~コンパクトSUVという主流に参戦し、今様な装備を奢って便利なチンクになっても漂うニッチ感~
実用的で家族で乗れるクルマが必要になり色々探したら結局変わったクルマを選んでしまったという。。
とは言え500xはフィアットとしてはサイズも少し大きめで5ドアの実用的なSUV。オリジナルの500が仕様とサイズ的にはかなり偏っているのに愛好家も多いのと対象的に、人気の小型SUVカテゴリに居ながら普段は見掛けないのだけど、ある意味今に続くコンパクトSUVブームの先陣を切った1台ではないかと。
フィアットの中ではかなり「普通」な仕様の1台で、MultiAir2(所謂FireFlyエンジン)1.3LターボにDCT、ACCからレーンキープアシスト他セーフティも一通り装備されてるし、電動本皮シートなども装備されている。車内もサイズから見れば十分。
それでもどこか癖も強いし、単にゴルフやポロの乗り換えとかに向いてるかと言うと違う気がするし、車格や経緯が近いミニ・クロスオーバーのような成熟された出来とも異なるプリミティブさも残るこのクルマを一言で言うなら「安心して乗れるイタリア車」って感じなのかな。慣れちゃえば元気に相棒となってくれる1台。
エンジンはマイナーチェンジ後の1.3Lマルチエア2・ターボ。この排気量で150馬力、27.5kgmは十分なスペックなのだが、直噴ではないので結構なドッカンターボっぷり。最初にある程度踏み込めばキビキビ走ってくれる。直噴やディーゼル慣れしててアクセルを浅く踏んでるといつまで経っても目覚めてくれないエンジン(笑)。ちょっとアクセルワークに対して燃費重視でコンピュータ制御されているのか思いと違うレスポンスを感じる時が有るかな。
ACCもレーンキープアシストも有るので高速は楽ちんだけど、電動パーキングブレーキが付いてるのに何故か全車速対応ではない。30km以下になると「ポーン♪」という音とともにACCが無効化される。
フィアットでもオリジナル500のようなAMTではなくDCTなのでVWのようなものを期待するが、もっと牧歌的なミッション。ギアチェンジの時に「カシャ~」みたいな金属音が聞こえるのは乾式だからなのか?たまに変速を忘れてローギアで勝手に引っ張ってくれる。それでも個性として捉えれば面白いし、故障とかも最初のリコール対応だったバッテリーあがり以外は皆無。イタリア車も丈夫になりました。
欠点は坂道発進を苦手としていること。FCAのDCTは走り出してから実際のギアが入るみたいで、その前にアイドリングストップとか効いていると、Dでも立ち上がりにギアが入るまで後ろに下がる。。ヒルローンチアシストみたいな機能は勿論付いてないのでここは要注意です。DCTはトルコンATとは違うことを思い知らされる瞬間。イオスの時には記憶にないけど。。
あと、たまにアイドリングストップからの復帰がワンテンポ遅れるのでちょっと焦る。止めてもエンジンかけ直すとまたアイドリングストップ有効になるので忘れがち。
但し、足回り、剛性はかなり固めなのでSUVでもコーナーとか結構恐怖感なく回れます。
燃費は都内街乗りでは行って8~9km/L。高速でも100km超えると燃費は伸びない印象。100km前後で12~3km/Lという感じ。高速では小排気量なのが不利なのかもしれない。
ポロやゴルフ、ミニあたりに乗っていた人が乗り換えたら想像以上にプリミティブさを味わえる感じ。でも装備は全般的に現代的。そんなところがイタリア車らしさ?なのかな。
ナビは無いがインフォテインメントシステム「uConnect」がAndroid Auto、Apple Carplay双方対応しているのでGoogleマップとかモニタに投影できるので十分。初期ファームはバグが多くてよく固まってたけど、ファーム更新してもらってからは安定している。ちなみに接続スマホはAndroidの方がおすすめ。AppleCarplayだと、なぜか画面をフルに使えず枠が出来て小さくなってしまいます。