フロント用スピーカー測定・調整
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
![](/images/icon_difficult_on.svg) ![](/images/icon_difficult_on.svg) 中級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
フロント用のスピーカーは、インプレッサで上手く調整出来なかった"HELIX E52C"です。
インプレッサではデフォルトのまま付けたのが失敗でした。あれに懲りて周波数特性を測定、自宅でシュミレーションして取り付けることにしました。付けても音のバランスが良くなかったらまた他の物に変更となりますからね。
あらかじめ自宅で特性を測りある程度調整してから取り付けます。
これは自宅のテスト用ボード(サブウーハー用のボックス)に取り付けて特性を測ります。
ツイーターを上に乗せています。
マイクはある程度フラットのRODE NT2 とプレソナスのマイクアンプ・オーディオインターフェイスとノートPCです。ノートPCはProtoolsを入れてあり、LIVEの簡易的なレコーディングで使用しているものです。16chまでやったことあります。
2
CDにスイープの音源を入れてそれを再生させてマイクで録るものです。
サンプリングとしては16bit/48kHzで約40Hz~22KHzまで測定しています。
これはミッドバスの特性ですが4.5kHzのディップと6kHzのピークが気になります。
インプレッサでネットワークも付属の物で取り付けた時、高音が耳に痛いのでツイーターのATTを大きくしても改善されなかったのはこれが原因でした。つまりミッドバスで6kHzのピークがあるのでいくらツイーターの音量を下げてもミッドバスの6kHzピークの高音が下がらなかったわけです。
3
次はツイーターの約1kHz位からの特性です。これはオシレーターから1kHz~22kHzまでスイープしました。
特性としては1.8kHzから使用出来そうですが、普通の価格帯のツイーターですから最低共振周波数は低くないと思います。
例えばモレルのハイエンドやFocalのTNBやTN47より上のクラスは最低共振周波数が1.5kHz以下とか低く、最低でも2.5kHz位から使うことが出来ます。
ヘリックスはこの特性から3.5kHzが最低でしょうね。
特性としてはフラットで素直で良いと思います。
4
では、付属のネットワークを接続して特性を測りましょう。
5kHzに大きなディップ(谷)が出来ています。現在の条件的にこのようになってしまったと思います。取り付ける環境等でかなり変わりますからね。
このままでは、よく言われる「聞こえなかった音が聞こえるようになった」じゃなく、「聞こえていた音が聞こえなくなった」といえると思います。
逆相接続ではもっと酷くなりました。
5
ネットワークを調査します。
まずはバスだけ測定します。
ミッドは4kHzでローパスの設定でしょうね。
ATTはただセメント抵抗をシリーズに繋ぐというやり方です。この価格帯ではインピーダンス合わせはやっていないようです。
6
ツイーターは特性からはハイパスは5.5kHzですね。バスとツイーターが重なる音域はゲインが上昇するのですが、クロスが離れていてどうも繋がりが悪いようです。
一週間ほど試行錯誤して、ツイーターの特性からハイパスの周波数ポイントをもっと低くして、相互作用によるミッドのピークを、インピーダンス補正回路を追加して抑えることで良くなりました。たまたま良い設定が見つかったのかも。
ツイーターのコンデンサーを追加して最低2kHzからゲインを上げていき繋がり部分のピーク・ディップを最小限にしました。ATTは2Ωに4.7Ωを追加してツイーターのゲイン上昇を抑えました。
7
こんな感じで、新たにネットワークを設計するのではなく現在の物を利用しながら試行錯誤で補正するというやり方です。特性はパーツ追加のたびに何度も測定しています。
コンデンサーや抵抗などもっと多かったのですが、特性を測りながらパーツを最小限に抑えた結果がこれです。
8
特性も何とかピーク・ディップを押さえてこの程度にしました。
後は曲を聴きながらサイバーナビの13バンドGEQで微調整できます。
これらの作業を車輛で取り付けて色々やるには非効率です。ハンディFFTアナライザーなんて簡易的ですからね。現在はDSPでの調整が主流なんでしょうね。
とはいえ、これがそのまま車輛に反映するとは限らないわけですよ。ホームオーディオよりも困難なものがカーオーディオの世界ですよね。
妥協が全てです。自分が気に入ったらそれでよいのです。
でも関係者に聞いてもらうにはある程度のレベルは必要だと思います。高価なものではなく、ある程度のレベルのスピーカーでバランスよく、リンクで聞く音(競技会等)とかけ離れないようにと思っています。
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