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#通貨について:この旅行記では、ニュー台湾ドル(新台幣)を“元”、日本円を“円”と表記しています。なおこの旅の段階での為替は1元≒2.6円を目安にしてください。
● 旧型客車に乗車
枋寮駅から、台湾西海岸と東海岸を南部の山越えで結ぶ南廻線の鈍行「普快車」に乗車。
ディーゼル機関車が、旧型客車を3両牽引している。
ちなみにこのデッキ付きの客車は日本製。実はデッキ無し2扉(日本で言うキハ47的なドア配置)のインド製客車も在籍しており、日によっては混結しているようなのだが、今日は3両とも日本製の客車。
ちなみにこの冷房無しの旧型客車は、台湾でも絶滅寸前で、実際この南廻線に1日1往復残すのみとなっている。
(また冷房無し気動車による普快車も、台湾東部に僅かを残すのみとなっているのだが、こちらはまた改めて紹介することにしたい。)
外観(後刻撮影した画像も含む)
ドアも手動式
走行中にデッキに出ていると、(おそらく)「危ないので客室内にいてください」と客室内へと誘導される。
これがタイなら、デッキにいようが、ドアを開けて体を乗り出そうが何も言わないのだが、このあたり台湾はきっちりしている。
デッキから機関車のお尻を
そして客車内
鈍行列車ではあるのだが、リクライニングこそしないものの、一応は転換クロスシート。
但しシートがビニールで、汗をかいた体では蒸れてしまい、あまり快適ではない。
あと少しわかりにくいのだが、写真を撮っていると後方に乗っていた乗客がアカンベーや変顔をしてくれている(笑
見ての通り、ガラガラなので、遠慮無く向かい合わせの4席を占領して、足を伸ばしてお弁当を広げる。
台湾高速鉄道(台湾新幹線)は別にして、台湾の鉄道は基本的にテーブルが無い(カップホルダーのみ)なので、お弁当を食べるにはちょっと不便。
カップホルダー
写真の「分解茶」というお茶…ゴーヤ成分などが入って、分解効果があることをPRしているのだが、基本的には爽健美茶などのブレンド茶系の味。
特に分解効果を狙ったわけではなく、比較的飲み慣れた味で、しかも台湾の市販ペットボトル茶では珍しく無糖ということもあり、この旅の間に何本も買い求めていた。
そして車内を観察しているうちに出発。
途中駅で軍用列車(?)と行き違い
以前は台湾の鉄道は軍事機密扱いで撮影もままならなかったとの事だが、今では特にそんな空気もなく、こうして普通に軍用列車も撮影している。
台湾西海岸南部の海を眺めながら走行
内陸を横断して東海岸へと向かう鉄道のほうはローカルな雰囲気なのだが、並行して走る道路はというと、恒春や海生館など台湾南部のリゾート地へ向かう幹線道路であり、交通量も多く、ドライブイン的な施設も多く見られる。
そして列車は台湾西海岸とお別れして内陸へと入っていく
そして台湾最南端の駅である枋山駅に停車。
1992年の南廻線開業時には有人駅だったものの、最近無人化されたとのこと。
人口希薄なエリアを走る南廻線は元々駅数が少なく、駅と言うよりも運転扱いや保線の基地としての役割が大きいことも有ってか、あまり無人駅というパターンは少なく、全14駅(信号所含む)のうち、無人駅はわずか2駅しか存在しない。
但し本当に利用客が少ない駅に関しては、開業19年目の今年(2011年)の段階で既に3駅が廃止されているほか、計画段階で存在した2駅(信号所)が工事はされたものの、結局開業せずじまいになっている。
(※台湾では信号所でも便宜的に乗客扱いを行うケースがあり、堂々と切符も売られていたりするので、今回は特に駅と信号所を区別することはしていない。)
なおこの南廻線、全線開業が1992年とごく最近と言うことも有ってか、高規格で作られていると同時に、線路こそ敷かれていないものの、複線化用、あるいは交換設備増設用と思われる準備工事がされているなど、車両はともかくあまりローカル線といった趣ではない。(日本で言うとやはり石勝線のような感じだろうか)
そして枋野信号場で停車。基本的には信号所なのだが、従業員の交代用も兼ねて普快車1往復が停車し、この信号所までの切符も購入可能。
鉄道以外でのアクセスは困難で、台湾では「秘境駅」として扱われているとのことだが、運転関係の職員の姿も多く、あまり“秘境”といった趣ではない。
この信号所で、後続の莒光号(急行相当)を待避
そして深い山の中を走り
8kmにも及ぶ中央トンネルで一気に台湾東海岸へと抜けていく
そして列車は台東県へと入り、古荘駅に停車
この駅も優等列車は何本も通過していくものの、停車するのは1日1往復の普快車のみという駅で、日本で言うと上白滝駅のような存在なのだが、1992年開業と言うことも有ってか立派な駅舎や設備を備え、駅員の姿も見えるなど、とてもそうは見えない駅である。
その後は台湾東海岸を眺めながら走り
駅を通過
…かと思いきや、この列車は鈍行の普快車。要は廃止になった駅跡である。
そして交換待ちを繰り返しながら走るので、何度となくホームへ降りる機会もあり
知本温泉で有名な知本駅へと到着
ここで莒光号(急行相当)と行き違い
康楽駅で事業用車を眺め
いよいよ台東駅へと接近
こうして南廻線98.2kmを、2時間余りかけて走り、台湾南東部の中心都市・台東へと到着。
到着後の入替作業
<つづく>
※ご質問がありましたので、ドア下部のアップ写真を掲載します。
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旅のまとめ(2011年) | 日記
Posted at
2012/08/27 22:38:16