ドア配線の車内引き込み
1
フットランプを左右個別に点灯させたい、という思いつきに端を発した一連のDIY作業。
車内にはドア開閉でオンオフになる配線は見つからなかったので仕方なくドアから車内に信号線を引き回すことになりました。
が、やり始めるとかなり手間のかかる作業。DIY的行き当たりばったりな要素が多く、楽しめたものの代償もそれなりで…
まぁ、振り返ってみると冷静にやってれば簡単な作業だったのに、という反省も含め整備手帳にまとめてみました。かなり長文な解説です(笑)
作業の手順は
①ドア側配線カバーの取り外し
②配線をドア内部へ通す
③ドア信号線を分岐させる
④⑤端子の増設
になります。
用意したものは
・16mmグロメット
・0.5スケアコード
・熱収縮チューブ
・スポンジテープ
・エーモンの端子セット
ドア内張りとキックパネルをはずしておきます。
「ドア内張りのはずし方」
http://minkara.carview.co.jp/userid/2010591/car/1521743/2775882/note.aspx
「キックパネルの外し方」
http://minkara.carview.co.jp/userid/2010591/car/1521743/2817573/note.aspx
配線引き回しルートはA,B,Cの3つの穴のどれかを通して①の配線カバーまで導くことになりますが、Aの純正配線の通っているゴムカバーは内部が圧縮チューブ状になっていてとても狭いのでコードを通すことができません。
このチューブの中を通さずに、ゴムカバーの脇から通してみましたが、ウィンドウを開けたときにコードが引っ張られてしまいうまくいきませんでした(ウィンドウを全開にすると赤い点線ぐらいまで降りてきます)
次にドア端のBの穴(写真では黒いグロメット)を利用してウィンドウを回避しようと思いつきました。
が、完成後にチェックすると若干ウィンドウに擦っている感触がありました。そこで配線を垂らすことでウィンドウを回避する方法に落ち着きました。
結果的に黄色のラインが今回配線を通したルートで、写真の赤いコードが実物です。点線部分はドア内部で、ウィンドウをかわすためにたるませています。
……と、お気づきだと思いますが、Cの穴、これが実はベストなルートじゃないでしょうか?
私、この写真を見るまでCの穴があるのを忘れていました(汗)
というわけで、Cの穴であればウィンドウと干渉するという問題はクリアできると思うのでこれを参考に作業される方はCのルートも検討してみたほうが良いと思います。
2
今回の作業、難易度3になっていますが、その原因となったのがこの配線カバーの取り外しです。
ドア両側で取り外しに失敗しました(゚´Д`゚)
運転席側のツメは破損してドア内部に落下。ツメの構造が不明のまま助手席側にチャレンジした結果、かろうじてツメは残っているものの使い物にはならない悲惨な状態ではずれました(涙)
写真①は助手席側のカバーを外そうとしているところ。
引っ張ろうにもはめ合いがきつくてヘラさえ入っていきません。それぐらい隙間がないです。
写真のようになんとか上からヘラをいれて隙間を作り矢印部分からこじったところ、外れはしましたがツメが割れて再利用できない状態に。
写真②
ツメのアップです。上部に3連でついています。3個も必要なんでしょうか…
あいかわらずDIY泣かせのVW流無駄ながっちり固定です。
この写真で分かるとおり、爪部分が階段状になっていて引っ張っても絶対に外れない構造になっています。
無理にこじればツメの根元から折れてしまいます。
写真③
左側はVW車によく使われている鉄製のクリップ。
鉄製のクリップは引っ張れば矢印方向にクリップが変形して抜けるようになっています。
ところが、イラストに示したとおり、この配線カバーのツメは面(緑色)で接触しているので引っ張る力がツメが外れる作用として働きません。
どうすればいいのでしょうか…
上からツメを観察しながら作業したくても、場所がいりくんでいて近づけないうえに、ボディーが黒のためツメとボディーが同化して判別不能なのも作業を困難にしています。
ここからは推測ですが、写真①のほとんど隙間のない状態から、何らかの方法で階段状のツメの下の部分(赤丸)を押し下げるしかないような気がします。
写真で分かるように階段状のツメは少し奥に引っ込んでいるので、まっすぐな棒状のものでは押せない気もします。特別な工具が必要なのでしょうか…
発想を変えて、このツメはドア内部からアクセスするのかも?とも思えます。
一番簡単なのはスピーカをはずして中からツメを押し下げることです。スピーカーはリベット留めなので外した後を考えねばなりません。
スピーカーをはずさずにツメにアクセスするには、写真の青丸の穴か、黄丸のゴムカバーを外した穴に長い棒を差し込み、ツメを押し下げればいいような気がします…が、やっぱりスピーカーをはずすのが一番簡単で確実なような気がします。
それか、私が気づかないだけで、あっさりとはずせる方法があるのかもしれませんね。
とにかく、この配線カバーが外れないことにはコネクタ増設はできませんので、まずはこの部分がきれいに外すことができるのを確認してから先に進むのがいいと思います。
ちなみに私の場合、両側ドアのツメがなくなってしまったので、今はビニールテープで貼り付けてあります(涙)
日を改めてドア内に落ちたツメの回収とリペアをしないといけませんね。
3
無事に配線カバーが外れたらコードを通します。
今回は太さ0.5スケアのコードを使いました。
写真左
ドア内からの配線の束と配線カバーは写真のようにビニールテープで固定されているので、それをバラしてコードを通してから再びビニールテープを巻いて元に戻します(写真は助手席側です)
先述の通り、この時点で端子が装着されているとここを通っていきません。
写真右
ドア内にコードを通すにはいくつものルートが考えられますが、今回は黄丸の穴を使いました。
写真では布テープでふさがれていますが、それをはがすと穴がありますのでそこを通しました。
ですが、先述の通り、ウィンドウをおろした時に干渉してしまったので仕方なく黄点線のようにコードを垂らして対策しています。
ウィンドウの干渉を防ぐなら赤丸の穴を利用して赤点線のルートのほうがスマートだと思います。
写真右下
コードのドア内を通る部分は熱収縮チューブを2枚重ねにした上にスポンジテープを巻いて防水・防音・補強しています。
それを穴を開けたグロメットに通してフタをしました。
4
増設端子の加工
写真左上の黄色の配線は「リペアキット」というVW・AUDI純正パーツです。
コネクタや配線類の修理でディーラーで使われているもので、メカの方のご好意で分けていただいたものですが、今回のドアと車体をつなぐ部分のコネクタには使えませんでした。
この部分はリペア対象ではなく配線丸ごとAssy交換になるようです。
代用として選んだのが写真左下の「エーモン1129 カプラー端子セット」です。110型という規格の端子セット。
こいつを写真のように加工します。
写真右上がメス端子。上が加工前、下が加工後です。同様に写真右下がオス端子です。
銅線部分を圧着するところを半分ぐらいのこしておくのがミソです。
点線で囲った部分にコネクタ内の溝がはまってロックされるのです。
その他のコツとしては
①ツメは不要なので戻しておく
②配線を圧着した部分はスリムに仕上げる
③メス端子はドア内に配線を通してから装着する。
の3点ぐらいです。
①②は難しいところはなく、現物あわせでなんとかなります。
③は注意が必要です。写真ではすでにコードと端子を圧着していますが、この状態だとコネクタと配線カバーをつなぐチューブ内で端子がひっかかってたどりつけません。コードを引き回した後に端子を取り付けましょう。
わたしのように端子を無駄にせずに済みます(苦笑)
あまった端子のメス側はこのあとの工程でも使います。
5
配線の分岐には「スプライス」という方法を使ってみました。
これは省スペースで見た目もよくお勧めです。
エーモンから「スプライス端子」という新商品が出たみたいなのですが近所のホームセンターには入荷しておらず…
今回はスプライスもどきでやってみました。
写真左上から時計回りに
・先ほどのメス端子を点線部分で切断します。矢印部分を広げて配線を差し込めるようにしておきます。
分岐させる配線を写真のようにむきます。今回はニッパーとカッターを使いました。
・あとは見ての通りです。0.5スケアの増設用の配線と分岐配線を写真のように圧着します
・さらに2つ折りにしてコンパクトにします。
・写真のコネクタをはずしてツメを解除します。
・カバーをスライドさせると端子のツメが見えますのでそれを細いドライバで押して解除して分岐元の配線を抜き取り、熱収縮テープを装着します。
・完成
今回は見た目重視で熱収縮チューブを使いましたが、ビニールテープで巻くだけでもいいと思います。
この場所を分岐点に選んだのは、樹脂製のカバーに固定されているので万が一端子がむき出しになってもドア鋼板に接触する恐れがないと思ったからです。
このドア信号線はアースに落ちるとドアロックが解除されます。
6
コネクタの分解
写真左上から時計回りに
・ロックを引き抜くと外れる
・チューブを外し、コードをむき出す。よくむき出しておかないとあとで困る。
・横にスライドさせ、
・手前に引き出す。
この時コードのむき出しが甘いと引き出せない。
・丸印のツメを解除して外側と内側を分離する。
このときもコードのむき出しが甘いとうまく分離できない。
・ここまで分解できる
7
ドア側コネクタにメス端子を増設する
写真左から時計回りに
・分解したところ
点線内の溝と、丸印の出っ張りがはまることで端子がロックされます。
・加工した端子を差し込んだところ
先述の加工した端子の写真の点線で囲った部分がこのように溝と合致するわけです。
この状態でバラしたコネクタを元に戻せばロックされます。
・今回増設に使ったのは黄丸で示した太線用のスロットです。左隣はもう一つの空きスロット。
その隣が純正の端子です。違和感なく収まってます。
当初、赤丸の細線用のスロットがたくさん空いているのでそれを利用しようと思いましたが、端子が極細で加工が困難そうだったので太線用を利用しました。
8
車体側コネクタにオス端子を増設する
写真左上から時計回りに
・コネクタの分解(写真は助手席側)
丸印のツメ(両側にある)を解除して矢印方向にスライドさせてカバーを外す。
これだけで端子にアクセスできる。
・ロックの構造
ドア側と同様に溝がある。
・端子の増設
写真は加工した端子を差し込んだところ。
この状態で元に戻せばロックされる
・純正との比較
丸印が増設した端子。
その隣に見えるのが純正の端子。
長さ幅ともにほぼ同じに収まっている。うまい具合である。
あとはテスターで導通を確認して終了です。
今回の作業のポイントはやはりドア側配線カバーの取り外しに尽きると思います。
ツメを破損せずに取り外す方法を私には見つけられなかったのでコツなどはわかりません。
まぁ、ドアから車体にコードを通したいと思っている方が多数いるとは思いませんが、この整備手帳をアレンジして自分なりの配線引き回し方法を開発された方は、ぜひ整備手帳やブログにアップしてリンクしてくださいませ。
[PR]Yahoo!ショッピング
入札多数の人気商品!
[PR]Yahoo!オークション
タグ
関連コンテンツ( DIY の関連コンテンツ )
関連整備ピックアップ
関連リンク