皆に勧められながら
なかなか足が向かなかった「マカン」。
理由はただ1つ。デザインだ。
そう、僕にはまったく、
コレっぽっちも、ツボに来ない。
あのデザインの至宝「911」を
わざわざ不格好に膨らませて、
腰高のシャシーに載せる。
ドイツのスーパーブランド「ポルシェ」にあって
そのアイデンティティを取り上げられた
落ちこぼれのデブ。。
「マカン」がドイツ語で「豚」の意味と教われば、
疑いもせず、信じてしまうだろう。
そうディスるほどに響かない。w
だから、よほどの事が無い限りこのクルマを選ぶことはナイ。
頑張ってディーラーに行ったとしても、結局911が良くなるに決まっている。
だが、言うまでもなく911には手が出ナイ。泣
ディーラーに行くだけ無駄だとはじめから理解しているのだ。
だがこの乗り比べ、マカンに乗らなければ引っ込みがつかない。
で、ようやく空車のタイミングと僕の都合が重なった本日
満を持してレンタカーを手配。。
という訳で、いざ。。
乗り込むと、真面目すぎるインテリアに一瞬ひるむ。
操作系もスイッチ類がズラッと並んだ、優等生スタイル。
だが、必要な操作にワンタッチでアクセスできるので、
覚えてしまえばこれが一番合理的だ。
レンタカーという事もあり、インテリアはベースグレードなのだろう。
ここのところ、いいクルマばかり見てきたこともあって
特別、質感が高い印象も、ラグジュアリーな感じもない。
デザインや質感はメルセデスやBMWの方が好みだ。
とは言え、ハンドルの中心にあるロゴには心躍る。。w
そして、エンジンをかけて、アクセルを踏む。感触はイイ。
快音を響かせ、ゆっくりと地下駐車場の出口に向かう。そこには期待しかない。
だが、いざ街を走り出すとあらゆるフィーリングが噛み合わない。
視点は高いが天井が低く圧迫感のある視界。
鼻先がどこにあるのかつかみ難くく、車幅もデカいと思わせる。
変速のタイミングでギクシャクするPDKにがっかりさせられ
回転を上げられないまま、信号が赤になる。周知の通りこのクルマは速い。
なのに、エンジンを回せないうえ、変速のタイミングも感覚が合わない。
否応無しにフラストレーションが溜まる。
さらに、マニュアルモードへの切り替え方が分からず、
パドルで引っ張ろうにも、勝手にオートに戻る。。
ンダァーっっっっ!!!
イライラが爆発限界に達しようかというまさにその時、
シフトレバーに隠れて見えなかった「+、ー」の記号に気付く・・・。
っっっ!! 倒すだけっ。。w
ドカっとMモードに叩き込むっ!! 笑
するとどうだろう。
さっきまでの違和感は何だったのか???
全てがスッと消えてなくなり、心がクルマに馴染んでゆく。
何を持って「ギクシャク」と感じていたのだろう?
一時でもそう思った自分が恥ずかしい。
それほどに、わずかなアタリも無く、
瞬時に次のギアにシフトしてクルマは加速してゆく。
眉間にシワを寄せたシカめっ面が、気持ち悪いニヤけ顔に変わる頃
いても立ってもいられず、渡った先に出現した首都高のゲートをくぐる。
そんでもって、ソコからは覚えてないっ。。w
気がついたのは、折り返そうと思っていた大黒PAの入口を突っ切ったとき。w
・・・た、楽しい。。つい、夢中になってしまった。
一度クルマに集中できれば、世界は180度変わる。
なんとも、憎たらしいくらいに気持ち良い。
いや、シンクロし過ぎて、くすぐったいくらいだ。
エンジンの吹け上がりも、すっと切れ込む車体も、
自分の意思で動く身体のように自由自在。
そして、脚がイイ。
シタッと濡れたような滑らかさで、道路の継ぎ目をいなす
浮遊感なく、きっちりグリップを伝えながら、
粘りのある軽やかさでキリッとコーナーを抜ける。いい重さだぁ。
たぶん、スポーツに振ったSUVでコレを越えるクルマはナイ。
それどころかスポーツカーでくくっても、マカンを越えるクルマはそう無いはずである。
確かに、速度域が日本の公道に適していないのは事実。高速道路ですらかったるい。
それでも、SUVとは思えないレベルでクルマとシンクロする
この見事なまでの一体感はマカンでしか味わえない。
さらに、速度制限はMモードのPDKがカバーしてくれる。
いや、それもポルシェにしか出せない「走りの質感」あってこそのPDKなのだろう。
このスポーツ体験があれば、あれだけボロクソに思ったATモードも話が変わってくる。
ATモードはコンフォートモードとして乗ってしまばいい。
ひたすら優しく操作してやれば、その分だけ快適性が増してゆく。
ドライバーの感情のスイッチもこのクルマの走行モードを切り替えるのだ。
モードはあくまでノーマル。
他社のコンフォートモードみたいにアクセルの反応に遅れはないし、
いざと言う時の加速も瞬時にスッと出られるので、気持ちがいい。
なるほど、「落ちこぼれのデブ」なんてとんでもない。
コレが本当に乗っちゃダメなクルマ。
しかも、これでエントリーモデルとはポルシェおそるべし。汗
911はもっとすごいんだろう。マジでいつか所有したい。。
・・・!?。
って、ほらっ、やっぱり。。笑
さて、C1をあと何回か回りたかったけど、しょうがない。。w
横浜を回って、第三京浜で玉川へ、そこから、一般道に降りて、
目黒通り経由で有楽町に戻ることに。
途中、都筑PAで、ふと我に返る。
やっぱデザインが・・・。。汗
接してみればめちゃめちゃイイ奴。
ただ、ジーナのように一途にはなれない。
ブタはブタ。あくまで恋愛対象・外。。
もう一つ言うとこのクルマ、免許の点数6点じゃ足りない。w
なもんで、気になるのはやっぱこっち。。笑
思わず見いって、鳴らされて、慌てて発進。。
・・・す、すみません。。汗
さぁ、SUV乗り比べもいよいよクライマックスです。
マストで乗りたいクルマはF-paceを残すのみ。
欲を言えばアメ車、日本車にも1台くらい乗ってみたい。
で、大幅に予算外のレバンテにも乗るだけ乗ってみたい・・・笑
我らがアルファロメオ製SUVまでは・・・・・・待てないなぁぁ。。涙
イタリアの風はいつだって、日本にはなかなか届かない。。w