皆さんは過去の愛車との思い出、今でも思い出せるでしょうか。
多分みんな覚えていると思います。どこへ行った。誰と走った。誰と出会った等。
その傍らには必ず自分の愛車の存在があったはずです。
車を買った時、はしゃいで当てもなくどこかへ行ったり。
車を売った時、次の車への期待と同時に、連れ添った相棒との別れを惜しんだり。
僕の足となり色んな所に連れていってくれた過去の愛車を、不定期にしみったれながら振り返ります。
今回は、僕の人生で初めての愛車。
カローラスパシオ。
社会人一年目の夏。高校を卒業してからすぐ就職していたレーム。
義祖父の健康状態が悪く、遺産となる前に手放したいという話を受けて譲り受けたのがこの車。
タバコのヤニと臭い。ジジ臭さのある車ながら、初めての愛車を手に入れたレームは大層はしゃいでカー用品店に通い詰め。
安いカー用品を買っては車に付けていた。当然統一性なんてものは皆無だったが、だんだん自分だけの愛車になっていく感覚がとても嬉しかった。
そんなスパシオで会社の同僚数人と郡上八幡の川へ遊びに行った。
海パン一丁で岩場から川にダイブ。
真夏の炎天下で入る川は最高に気持ちよかったし、こんな遠くまで、誰かの車でなく自分の愛車で来たんだ。そんな実感が楽しさを何倍にもしてくれた。
それから、当時同年代のサバゲー仲間をサバイバルゲーム場に乗せていった。
1日中ヘトヘトになるまで走り回って撃ちまくり、夕日の日差しと少し冷えてきた秋風を、開けた窓から受けながら帰るのは充実感に満ちていた。
あとは訳もなく、休日に木漏れ日の下に車を止めて、車の中でシートをフラットにしてゴロゴロ過ごしたりもした。
部屋にある漫画や雑誌を持ち込んで、腹が空けば車を動かして飯を買って頬張る。
案の定母親に馬鹿じゃないのかと呆れられた。ほっとけ。
そんなある日、弟が愛車を手に入れたレームに提案してきた。
「鍋田に行ってみたい」
どこよそれ?と聞けば、どうやら夜な夜なそこでスポーツカーがドリフトしに集まる場所だとか。
元々車大好き小僧だったレーム。社会人になってからはスポーツカーに対する興味がうすれていたとはいえ、ないわけじゃない。
夜な夜なそんなダーティーな事をするなんてまるでワイルドスピードじゃないか。
ワクワクする。行こう。
と、言われた通りの曜日。時間。鍋田に向かう。
衝撃だった。
爆音を響かせて加速していくスポーツカーの列。コーナーと真逆に車体を揺らしたかと思えば、そのまま車体を翻らせ、ドリフトしながらガードレールギリギリまで寄せてコーナーを抜けていく。
車が通り抜ける度、鼓膜と地面が揺れ、タイヤからは白煙と溶けたゴムが散る。
今までドリフトなんて映像でしかお目にかかったことがないレームにとって、元車大好き小僧にとって、熱くたぎる何かが再燃した。
こんなかっこいい車に乗りたい。
子供のとき以来、強く【乗りたい】と思う車に出会った瞬間だった。
次回180SX編。
気が向いたらつづく!
Posted at 2018/06/30 23:38:58 | |
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