電動パーキングブレーキをPレンジに連動して自動的に作動させる(自動的にかける)システムを開発しました。
https://minkara.carview.co.jp/userid/2430943/car/3124602/6901889/note.aspx
*電動パーキングブレーキの自動解除は、純正で「正しい手順で発進すれば自動解除する機能」が搭載されています。
DやRへシフトチェンジすればシートベルトをしていなくてもパーキングを解除するシステムも製作可能ですが、免許返納どころか倫理的に論外ですので行っていません。
今回は前回投稿で記載していた電動パーキングブレーキを作動させるためのトリガー3案の内、1次試作で用いた方法以外の2案を試しました。
・確実だが予期せぬ事態に車両ECUに干渉する可能性があるPレンジ信号の利用
結果
シフト関連の信号を軽く解析しトリガーとして使える事を確認(今回の解析で使用した部位のP信号は約10.8V→0V)。
マイコンでのソフト制御では確実でシンプルに出来る。
問題点
安全性を担保するための回路を含めると、今回制作している一般流通している製品を利用した制御方式ではシステムが複雑・大型化する。
信号取得部のコネクターが一般的な形状ではなく、知識のない人でも施工できる「かんたん取り付け」を目標とした頒布が困難。
*まだ完全な解析が出来ていないためP信号をそのまま使うのは危険です。「フォトカプラ」等でECUとは電気的なつながりが無いようにしても、抵抗分圧回路であった場合など影響を及ぼす可能性があります。開発される方はご注意下さい
・ECUに影響を与えないローテクゆえにスタンドアロンな方法(部材が廃盤で入手困難)
*廃盤の部材が入手出来ました。
結果
スタンドアロンな方法ゆえに例外なく100%動作可能なとてもシンプルで明快なシステムになりました。
問題点
アナログな初期調整を正しく確実に行う必要があるため、知識・繊細さのない人への頒布が困難。
新たに発生した問題
先日簡素化したAVH自動制御システム(二次試作)と干渉する事がわかりました。
具体的には「電動パーキングブレーキを自動化した事でAVHの解除が不安定になる」
不具合内容
走行後にD(R)レンジからPレンジへシフトチェンジした際、AVH表示灯が点灯した状態とAVH表示灯が消灯した状態がランダムで発生する。
このままエンジンを切らずに再発進時するとAVH自動制御システムが作動し、本来ならAVH表示灯が点灯するタイミングでAVH表示灯が消え、自動制御が逆転する場合がある。
テスト走行で推察した原因
シフトレバー操作のわずかな速度差で車両ECUにAVHスイッチと電動パーキングブレーキスイッチの信号が同時入力された状態となり、AVHの信号がキャンセルされた(AVH表示灯が消えない)
*どれだけ高速でシフトチェンジしても、RからPへの移動時間差はあります。
ECUがその差を認識出来ないのは、AVH自動制御システムでの処理時間=RからPへの移動時間差となってしまったからだと推察されます。
停車時にDレンジからPレンジへ戻す際に一瞬R(リバース)を通過します。
一瞬ですがR信号がパルスで発信されます。
AVH自動制御システムの一次試作ではこのパルス信号をスルーする仕様でした。
このパルス信号をスルーしなかった場合、AVH機能が解除(AVH作動灯・AVH表示灯共に消灯)されると共にAVH自動制御システムが待機状態になります。
このままエンジンを切らずに再発進時する場合、PからDへのシフトチェンジでRのパルス信号が発生しますが、AVH自動制御システムが作動する速度条件を満たしていないため、AVHは作動せず(AVH表示灯は点かない)実質的に問題はなく、二次試作ではリバースのパルス信号をスルー機能を省きました。
解決方法
二次試作で省略した「パルス信号をスルーする機能」を二次試作へ再搭載しました。
*電動パーキングブレーキ自動化システムとAVH自動制御システムの両方を搭載する場合のみ必要な対処です。
AVH自動制御システム(当方製作)
エンジン始動時に1回作動するごく簡単な自動化ではなく、自動でON・不要な時に自動でOFF・不要な状態でなくなると自動でONとなる完全自動制御です
https://minkara.carview.co.jp/userid/2430943/car/3124602/6730067/note.aspx
当方車両では「ローテクでスタンドアロンな方法」をトリガーとしたしたシステムで電動パーキングブレーキ自動化システムは完成としました。
*土日2日間かけ様々な条件での作動テストを繰り返し不具合なく作動することを確認しました(テストし過ぎて平均燃費が4.8kmになりました)
*物理的+電気的の2種2通りの方法で安全対策しています。
「びっくりするくらいシンプルなシステム」も目標にしているためマイコンでのソフト制御化も検討していますが、知識のない人でも取り付けできる事が大前提です。
入手出来ないコネクター形状など問題点の解決には至らない内に自分の車では安定動作し完成とした(+仕事も忙しくなる)ため頒布版の開発ペース(意欲)は落ちると思います(知識がないのに無謀な人の間違った取り付けで事故になるのも怖いし、頒布版の開発はしない可能性大)。
フォレスターの電装改造計画で残すのは「ドライバーモニタリングシステムの後付け(不可能な場合は 居眠り監視・個人別シート後退・前進システムの導入)」のみとなったため、(予算次第ですが)そちらに気が向いています
当方車両で採用している「笑っちゃうほどローテクなトリガー」は写真さえ撮影できれば投稿する予定です(撮り忘れました・内装を剥がすことがあれば撮影・投稿します)
安全性の観点・正しく仕組みを理解できていないと不具合が出た時に修復できず自走できなくなる(4輪を浮かせて牽引)ことから電動パーキングブレーキの制御についてはここに記載することは控えますが、解析できればとても簡単に制御できます。
*走行中などに意図せず作動しない複数の安全性の担保が必須です。
1次試作の投稿を含め、わかる人にはわかるヒントを書いています。
ある程度電装が出来る人ならご自身で開発可能だと思います。