【もう少し検証】吸気温度とエアインテークの効果
1
エンジンルーム内の気温が『マジ半端ねぇッス!』だった事実を知ってしまった以上、やはり測るしかありません。
という事で、吸気温度を測ってみる事にしました。
普通なら、吸気温度といえばインマニ内の温度を測るところですが、そういう機材は持っていませんし、実のところ、自作のエアインテークの効果も見てみたかったので、コンプレッサーやインタークーラーの影響を受ける前の状態を見るべく、エアクリーナーボックス内の気温を測る事にします。
早速秋葉原に出向いて、またしても温度計を購入。
迫力の3連メーターが荒ぶるレーシングスピリッツを刺激します(笑)
ちなみに、左から 【外気】・【エンジンルーム】・【エアクリBOX外気側】になってます。
2
メーターの買い出しで往復2時間ほど走ったので、エンジンもたっぷり暖まりました。
早速テスト開始です。
まずは、現在のウチのアイの標準状態である『植木鉢』仕様をテストします。
今日の都内はクルマが多く、天気も良かった為、道路上の気温は少し高めでした。
クルマの流れが悪かった事もあり、信号待ちなどで停車するとあっという間にエンジンルームが灼熱化しますが、エアクリボックスのほうは、せいぜい[外気温+15℃]程度までに収まっています。
千葉に戻るとクルマも減り始め、いつものテストコースでもある湾岸道路はスムーズに流れていました。
60km~70km程度で巡航し、ときどき信号で停車する、というパターンで走行しましたが、
エンジンルーム [外気温+15~20℃前後]
エアクリBOX [外気温+9℃~15℃前後]
で安定していました。
エンジンがかかっている間は、渋滞中でも吸気温が+15℃を超える事はほとんど無いのですが、一度エンジンを止めてしまうと、エンジンルーム内の気温上昇と共にエアクリBOX自体が熱せられてしまう為、ほんの1~2分ほどで、エンジンルーム内と同じ温度まで上昇してしまいます。
3
次は、気に入らなくて引退させていた先代の自作エアインテーク『便座カバー2号』をテストします。
基本的には『植木鉢』と同じような傾向ですが、高速巡航時の吸気温は概ね[外気温+7℃~13℃]前後になり、植木鉢仕様よりもやや低下しています。
速度を上げるほどエンジンも元気になり、少しですが、高速域での加速力が向上している事も体感できました。
やはり、無駄に大きな吸気口面積は伊達ではないという事でしょうか?。
4
さて、ようやくノーマル状態テストです。
エアインテークのマウンタを外すのが手間なので、マウントボルトが突き出たままですが、性能的な影響は無いはずなので、このまま進めてしまいます。
温度変化の傾向は同じですが、さすがに純正仕様だけあって、どんな状況でも安定しています。
完全に陽も落ちてしまったので、植木鉢の時よりも優秀な数値が出ていますが、外気温の違いを考慮したとしても、やはり安定して優秀な数値だと思います。
ただ・・・・・
確かに温度的な数値は優秀なのですが、『植木鉢』や『便座シート』を装着していた時に比べて、中高速域での加速力が明らかに劣っているようで、走行中に後ろのクルマから煽られて加速しようとした際に、思ったほどスピードが乗ってくれないので、思わず『うわ、、、調子悪ぃ!』とか口走ってしまいました。
ホントはこの状態が標準の筈なのですが、エアクリーナーも改造してしまいましたし、セッティングがズレているのかもしれません・・・・
5
ノーマル状態での「パワーは落ちているのに温度的には優秀」という結果が良く理解できなかったので、ちょっと変わった実験もしてみる事にしました。
一見すると元の植木鉢仕様なのですが、実は・・・・・
はい。前後を逆に装着してみました。
エアインテークならぬ『エアアウトレット』仕様です。
ここまでやればさすがに劇的な変化が現れるだろうと期待していたのですが、結果的には、『ノーマル状態』の時と殆ど何も変わりませんでした。
市街地走行~中高速での巡航に至るまで、ノーマル状態と同様に、温度的には優秀といっても良い結果でしたし、中高速域での加速性能も、ノーマル状態より”少しだけ”悪い程度でした。
『インテークの有無などお構いなしにガンガン吸気している』のか、それとも『そもそも吸気管下部の水抜き穴からの吸気が多く、高速走行中は吸気口は役に立っていない』のか・・・・・
個人的には、あの位置にある吸気口が高速走行時に役に立つようには見えなかった為、ある程度の速度を超えるとむしろ『排気口』として機能してしまうのではないかと思っていたのですが、そうすると、『エアアウトレット』仕様での温度面での優秀さが説明できませんし・・・・
謎は深まるばかりです。
ところで、こんな気温にもかかわらず、アイドリング中にエンジンルーム内温度が84℃を超えてしまいました。
なんと外気温+64℃です。
これはもう、真夏なら確実に100℃を超えますね・・・・
6
なんだかんだと150km近くも走行したテストでしたが、エアインテークの効果につては実感できたものの、吸気温度については謎だらけの結果となってしまいました。
ただ、丸1日走り回ったおかげで、ある程度のヒントのような物は見えてきたような気がします。
もっとも実感したのが、エアクリーナーBOXも含めた吸気管全体が、想像以上にエンジンの熱による影響を受けていた事です。
アイドリングさえしていれば[外気温+15℃]程度に収まっている吸気温度が、エンジン停止から僅か1分少々でエンジンルーム内と同じ温度[外気温+50℃以上]にまで上昇してしまうという事は、つまり、エンジン稼働中は常に吸気によって吸気管を冷却しているという事になります。
その結果が、『停止中は[外気温+15℃]、走行中は[外気温+10℃]』という吸気温度に現れているのだとすれば、吸気経路を効果的に断熱する事が出来れば、劇的に吸気温を低下させられる可能性もあるという事になります。
まあ、あの狭い空間に入り組んだ吸気経路を効果的に断熱するのは至難の業でしょうし、どのみちタービン(コンプレッサー)やインタークーラーを経由する行程の方がはるかに大きな温度変化を経るわけで、エアクリーナー到達までの吸気温度を多少下げてみたところで、パワーや燃費に現れる影響などたいしたものでは無いとは思います。
(タービンやインタークーラーの無い自然吸気仕様であれば、吸気温度低下による影響は大きいのかもしれませんが・・・)。
素人が色々と屁理屈ばかり並べてみましたが、あれこれ考えながらデータとにらめこするのは、なかなかに面白い経験でした。
いつの間にか温度計が3個も揃ってしまったので、そのうちにまたどこかの温度でも測ってみようと思います。
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