。普通こっち向いて歌うよね。更にアタックを重視する音楽を好む身としては、何聴いても同じに聴こえて強弱が伝わって来ずして楽しくないから無し。
続いてデフォのShort Delay Sharp roll off
手叩く前から音はでらんやろ普通。って事でプリエコーを排除したショートディレイ系は、超高域の位相ズレが持病で、AKMも言ってる話なんだけど、やっぱり縦の繋がりは微妙。その為か奥行きは浅め。これ実はメリットもあって、浅い分横にまっすぐ並ぶので、輪郭は超クッキリ。ステージの見え方、解像度に関しては最も高いと思う。超高域が繋がらんので明るい音になりやすい。ほんで、向こうから手前に音が出る(飛び出してくる)、こっち向いて歌う雰囲気になるね。メタルは、バスドラが撃たれるように飛んでくるのが良いんだよ!が好みの僕としてはデフォルトがベストやと長らく思ってたんだけど、実際は反射が少ない車に限るのかもしれん。結局、一番イカン帯域にゴーストがいたりするとボケずにモロに出るので、音像がかなり甘くなる。ゴーストは実像と虚像の二つがいるのでEQ動かしても両方動くから調整じゃどげんもならん。
で、試したSlow roll off
プリエコーもポストエコーも短くして、従来のFIRぽい雰囲気を残したままアタックを出した感じ。これが好きなのよ。AKMの表は、上記のShort sharpの方が奥に出るとあるが、俺の感覚では圧倒的にコチラが奥。位相ズレも最小限だろうしね。やっぱりVの字に奥行きが出るので、音場としてはリアルではない物の、言葉選ばず言えばオーディオ的。FIRと決定的に違うのは、ずっと奥にいるFIRと、奥から手前に音が出るコレ。奥からこっち向いて歌うわけよ。だからバランスが良いと思う。音のエッジもキンキンではないにしろ立ってはいるので、サ行とか、弦楽器のギョリ音とかがしかと出る。うちの車は縦長ボディ+横幅の狭い(サイドガラスに耳が近い)軽なので、右ガラスの反射は避けられず仲良くするしかないのだけど、位相的にガッチリ繋がっていればゴースト成分は薄れて気にならんのもカーオーディオの面白さ。訳分からん。これにしておけば歯間音が丸くならず音像も甘くはならない。妥協ちゃ妥協なんだけどベストだと思う。