少し遅れましたが先日の5/30(土)と5/31(日)に行われた「浅間ヒルクライム2015」の報告です。
今回の参加車は「Safir GT40 Mark V」という名のFord GT40のリプロダクトです。
名前がFordではないので、よくレプリカですか??と聞かれますが、ほぼ全てのパーツ(金型なども)がオリジナルと全く同じで、シャーシナンバーもオリジナルから続いていて、フォードGT40のレジストリ(データベース)に登録されている歴(れっき)とした本物です。
ドライバーは僕の父で、その昔はレーサーとして耐久レースやフォーミュラークラスで活躍した??人間です。
コ・ドライバーは僕で全くのド素人です…(笑)基本的には重石ですが、出来る限りのサポート&写真や動画の撮影を頑張りました。あとは、ドライバーである父の走りが熱くなりすぎないように外部からの調節役としても頑張ったつもりです(笑)
説明はこれくらいにしておいて、この車をキャリアカーに載せ、5/29(金)に出発し、休み休み約4時間の長旅をして会場の浅間2000パークに着きました。
途中に浅間ヒルクライムの舞台であるチェリーパークラインをキャリアカーで登りましたが、夜の11時頃だったからか、霧雨の中をドリフト族が走っていて、ちょっと怖かったです(汗)
公道での暴走行為はダメゼッタイ、そういう走りはサーキットのドリフト枠で行いましょう!!
翌日、晴れで朝を迎え、キャリアカーからパドックへ車を移しました。
そしてドライバーズミーティングを終えて、小諸市を周るパレードランへ出発し、そのまま頂上へは戻らずにヒルクライムスタートです。
ですが、パレードランでルートを間違える車や給油する車がいて隊列がめちゃくちゃになったようで、ヒルクライムのスタート順がだいぶん狂っていました…。
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一日目のヒルクライム走行の動画です。
途中レーシングバイクに抜かれてしまいました。このようなテクニカルなコースでは、コーナーでの道幅を車よりもより効率的に使え、さらに加速力も遥かに高いバイクには、さすがのGT40でも歯が立ちませんでした(笑)
父は気に食わん!!と言っていましたが、黄色の旗(このイベントでは前方に障害物あり、徐行せよの意味)が出てたし、追い付かれるのは仕方がないよとなだめました。
抜かしていったバイクはどういうものかは分かりませんが、うちのGT40の後にスタートしたであろうロータスヨーロッパS1も抜かしたことになるので、相当な手練だと思います(笑)
もしかしたら、あれがこのイベントでサプライズデビューしたRC213V-Sという2600万のレーシングバイク??だったのかも?、それかMotoGPのバイクか?
そして僕等がコールした後、今回のヒルクライムで図らずも話題となってしまったレーシングサイドカーの事故が起きました。ちょうどその頃はパドックに着いて、一休みしてGT40の異常が無いかを確認していたと思います。ドクターヘリが来るから着陸場所を確保しなければいけないということで、皆で協力してパドック内の車を全て隅に寄せました。幸い、ドクターヘリは必要ないという判断が下され、また車を元の位置に戻しました。けっこう長い間、アナウンスがなく、下からも車が登って来ない状態が続き、これはイベント中止だなということを勘繰っていました。
その日はこれでイベントが中断、終了になりました。その日の公式のアナウンスでは「事故をしたドライバーは骨折したが命に別条は無く、明日のイベントについてはまたドライバーズミーティングで話します」といった感じだったと思います。死者がでたり、ギャラリーの人が怪我をするなどの重大な事故ではなくて、本当に良かったと思います。
一日目の事故に関しては事故現場付近のギャラリーに居らっしゃった方がブログで詳しくリアルに書いておられます↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1494303/blog/35781194/
翌日、朝のドライバーズミーティングで主催者からイベントの続行が発表されました。主催者としてはここでこのイベントをやめてしまえば、来年の開催はおろか、他のヒルクライムイベントの開催すら難しくなると考えたのでしょう。ここで中止せずに、あえて2日目を開催し、無事成功させることが大切、参加者も協力して頂きたいと頼まれました。すごく勇気のある決断だったと思います。そして同時に我々参加者も今後の日本を舞台としたヒルクライムイベントの開催に対して、とても大きく影響を与えてしまうことを覚悟しました。
なので皆、安全第一をより一層意識し、ヒルクライムに臨んだと思います。
二日目はスタート順を乱さないために、きっちりとパドック周辺で隊列を整え、スタート地点へ向かいました。スタート地点のさらに下にある簡易駐車場で転回し、スタートを待ちました。
ここで、うちのGT40セルモーターがカラ回りするトラブルが発生(汗)
父は我が家を出る前、「セルモーターが変な音する」と言っていましたが、まさかこのタイミングで壊れるとは、運が悪かったです…
車のスタートは前の車がスタートしてから30秒くらいの間隔で、その間ずっとエンジンをかけて止まっていては、水温が上がりオーバーヒートしてしまいます…
一回エンジンをかけたら、またエンジンをとめる。エンジンを止めたはいいが、かけれない…
ということで、他の参加車に迷惑がかからぬよう、最後尾でスタートすることにしました。
待機中、図らずも参加していたもう一台のGT40である「GT MkⅡB」が並ぶ構図になりました。
うちのGT40はMarkⅠルック、横にならんだのはその改良型であるMarkⅡという今のご時世ではとても珍しい??であろう風景が目の前にあります。しかもここは日本なのです(笑)
横のダークブルーのGT40、パドックでシャーシーのコーションプレートを拝見しましたが、うちのGT40よりも100番近く古い番号を持ち(もちろんコーションプレート自体は全く同じ)、さらに「J」の文字が入っていました。本当だとしたら、12台作られたとされるJカーなのかもしれません…
といった感じで、待機時間も存分に楽しませてもらい、いよいよスタートです。
なんとかなるさ根性で、昔ながらの「押しがけ」や「バックがけ(引きがけ)」を駆使してなんとか始動し、無事スタートしました。
VIDEO
二日目のヒルクライム走行の動画です。
アクションカメラのGPSデータから、おおよその速度とコース図を載せました。
予期せぬトラブルによってまさかの大トリを務めることになり、大変光栄に思います(爆)
おそらく僕等の後にオフィシャル(ゼッケンなし)のBMW i8が走ってたのかな?
大排気量のGT40の後のプラグインハイブリッドのBMW i8、なんだか時代を感じてしまう組み合わせですね。
とりあえず、うちの車はセルモーターがカラ回りするトラブルに会いましたが、二日間を無事に走り遂げる事が出来ました。また多くの参加者や観客、オフィシャルと交流することができ、本当に楽しい時間を過ごすことができました。ありがとうございました。
今回は観覧ではなく実際に参加してみて、このイベントに対していろいろなことを思い、考えさせられました。
しかしトラブルは起こってしまうものです、大切なのはそれに対するアクションだと思います。そして今回はそのアクションが素晴らしかったと感じています。事故があったから途中で中止するのではなく、その先の事を考えて、主催者と参加者、観覧者、すべての人が協力してイベントを無事やり遂げる。本当に素晴らしい事だと思います。そしてその一翼を担う事ができ、本当に良い経験が出来ました。運営をされた主催者様、本当にお疲れ様でした。
最後にコーナー付近のギャラリーにて撮って頂いた写真です。
「berlina1994」様、素晴らしい流し撮りをどうもありがとございます!!