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このクルマでは始めてのパンクです。左の前輪です。パンクは私のように距離を走る者にとっては避けては通れないもので、もうパンクには慣れていて急きも慌てもしなくなりました。というのは、私はバイク乗りだからだと思います。最近の大型バイクはチューブレスタイヤが標準で装着されています。クルマのようにスペアタイヤを携行できないバイクにとって、その場でパンクを修理することは必須のスキルだとも言えます。タイヤサイドが裂けてしまうようなパンクはどうしようもありませんが、単に異物が貫通しただけのパンクの修理はDIYで簡単に直せます。
アルファロメオに標準で装備されているパンク修理剤を使用すると後がとても面倒です。余程の緊急時以外は使用しないことをお奨めします。この手のものを過去にはかなり実験的に使用してみたのですが、結論としては不具合のほうがはるかに多かったです。この液体はエチレングリコールをベースとした水に繊維と樹脂糊が混合(浮遊)されたもので、確かにある程度の穴のパンクは直せます。しかし、一度入れてしまうと恒久修理としてのチップ等を打つことが出来なくなります。タイヤの内側が水系液体でベタベタになり接着剤は使えなくなりますし、重量的にも一輪だけ重くなりバランスが狂います。またバルブからエアを抜くときにこの液体がこびり付くとプランジャーの機密性が下がりスローパンクの原因になったりします。タイヤ交換の際は、ホイルの内側やフランジを洗浄もしくは丁寧に拭取らなくてはなりません。バルブ交換もマスト事項となります。ほとんど、最悪です.....
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自宅ガレージでオイル交換をしている時に何気なくタイヤを覗いてみると釘の頭のようなものを発見しました。短い鉄片だったらいいな、と淡い期待を抱きながらラジペンでソロソロと引っ張ってみると見事に長いのが垂直に刺さっていました。細手の釘で、何時刺さったのかも分からず、今日まで空気が抜けたことを感じることもありませんでした。しかし、見つけた限りは抜きます!
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これは私がクルマに常備積載しているパンク修理キットです。バイクにも同じセットを積んでいます。一般的にチューブレスタイヤの、パンク修理には砲弾型のゴムチップを打ち込むタイプと、ゴム紐を打ち込むタイプとありますが、これは後者のタイプです。ゴムチップは打ち込むのに結構苦労しますが、ゴム紐は打ち込みが楽ですし、パンク穴の大きさによって打ち込む本数を増やすこともできるので応用範囲が広いです。私はマルニ工業のパワーバルカシールという製品を愛用しています。これは写真のバルカーンというゴム糊(緑の缶)と組み合わせて使用すると、走行熱で自然加硫するという特長をもっており、確実な修理ができます。こちらのタイプを使用して以降は失敗したことは一度もありません。
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パンク穴です。小さいです。楽勝モードです。当然ですが、この写真の状態ではどんどん空気が抜けますので撮影用に少しだけ釘を抜きました。
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まず棒状のヤスリで穴を広げます。パンクの穴の内断面を均す作業ですが、ゴム糊をヤスリにしっかりつけて塗り込むようにしてゴム紐の道をつけます。今回はストレートな穴でしたので、一度通しただけで良しとしました。
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専用の打ち込み用の針にゴム紐を通し、ゴム糊をたっぷりつけます。ゴム糊は加硫剤でもあり、かつ重要な潤滑剤でもあります。
針の先は割れていて、ゴム紐を打ち込んだ後には針だけが抜けるようになっています。
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力一杯、ゴム紐付きの針を打ち込み、針を引き抜くとゴム紐だけが穴を塞いだ状態で残ります。このゴム紐はナイロン繊維の芯がありますので、どれほど強く押し込んでも切れることはありません。周りはゴム糊だらけでベタベタになりますが、これは走ればすぐに消滅しますので気にすることはないです。
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飛び出している余分の紐の部分をハサミで切って完了です。この後の作業として、空気を指定内圧まで入れることはいうまでもありません。お臍のように飛び出しているゴム紐は走れば自然にタイヤとツライチになり、いかなる高速走行でも抜け落ちることはありません。またタイヤの寿命が尽きるまでその機能は維持します。
今回はトレッドのブロック中央部のパンクで、これは最も直しやすい類のパンクです。よって、タイヤを外すこともなく、またエアも半分ほど抜けただけで迅速に修理が完了しました。時間にして10分ほどだったと思います。意匠下に大きなものが刺さったり、また雨の日にパンクしたりすると多少の難儀は伴いますが、同様のやり口で丁寧に行えば、まずもって修理は可能です。
昨今私はマンション内の住民から、パンク修理を依頼されるほどこの技能に信頼を得ております(笑)。でも実はこのように簡単な作業なのです。みなさんも是非DIYにトライされてください。
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