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K26Cのブログ一覧

2016年11月23日 イイね!

オルガン式アクセルペダルの意外なメリット?

今のマツダはオルガン式のアクセルペダルを採用しています。吊り下げ式との比較でオルガン式のメリット・デメリットは色々と言われていますが、一般的には言及されていないものの、私がこれはメリットだと思っていることを書きます。


右足の靴が歪まない。


吊り下げ式ではペダルを踏み込んだ際に下図の緑の矢印のように靴が湾曲します。

オルガン式のペダルでは、足裏をベッタリとくっつけて操作すれば、靴が湾曲することはありません。

今のデミオに乗り換える前は、普段クルマを運転する際に履く靴で地面に立つと足裏の感覚が左右で違っていました。自分の足が歪んでいるのかと感じるほどでした。でも別の靴に履き替えると左右で違うという感覚はありません。靴が歪んでいるのです。靴が新品だった頃はもちろん歪んでなどいませんでした。なぜ靴が歪むのか?

オルガン式のアクセルペダルのクルマに乗り換えた今、足裏の感覚が左右で違うことはほぼありません。デミオ以前からクルマの運転用として履き続けている靴で、です。

同じ靴を履き続けているのに靴の歪みがなくなった。変わったことといえばクルマを換え、アクセルペダルがオルガン式になったこと。靴を歪ませていたのは吊り下げ式のアクセルペダルだった。

このメリットは車を運転していないときにこそ活きてきます。右足用だけが歪んだ靴で歩くと左右の歩行バランスも当然歪みます。自分の体が歪ませられるのです。
Posted at 2016/11/23 18:02:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | 雑感 | クルマ
2016年11月09日 イイね!

デミオとi-DMとブレーキング


強めのブレーキングでまず白ランプをもらうことがなくなった。

ガツンと一気に踏むのではなく、まずはフロントサスを縮めるために軽くブレーキをあてる。それからブレーキペダルをギューと踏み込む。サスが縮んでタイヤがより強く路面に押し付けられるからか、タイヤが路面をギューとつかむような感覚がある。すると間違いなくタイプ1青ランプが点灯する。ペダルをギューと踏み込んでいく具合はサスの縮みに合わせる。するとより強いブレーキでもうまくいく。

このタイヤが路面をつかむような感覚が心地良い。

ガツンと踏んだときのガツンという感覚の不愉快さとは対照的。ガツンは間違いなく白ランプが点灯する。

不愉快なガツンをなくして心地良いギューだけを楽しめるブレーキがタイプ1青ランプのブレーキ。そんな表現もできるかもしれない。

そしてこのタイヤのギュー、クセになる。強めのブレーキを踏まざるを得ない状況になるとヤッタ!と思ってしまう。タイプ1青ランプの練習とタイヤのギューを味わえることの二重の意味で。


以前は(数ヶ月前までは)ブレーキペダルの踏み込みに段階を付けていた。

強めのブレーキでは、
1.まずはフツーにブレーキを踏む
2.続けて強めのブレーキを踏む

もっと強いブレーキが必要な場合では、
1.フツーにブレーキを踏む
2.続けて強めのブレーキを踏む
3.最後に強いブレーキを踏む

こんな感じでタイプ1青ランプを点ける練習をしていた。これでタイプ1青ランプが点くことがあったから。

フロントサスを縮めることを意識するようになってから、段階付けをまったく意識しなくてもタイプ1青が点くようになった。しかも以前よりもずっと高頻度で点く。(もしかしてマツダが称する「溜め」とはこのまずはサスを縮めることを表現したものなのか?)

フロントサスが縮むのを感じる、感じられるようになる、自分の意志でフロントサスを縮められるようになるには、サスが柔らかいほうが練習しやすいのか? コレってブレーキによる荷重移動だよね? サスが柔らかいと荷重移動は大きくなるよね?

サスを固めるとクルマの動きはクイックになるんだろうけど(経験ないから分からんけど)、荷重移動の技術が身に付いていないのにサスを固めてしまうと、そもそも荷重移動の技術そのものが身に付かなくなる、荷重移動の重要性に気付けない、荷重移動を気にしなくてもクルマはクイックに動くし。そんな弊害がありそうな気がする。


タイプ1青ランプの点くタイミング。「今の良かったよ~」と操作した直後に過去形で点く場合。「今良いよ~」と操作中に現在進行形で点く場合。タイミングが違う。

タイプ1青ランプの点灯を確認するためにランプに目線を落とすと、1.緑→青の変化を確認できる場合、2.目線を落としらたすでに青ランプが点灯している場合。2つある。操作してからランプに目線を落とすタイミングは同じ(つもり)なので、青ランプが点灯するタイミングが違うということ。


どんなに強いブレーキでも、もちろん最後はブレーキを緩めてフワリと止まる。縮めたフロントサスを1G(静止状態)まで伸ばす。


思い出したこと。これってゲームで試行錯誤したこととおんなじだ。グランツーリスモでABSをオフ、フロントタイヤをロックさせずに如何に強いブレーキを踏むか、どうやってABSオンと同等のブレーキをABSオフで実現するか。

ABSオンのときと同じように何も考えずにガツンと踏むと、タイヤはあっさりロックしてしまう。ロックさせない程度に弱く踏むのは1つの解決法だが、ストッピングパワーは明らかに劣る。

ロックさせずにABSオンと同等のストッピングパワーを出したい。フロントサスを縮めてフロントタイヤの荷重を増やしてやればより強いブレーキでもタイヤはロックしないはず。


弱めのブレーキではタイプ1青ランプは点けられないけど、タイヤのギューが感じられない代わりにブレーキディスクとパッドがシャーと擦れるような感覚がある。

シャーが一定の状態を維持できれば(つまりブレーキ踏力一定を維持できれば、ということだけど)タイプ2青ランプが点灯する。シャーが一定の状態をブレーキを踏んですぐに安定させられれば、そのぶんタイプ2青ランプの点灯が早くなる。

シャーも感じられないくらいブレーキが弱いとそもそも青ランプは点かない。
Posted at 2016/11/09 02:03:47 | コメント(1) | トラックバック(0) | i-DM | クルマ
2016年11月07日 イイね!

走行性能曲線図とWLTP Gear-Shifts Calculator


WLTP Gear-Shifts Calculatorに関する第5回です。

※WLTP:Worldwide harmonised Light vehicles Test Procedureの頭文字。「乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法」と訳される。


MT車でWLTPの試験をする際の変速位置の計算機“WLTP Gear-Shifts Calculator”について、第3回では資料を翻訳し、第4回では“正規化した全負荷パワーカーブ”を掘り下げました。

第5回となる今回は必要なパワーPrequiredを取り上げ、最近は見かけることがまれになった走行性能曲線図を作成しようと思います。(単に作成するだけでオチとかまとめはないです)


必要なパワーPrequiredは次式で計算されます。詳細は第3回の資料の翻訳を読んでください。

使用する数値は計算機の3.Usage - 3.4.Python usageに記載してある値を用います。
f0=100 [N]
f1=0.5 [N/(km/h)]
f2=0.04 [N/(km/h)2]
kr=1.1
TM=1500 [kg]

また加速度ajは次式で定義されます。


Prequiredの式は項が2つあります。第1項がタイヤの転がり抵抗や空気抵抗などを合計した走行抵抗を表し、第2項が加速に必要なパワーを表していると考えられます。

第1項だけの数値=走行抵抗と、0.05、0.10、0.15Gの加速に必要な数値=走行抵抗+加速抵抗を計算してグラフ化します。


ところで。
計算してみて気づいたのですが、第1項の走行抵抗は速度200km/hのときにちょうど100kWになります。
f0×200=20000
f1×2002=20000
f2×2003=320000
上記3つの合計=360000
3600で割ると100になる。

こうも切りの良い数値だと恣意的なものを感じます。また計算機はこれとは違う値をデフォルト値として持っていそうな気がしますが、気にせずこのまま続けます。

走行性能曲線図の縦軸はN(ニュートン)にします。使用する車両データの数値はやはり計算機の3.Usage - 3.4.Python usageに記載してある値を用います。エンジントルク[N・m]から各ギアでの駆動力の計算に少々難儀しましたがたぶん合っているでしょう。セーフティ・マージン=0.9を掛けています。一定速度の走行(第1項だけ)と0.05G、0.10G、0.15Gで加速する場合の、計4つの走行抵抗値を重ねます。一般的には勾配ですが、今回は加速度にします。


単なる好奇心で作成した走行性能曲線図ですが、1つ発見がありました。
1478秒から始まる超高速フェーズにおいて1533秒で6速から5速へシフトダウンしているのですが、これは直後に控える80km/hでの約0.1G加速でパワーが足りないからです。

走行性能曲線図を見ると6速の駆動力は0.1G加速の線を全域で下回っています。従ってシフトダウンせざるを得ません。

実際に6速でパワー不足になるのは1538秒からなのですが(次表参照)、第3回の翻訳で「4.変速位置に関する追加要件 (g)」に記した通り、高い速度域での加速で低いギア(5速)を2秒以上(この場面では5秒間)必要とするので直前の高いギア(6速)を低いギアに修正しています。(この追加要件てこ~ゆ~コトなのね。翻訳したけど実のところはあんまし分かっていなかった)



おまけ、他のグラフたち;
3.Usage - 3.4.Python usageでは「v_max = 195,」(最高速度195km/h)と入力するのですが、セーフティ・マージン無しの走行性能曲線図は6速の駆動力が190km/hを少し越えたところで一定速度の走行抵抗と交差しています。デタラメな数値を入力しているわけではないんですね。




Posted at 2016/11/07 22:16:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | WLTP、WLTCモード | クルマ
2016年11月04日 イイね!

正規化した全負荷パワーカーブ、WLTP Gear-Shifts Calculator


WLTP Gear-Shifts Calculatorに関する第4回です。

※WLTP:Worldwide harmonised Light vehicles Test Procedureの頭文字。「乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法」と訳される。

前回の翻訳によりMT車の変速タイミングの計算機“WLTP Gear-Shifts Calculator”がどのようにして変速位置を決定しているのか、その手順を知ることができました。しかし、手順の説明文だけでは不明な点があります。エンジンパワーについてです。

使用するギアの決定は、1.速度維持や加速に必要なパワーと、2.各ギアで使えるエンジンパワーとを比較してと言っています。

1.の必要なパワーは計算式が手順の説明文中に明記されていて、変数は速度vだけなので容易に計算できます。(式の詳細は前回の翻訳を見てね)


2.のエンジンパワーは計算式などは明記されておらず、“正規化した全負荷パワーカーブ(the full load power curve, normalised to ~)”と表現されています。

本記事はこの“正規化した全負荷パワーカーブ”ついての詳細です。

なお、“正規化”自体の詳細はWikipediaあたりを読んでください。


計算機は“正規化した全負荷パワーカーブ”のデフォルト値を持っています。フォルダ\wltp-0.0.9a4\wltp中のファイルmodel.pyに記載されています。78行目から始まるデータがpetrol(ガソリンエンジン)で、106行目から始まるデータがdiesel(ディーゼルエンジン)です。

データをグラフ化すると次のようになります。

正規化したままでもそういうつもりで見ればパワーカーブっぽく見えます。縦軸が1.0のときに最大出力を発揮し、そのとき横軸が1.0で最大出力発生回転速度です。

このデータはこれで決定というわけではなく仮の値でしょう。まだalpha版ですし。もしくは車両ごとに変えるデータなのかもしれません。

“正規化した全負荷パワーカーブ”を計算機と同じ手順でフツーのパワーカーブに変換します。縦軸は最大出力[kW]を掛け、さらにセーフティ・マージンSM=0.9を掛けます。横軸は手順に記載されている計算式を変形して最大出力発生回転速度とアイドリング回転数で[rpm]にします。

使用する数値は計算機の3.Usage - 3.4.Python usageに記載してある値を用います。
=100[kW]
=5450[rpm]
=950[rpm]

このように変換したパワーカーブに、計算機が吐き出したp_availableを重ねてみます。(試験サイクルを書き換えてエンジンを高回転まで回してデータを採りました)

p_availableがpetrolにピタリと一致しました。先程のパワーカーブの変換が計算機内部と同じであるということです。

petrolと一致したのはデフォルトでpetrolが指定されているからで、ファイルmodel.pyの139行目「'p_norm': petrol」を「'p_norm': diesel」に書き換えればdieselを指定できます。

dieselを指定してp_availableを取得しグラフに重ねます。

p_availableはdieselと一致しました。


内部に“正規化した全負荷パワーカーブ”を持たせることによって計算機が必要とするすべての回転速度でエンジンパワーを計算可能としている※、ということが分かりました。

※厳密には線形補間も使っています。データは点でしか与えられていないので補間して連続した折れ線にします。フォルダ\wltp-0.0.9a4\wltp中のファイルexperiment.pyの538行目で線形補間の関数「np.interp」を使っています。

ということは“正規化した全負荷パワーカーブ”を書き換えればパワーカーブのカタチを自由に変えられますね。

試験サイクルを書き換えられたり、パワーカーブも書き換えられたり、コンピュータシミュレーションって楽しいですね。


おまけ1;
フォルダ\wltp-0.0.9a4\wltp\test\wltp_db内にファイルwot_samples.csvがあります。中には文字通りサンプルが入っています。wotはwide open throttle、つまりスロットル全開のことでしょう。

収録されているデータには名前が付けられています。exampleを除く4つはそれぞれEURO5、EURO6の規制でのサンプルっぽいですね。
・average Diesel, EU5
・average Euro 6 Diesel
・average Euro 6 Petrol
・average Petrol, EU5
・example 1
 …
・example 6

4つのデータをグラフ化します。


計算機のデフォルトデータはEURO5のグラフと同一です。デフォルトデータにはちゃんと根拠があるんですね。

おまけ2;
オレはトルクカーブも見たいんだ!というアナタへ。(セーフティ・マージンは掛けていません)

Posted at 2016/11/04 18:00:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | WLTP、WLTCモード | クルマ
2016年11月03日 イイね!

WLTP Gear-Shifts Calculator(0.0.9-alpha4)の中身を知ろう


WLTP Gear-Shifts Calculatorに関する第3回です。

追記--------------------
2017年04月04日に道路運送車両の保安基準の細目を定める告示の一部が改正され、WLTCモード法が記載されました。

報道発表資料、国土交通省
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000182.html

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2017.04.04】 別添42(軽・中量車排出ガスの測定方法)
http://www.mlit.go.jp/common/001184850.pdf
※WLTCモード法は58ページから記載されています

この告示の76ページから「手動変速機を備えた自動車におけるギヤ選択及びの変速位置の決定」について記載されている。

従って、正確な手順は告示を参照してください。
--------------------

※WLTP:Worldwide harmonised Light vehicles Test Procedureの頭文字。「乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法」と訳される。

WLTP Gear Shifts CalculatorとはMT車でWLTPの試験をする際の変速位置の計算機です。詳細は第1回第2回をご覧ください。

WLTP Gear-Shifts Calculatorがどのようにして変速位置を計算しているのかを知るためにインストールパッケージのフォルダ\wltp-0.0.9a4\docs\内にある「23.10.2013 ECE-TRANS-WP29-GRPE-2013-13 0930.docx」という資料を読んでいきたいと思います。変速に関係する箇所は69ページから始まるAnnex 2です。変速位置決定の基本方針と具体的な手順、運転のしやすさや実用性を確保するための追加要件が記載されています。尚、原文は英語なので私がテキトーに翻訳しています。誤訳や用語の誤用などありましたらご指摘ください。拙い翻訳ゆえ理解できない箇所があるかもしれません。そこは翻訳した私自身も理解できていないか私の言語能力不足とお察しください。

インストールパッケージのダウンロード;
トップページhttps://wltp.readthedocs.io/en/latest/内、PyPI repo:https://pypi.python.org/pypi/wltpをクリック、Packageリスト内wltp 0.0.9a4をクリック、ページの一番下、wltp-0.0.9a4.zipをクリックするとダウンロードできる。

※wltp gear-shifts calculatorのホームページに「5.Annex 2」として同様の資料が掲載されていますが内容が一部異なります。インストールパッケージに含まれる資料のほうが実際の計算に近い気がします。


本文に入る前に、WLTPのMT車の変速位置について注目すべき点は2つあると思います。
まず最も注目すべき点は、変速位置決定のプロセスが公開されていることでしょう。つまり誰でも試験時の変速について調べることができるということです。私のような素人でも、です(必要なデータを入手できるかどうかは別として)。
次に注目すべき点は、「パワーに余裕がある限り高いギアを使う」という姿勢だと思います(本文中「3.4.最有力なギアで仮決定する」を参照)。高いギアを使う、つまりエンジンの回転速度を落とすことでカタログ上の燃費は良くなりますし、排出するCO2やほかの汚染物質も少なくなるでしょう。

本文に入る前に、その2。
今回は数式がたくさん出てきます。codecogsというサービスを利用して、画像化した数式を貼り付けています。外部サービスのため数式が表示されるまで少し時間が掛かるかもしれません。私の環境ではPC(firefox、chrome)でもiPhone(chrome、safari)でも表示されましたが、もし表示されないという方はゴメンなさい。
数式はフォトギャラリーにUpしたものを貼り付けています。


目次
1.基本方針
2.計算に必要なデータ
3.計算により最有力なギアで仮決定
4.変速位置に関する追加要件


目次の3.をもう少し詳しく。

3.1.必要なパワーを計算する
3.2.各ギアでのエンジン回転速度を計算し、使用可能なギアを求める
3.3.使用可能な各ギアで使えるエンジンパワーを計算する
3.4.必要なパワーを上回るギアのうち、最も高いギアを最有力とし仮決定する

上記3.1.~3.4.で試験サイクル全体を通しての変速位置を仮決定します。そのあと4.の追加要件に従い変速位置を修正します。


本文に入ります。

Annex 2(付属文書2)
MT車の変速位置を決める



1.基本方針

1.1.本稿で述べる変速位置の決定手順は手動変速機またはセミオートマチックトランスミッションを持つ車両に適用する。

1.2.試験サイクルの任意の場面において、走行抵抗と加速力から計算される必要なパワーと、各ギアで使えるエンジンパワーに基づいて変速位置を決定する。

1.3.エンジン回転速度と全負荷パワーカーブに基づいて変速位置を決定するが、エンジン回転速度と全負荷パワーカーブはそれぞれ正規化したものを用いる。エンジン回転速度はアイドリング回転速度から最大出力発生回転速度までを正規化、全負荷パワーカーブは最大出力と正規化したエンジン回転速度で正規化する。

1.4.Annex 8によって試験を受ける車両は適用外とする。


2.必要なデータ

試験はシャシーダイナモを使って実施する。変速位置を決めるには下記のデータが必要である。
(a) :エンジンの最大出力。メーカー公称値。
(b) :エンジンが最大出力を発揮するエンジン回転速度。この回転速度に幅がある場合は中間値を採用する。
(c) :アイドリング回転速度。Annex 1で定義する。
(d) :前進用のギアの段数。
(e) :3速以上のギアの最低エンジン回転速度。次式で決定する。
 
 メーカーは上式よりも大きな数値を要望できる。
(f) :オーバーオールギアレシオ。iはギアを表す。エンジン回転速度[rpm]を速度[km/h]で割った値。
(g) :Test Mass、試験重量。単位はkg。
(h) , , :走行抵抗係数。Annex 4で規定する。単位は順にN、N/(km/h)、N/(km/h)2
(i) :正規化した全負荷パワーカーブ。で正規化する。
訳者注)wot:wide open throttle。スロットル全開の状態。


3.必要なパワー、各ギアのエンジン回転速度、使用可能なエンジンパワーから最有力な変速位置を計算する

3.1.必要なパワーを計算する

試験中の任意の時刻jにおいて、走行抵抗をはねのけて加速するために必要なパワーを次の式で計算する。

式中における変数、係数の説明;
:走行抵抗係数。単位はN
:走行抵抗のうち、速度に比例する成分を表す係数。単位はN/(km/h)
:走行抵抗のうち、速度の2乗に比例する成分を表す係数。単位はN/(km/h)2
:時刻jにおける必要なパワー。単位はkW
:時刻jにおける速度。単位はkm/h
:時刻jにおける加速度。単位はm/s2
:試験時の車両重量。単位はkg
:駆動系の慣性抵抗を考慮した因子。1.1とする。

3.2.エンジン回転速度を求める

車速が1km/h未満ではエンジン回転速度はアイドリング回転速度とする。ギアはニュートラルでクラッチをつないでおく。

車速が1km/h以上のとき、時刻をj、使用ギアをi、試験サイクルが指定する速度をとすると、エンジン回転速度は次式で求める。


を満たすときギアiは速度において使用可能である。

およびは下記で求める。

3速以上の場合


2速かつエンジン回転速度がアイドリング回転速度の90%以上の場合
は下記のいずれか大きいほうの値とする

もしエンジン回転速度が上記未満であれば、クラッチは切らなければならない。

1速の場合


3.3.使用可能なエンジンパワーを求める

試験サイクル中の任意の時刻jにおける速度に対し、使用可能な各ギアiで使えるエンジンパワーを次式で算出する。

なおは次式で正規化したエンジン回転速度である。

他、式中における変数、係数の説明;
:最大出力、kW
全負荷パワーカーブに対する割合。エンジン回転速度がのときの全負荷時のパワーの、正規化した全負荷パワーカーブに対する割合である。
最大出力に対する割合。エンジン回転速度のときの使えるパワーの最大出力に対する割合。
:セーフティ・マージン。安定した状態での全負荷パワーカーブと過渡的な状態での全負荷パワーカーブとの差を考慮したマージン。0.9とする。
:アイドリング回転速度、rpm
:エンジンが最大出力を発揮するエンジン回転速度、rpm

3.4.最有力なギアで仮決定する

最有力なギアを以下で仮決定する。
(a)
(b)
試験サイクル中の任意の時刻jにおける最有力なギアは上記を満たすギアのうち最も高いギアで仮決定する。ただし、停車からの発進は1速を使用しなければならない。

4.変速位置に関する追加要件

仮決定した変速位置は以下に示す要件と照合し修正しなければならない。頻繁な変速を回避するとともに、運転のしやすさと実走行における変速に沿うものであることを確保するためである。

これらの修正により変速位置が更新される。更新したために要件を満たさなくなる可能性があるため、照合・修正は2度行なわなければならない。

(a) 停車状態からの発進では1秒前にクラッチを切った状態で1速に入れなければならない。1km/h未満を停車状態とする。
(b) 加速中は飛ばしシフトをしてはならない。また加速中、減速中はギアを少なくとも3秒間は連続して使用しなければならない。
例;112233333という仮変速位置は111222333と修正する
(c) 減速中は飛ばしシフトをしてもよい。減速の最後、停車する際はクラッチを切るかニュートラルに変速してクラッチをつないでもどちらでもよい。
(d) 加速から減速に転じる際に変速してはならない。
例;時刻jに続く速度がと加速から減速する場面において、時刻jおよびj+1の仮変速位置が共にギアiである場合、時刻j+2での仮変速位置がi +1であったとしてもギアiを保持しなければならない。
(e) 変速から5秒以内に元のギアに戻る場合には、その変速は行わない。
例;23332 は 22222、4333334 は 4444444 とする。
ただし、使用可能なギアでなければならない。
(f) 次の2つの条件を満たす場合、1秒だけの一段低いギアへの変速は、変速しない。
 (1) エンジン回転速度がを下回らないこと。
 (2) 1秒だけの一段低いギアへの変速が、試験サイクルのLow、Medium、Highにおいては4回以上、Extra-Highにおいては3回以上起きないこと。
条件(2)について。低いギアへの変速をなくすことにより、引き出せるエンジンパワーが必要なパワーを下回る可能性があるため、必須である。
(g) 高い速度域での加速で、低いギアを少なくとも2秒以上必要とする場合、低いギアの直前のギアは低いギアに修正しなければならない。
例;時刻jからj+6にかけて速度がと単純増加する場面において仮変速位置が2333223である場合、2222223と修正する。
Posted at 2016/11/04 23:24:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | WLTP、WLTCモード | クルマ

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