仕事の帰り

仕事が遅くなると、帰り際に飲み屋へ寄りたくなる。
書類を片付けながら時計に目をやった。
11時32分。

事務所には既に人気が無く、他のフロアーでは既に照明が落とされているようだ。
やれやれ、いい加減俺も帰るか。そう思い、手に持った書類を3段トレーの2段目に放り込んだ。
その際に何枚かの書類を巻き込んだ様で、クシャクシャと嫌な音が鳴ったが気にするのはやめた。

身支度をし、照明を落とす。
事務所に鍵をかけた時点で既に0時を回っていた。
あと8時間後にはこの場所に戻ってくる必要がある。
だが、それを考えるのは辞めておいた方が良い。それが自分の為だから。
・・・そういえば、昔読んだ小説にこんな感じの一文があった。

「昨日と同じ様な今日、今日と同じ様な明日。つまり昨日は今日であり、明日でもある。そして、それがずっと続いていくとしたら、明日と10年後の違いは何だろう？」

引用元とは大分違う文章だと思うが、内容はだいたい合っていると思う。俺の10年後、か・・・・・。

街灯の明かりを頼りに歩く。駅前だというのに、この暗さには参ってしまう。この町は都会には程遠い。
数間先にラーメン屋の屋台が見えた。芳しいスープの香りが漂ってくる。
のれん越しに見える客は数人・・・2人程入っている様だ。俺が前まで通りかかると、その内の１人が出てきた。
そいつは店主と２言３言交わした後、駅のほうに歩いていった。
俺は屋台の前に足を止め、腕時計に目をやる。0時18分。
ため息を一つ落とし、駅へ急ぐ事にした。終電は24分に来る。

電車が来る。デンシャがクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。デンシャガクル。