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ディストリビュータ内にあるクランクの角度調整を行っているセンサーが異常をきたすことによって発生したトラブル。走行距離12万5千キロで発生しました。
トラブルの主な内容はアイドリング不調により、いきなりエンジンがストールするというもの。
しかもこのトラブルは厄介なことに、シリンダー内にガソリンを噴射した状態でストールしてしまう為、安全装置が働きガソリンが気化してシリンダー内から抜けるまで、エンジンの再始動ができない状態、いわゆる“カブった”状態でストールしてしまう為、一度発生すると2時間近くセルを回してもリカバリーできずに立ち往生するハメに陥ります。
また、完全に冷えないと復旧しづらいという特徴があり、これら2つの症状によってストールするかしないか。アイドリング時(もしくは近い状態)で発生するかしないかが<スロットセンサー>の異常か<クランク角センサー>の異常かを見分ける最大の違いです。但し、復旧まで時間がかかる点においてこちらの方がはるかに厄介であると言えるでしょう。
例によってエンジンストールによりパワーステアリングも同時に落ち、いきなり旧車よろしく重ステ状態になりますので、発生したらまだコントロールが効く惰性で動いているうちに速やかにハザードを点灯させ、冷静に路肩に寄せる対処をしましょう。ブレーキは幸いにしてキーを戻さなければバッテリーが生きている限りは何とか制動力を維持できます。
このトラブルはいわゆるアイドリングと点火タイミングの不調が主因ですので、悪化すると惰性もしくは信号待ちでのアイドリングの時が最も発生しやすい状態となります。
異常の初期状態においては下記のような症状が現れます。
①アイドリングの回転数が異常に高くなる。例えば通常は700回転前後のところが倍の1,500回転近くになる。
②アイドリングが安定しない。急に1,500回転程度まで上がったかと思うと、700回転に戻って安定してみたり、1,000回転前後を上下して安定しない。
と言ったような初期症状があります。エンジンのチェックランプが走行中に前触れも無く点きっ放しになると言った症状も出ますので、早急にドック入りすることをお薦めします。
もしエンジンストールのトラブルが発生した場合は素直にJAFに牽引、もしくはローダーを依頼するのが正解だと思います。一度発生すると頻発する上に、アイドリングや回転数がさほど高くない時に最も発生しやすい為、すれ違いの場所が限られるような住宅街の道路や交差点などでいきなり発生することが多く、往来に支障を来たすパターンが容易に想像できる為です。実際に私は原因が特定できるまでにストールを4回経験しましたが、内3回は自宅近くのさほど広くない住宅地の道路で発生しております。
日産車ではオルターネーター、スロットルセンサーと共に爆弾パーツの一つだそうで、かなり多数のトラブルが出ているようです。特にKA24のようにディストリビュータ内にコイル+イグナイター+クランク角センサーが一体になって詰め込まれているタイプは、負荷がかかりやすくトラブルになり易いようです。
CDIやホットイナズマのように、昇圧させて点火火力をUPさせるようなパーツを装備している場合は、ディストリビュータに負荷がそれだけかかっていますので、発生し易くなりますので要注意です。
※写真は交換後の純正のディストリビュータです。ダイレクトイグニッション方式を除き、一般的な車はこの中にコイル・イグナイター・クランク角センサーが一体になっています。ダイレクトイグニッション方式もコイルが別体になっているだけで、イグナイターとクランク角センサーは一括制御です。通常は右側にプラグコードが接続される形になります。
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