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イイね!
2018年07月06日

イタリー製の“ゴム靴”について考える

イタリー製の“ゴム靴”について考える 「あの…とても言いにくいんですがソレ輸入してないんですけど…」


https://twitter.com/Revo_BL5C/status/1014709767263023104

twitterでこんな面白いリトゥイートを見つけて、最初は笑ってしまった。

私は日本に入っていない「非アバルト」モデルのことでも言っているのか
一瞬カンチガイしかけて、マツダ製「フィアット124スパイダー」は
国内製造で組み立てられたから、厳密な意味での輸入車ではないことを
ようやく理解した。


ところで、こんなことが起こることの背景について、朝からゆっくり考えてみる
ことにした。

一つは「ヨーロッパの終焉」がある。

もうヨーロッパ車と言っても、フランスやイタリア本国で作っても
収益モデルになりにくく、今回のクルマのように、マツダロードスターがベースで
エンジンや艤装がイタリアンなら、組み立ては世界中のどこででも良い。

2000年代に「ブランド」がビジネスのキーワードとして、取り沙汰され始め
フェラーリやポルシェの「価値」が高騰し始めた。

その頃がクルマ好きのクルマ離れのきっかけであったと思う。

サングラスのレイバンとか、ギターのフェンダーと同じで、最初の原産国から
ブランドだけが漂流し始めると、受け取るカスタマーは、有難いのは「ブランド」
だけであり、少しでも安く買えるなら、それに越したことは無いになってきた。



ところで、日本のことについて、たまには書いて見る。

これは私見なので、あまり「間違っている!」、「おれの考えはこうだ」みたいな
意見は、最初に勘弁願うことを書いておく。

ヨーロッパの終焉というのは、ヨーロッパが価値だけの存在になり(さがり)、
今実際に、消費の活発な「現場」は、東アジアが中心だ。


東アジアに風俗や民族の生活文化はあるが、歴史的な値打ちのある商品は
やっぱり先進国に長く伝わった「洗練」といった、ものの見方にあると思う。

ところが、日本と言う国は、先にアジアから飛び出せた。これは戦後の米国との
政治と経済の繋がり方が、いろいろあって、うまくやったことが多いからだと
考える。
(憲法論とか好きな人は、スルーしてください)

日本は空前の市場に一度なり、緩やかから急速な衰退期に、今向かいつつある。

人口の問題と少子化は、複合原因だが、端的な事例として判りやすい。

その日本の価値は、いま、どのあたりなのだろう。








日本はアジアの一部であるが、独特の存在である。

国際的マーケティングの中では、日本という存在は確実に存在するが、
それは1億の市場でしかないのではないか。

その市場だけの奇妙な国には、レベルが高いだけの技術があり、
今回は“イタリー製ゴム靴”の製造を請け負った。それだけのような気がする。

マツダ製フィアット124スパイダーが、世界と日本に、何を訴えているのか。

それがあまり感性(パッション)に訴えるものではないが、マーケティングの理論
では、それほど失敗ではない。

しかし、イタリアンのオーラや、乗った時に来る、エモーションは薄いだろう。

まして、日本人が、日本国内で乗るには「ちょっと」と思う人が居てもおかしくない。


でも、今やクルマはこのジャンルナイズされた商品でしかない。

また、日本について考えると、いま世界中で、ネーションや、民族に基づく動きが
すごく活発になってきている。


これは21世紀に入り、イデオロギーの冷戦が終わってから、新しく21世紀は
レリジョン(宗教)と、その国の立ち位置が、とにかく微妙に変化し続けている。




日本国内で起こっている、やや右寄り旋回な動きに就いても、この世界の文脈に
当て嵌めて書いてみたいが、悩ましくも日本は、先に先進国化しているので、
どうもエスニックな解釈では、落とし所が乏しい。

これに上下分離の経済現象が伴うので、日本で起きていることは
トランプのいるアメリカの方が、私は考える時の参考になると思う。


日本のことを、いろんな人が考える時に、多く陥る勘違いは、唯一無二とか、
日本を「絶対化」することだと思う。

世界の中で相対的に見て、日本はどのくらい、とか、どんなふうに見られているか
そこから内国に立ち返って考えると、時々陥るミステークに気がつくであろう。

今の世界は流動的で、お金と人と、あとは土地や位置の関係で、評価対象が
どんどん目まぐるしく変わって行く。




自動車製造の産業は、初期の目的は先進国では終わっている。

僕らは中期の時代の、一番趣味性が高かった時代の、ほんのひとかけらの
エスプリや、エッセンスを堪能し、素晴らしいとか、これが良いとか言っている
だけだと思う。

「20世紀の残滓」という言葉を僕は、20年前にホームページをつくったとき
クルマ趣味の表現として使ってみた。

まさに今頃、ミニとか、フィアット500、124スパイダーなんて、似て非なる
個体が世に出ることは、残滓文化の表れではないか。


日本で124スパイダーが作られて、イタリア人が買うのと、日本人が買うのと、
中国やアメリカの中流層が買うのとで、受け取り方は全く違うと思う。


たまたまマーケティング的に、日本にFRのオープンカーのシャーシが在った。


信頼性と、組み立てる工場のレベルと、発売単価のコストを天秤にかけると
このプロジェクトで「よし」が出ただけだと思う。


マツダもひと昔前のような、フォードグループで無くなり、時間は長い。
マーケティングビジネスの最たる例だと思うけれど、日本の今後のクルマ
つくりは、これで正解かどうか、答えるのは少し時間がかかるだろう。












ブログ一覧 | オンザカー | クルマ
Posted at 2018/07/06 14:56:29

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