バイクを乗り換え、家まで帰る途中、トラブルが多発して自走不能になったヒューズ切れが起きまくり、途方に暮れた矢先になんとかエンジン始動して帰れた。そして着いた所でヒューズが飛んだ。俺はその時に何かを感じた。俺はこいつを、何が有っても治してやらなきゃならない。最後の力を振り絞って走ってくれたこいつを、元の状態に戻す。昨日決意した。途方に暮れた時、諦めて泣くか、意を決して何とかする事を考えるか。何とか出来るのか、出来ないのか。違う。出来るようにする。俺はそう思った。やるしかない、と。涙は一滴も出なかった。昔の俺なら悔やし涙で泣いてただろう。人は覚悟を決めた時、変わる。もう少し治るのに時間がかかっても良かったと思う。じっくり治させろ。そう思った。自分の愛車を治せるのは、自分しか居ない。どこが調子悪いのか直ぐに分かるのは、自分だけだから。何度でも壊れろ。必ず治してやる。