■テックワールド 馬力チェック&ECU現車合わせセッティング(パワーFC)■
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
ショップ作業 |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
12時間以上 |
1
■ECU現車合わせセッティングとは?
ECU現車合せセッティングとは、コンピューターのセッティングデータをその一台専用に作る作業のことで、一般的には最も車のスペックを出せるコンピューターの仕上げ方となります。
この年代のエンジンは個体差も大きいですし、車ごとにエンジンのヘタリ具合も違えば、吸排気のレイアウトなんかも当然違います。
自分の車専用のデータを作ることでそのエンジンパワーを最大限引き出せるのが現車合わせセッティングのメリットです!
ですがこういったECUのセッティングは、変化が目に見えるタイプのものではないので色々な懸念があったりします。
たとえば現車合わせをショップに頼んだのに、たいしてセッティングを変えないまま車が帰ってきたとか。
なんだったら調子が悪くなって帰って来たと言う話なんかも耳にしたりしますよね。
または、知識なくオーナーがセッティングしてエンジンを壊してしまったとか、トラブルを起こしてしまった話なども聞きます。
・・・かといって何もセッティングせずに乗っていたことで、車に合っていないデータゆえにトラブルがおきることもあります。
こういったトラブルを避けるため、データは信頼できるショップさんに作ってもらいたいものでもあります。
今回、現車合せセッティングを岡山のテックワールドさんにお願いしてきました。
セッティングしていただくのはMR-Sに採用が多いフルコンECUである「パワーFC」。
より乗りやすく、楽しめるフィーリングを求めてこのショップさんを選ばせていただきました。
MR-Sに乗っている純正1ZZエンジンはスポーツ走行をするものの中では比較的マイナーなエンジンです。
なのでその特性を理解し、精通しているショップさんは限られてきます。
テックワールドさんは岡国や中山、阿讃を始めとしたいくつものサーキットの1ZZエンジンMR-Sの車種別レコードを記録しているショップさんで、1ZZエンジンとMR-S共に理解があるショップさんです。
これはとても貴重なことで、このショップさんを選んだ大きな理由の一つですね!
私は今までチューニングショップのお世話になったことがなく、全て自分で調整してスポーツ走行を楽しんできました。
(パーツを購入することはあるんですが)
そのためECUも自分でセッティングを煮詰めていこうとも考えたのですが餅は餅屋。
せっかくなのでテックワールドさんの方にお願いすることにしました!!
私にとって初めてのチューニングショップですね。
2
■ショップへ持ち込み
まずは現状のパワーチェック。
ローラー式ではなく、ハブを直接装置に取り付けるダイナパックでの測定です。
ローラー式のように馬力損失の計算を得意とはしていませんが、気温変化などの補正に強く、ローラーのように滑ったりすることがないので再現性も高く、セッティングの変化を見るには向いています。
持ち込み時点でのECUセッティングがあっている車もあれば、あってない車もあるので、それを確認したかったのと。
参考程度とは言え、セッティング前後での特性の変化を見たかったのでパワーチェックもお願いしました。
駆動方式ごとのロスが計算できませんし、ダイナパックごとに個体差があり、測定馬力が高く出るものや、低く出るものがあるのであくまで参考値ですが、持ち込み時の私の車の馬力は損失馬力無補正で127馬力でした。
ショップオーナーいわく、このダイナパック個体で1ZZのMR-Sの馬力を測った場合、持ち込み時100~115馬力くらいのものが多いようで、中には100馬力を下回るものもあるそうです。
なので持ち込み時点で127馬力は過去最高レベルの数字とのことでした。
自分でも少々ECUを触っていたので、現状でもそこまでセッティング外してないだろうなとは思っていたのですが、想像より良かったようです。
ショップオーナーさんも「試乗した瞬間にこれはある程度出ている個体だとすぐに思った」と言っておられました。
これを現車合せセッティングしていき、よりよい状態にしてもらいます!
セッティングしていただくために一度車をあずけて帰宅。
私の住む神戸からテックワールドさんのある岡山までは、少々距離がありましたが、お店を見せてもらうのも含めて3度ほど往復しました。
3
■セッティング後
セッティング後にはいろいろと変化がありました!
ちなみにセッティング後でも馬力は127馬力と、最大馬力は持ち込み時と変わっていません。
(変わらないということは持ち込み時が相当良かったということなので、かなり珍しいようです。通常は10~15馬力ほど変化し、無補正120馬力くらいになる個体が多いようです。)
最大馬力だけを出そうと思えばもう少し出せたとのことですが、そういったものに意味はないので、踏みたしたときの応答性を始めとしたレスポンスなどを重視してくれたようです。
数字だけ大きく見せても速くはないですし、なにより気持ちよくもないですからね。
各回転でのエンジンレスポンスが明らかに良くなったので、これだけでもかなり扱いやすいエンジン特性になりました!
また持ち込み時は中間トルクの盛り上がりが3000回転側によっていたので、それを4500回転側によせていただきました。
レブリミットのセッティングにもよりますが、MR-Sの場合シフトチェンジ後の回転が3500~5000回転くらいなので、スポーツ走行時にはこちらのほうがより繋がりがよく実戦向きです!
これにより同じ馬力でも、より前に進む感覚があります!
そして高回転付近も変化しており、ピーク馬力発生位置をより広く、より高回転側で出るように調整いただきました。
これにより同じ127馬力でも、それに近い馬力が出ている時間がわずかに長く広くなっており、高回転でのトルク落ちも緩やかになっています。
引っ張って高回転まで回したときにエンジンの苦しさが減りました。
またレブリミットも7500回転まで引き上げられています!
総じて悪くなった部分が一つもないので、とても私好みで気に入っています!
なんだったらエンジン始動時の音すら静かになって言うことなし!
まさに弱点を補ってくれたセッティングという感じです!!
(最大馬力だけは変化ありませんが、画像で言う黄色の面積分だけ数字上でもパワフルになっています)
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■私のエンジンの印象
MR-Sは排気、特にエキマニやマフラーで結構エンジン特性が変わってしまうようです。
等長エキマニ、と不等長エキマニで違いがあるのはもちろん、似た形状であるTRDエキマニと、TRDのコピーエキマニでもけっこう違う特性を示すようで同じレイアウトのものはなかなか存在しません。
もちろんエンジンごとに個体差もあるので、私のエンジンの印象を聞いてみました。
印象としては「どちらかと言うと中低速トルクに優れる、優等生タイプのエンジン」って感じだったようで、最大馬力も良かったし、低中回転も良かったとよく褒めていただきました。
これは私のエンジンがまだ4万キロ程度しか乗っていないこと(うち2万キロまではスポーツ走行もほぼしていません)と、ファイナルエディションのエンジンと言うのも影響しているかもしれません。
(型式が同じ1ZZエンジンでも年次改良が行われていて中身が結構違い、生産後半まで細かく変化しています。)
ちなみにお預けする際にもいろいろ質問されました。
吸排気レイアウトはどうなっているのか?
現在のECUセッティングはどうなっているか?
プラグや熱価はなにか?
オイルは何か?
現在のエンジンのハード特性を引き出すだけなので、コンピューターのソフト調整だけで大きくは変えられないとはおっしゃっていたものの、参考しつつ性能を引き出していくようです。
また、その過程で足を引っ張っていそうな箇所があればお客さんと相談して交換したりするそうです。
私の場合は特に足を引っ張るようなレベルのパーツはなかったようなのでこのままセッティングスタート。
吸排気を交換している車両の場合、効率が上がっているので燃調が薄い場合が多いのですが、うちの車の場合どちらかと言うと濃いくらいだったようですね。
ちなみに吸排気レイアウトは以下
・吸気
TRDインレットダクト→純正エアクリボックスにTRDエアクリーナー→純正インテークパイプ→テクノプロスピリッツビッグスロットル
・エンジン
本体はフルノーマル、プラグは熱価+1したNGKプレミアムRX(熱価6)、オイルはスピードマスターのプロレーシング5W-30、燃料はハイオク仕様でパワーFC制御
・排気
TRDエキマニ→SAEDメタルキャタライザー→amuse R1チタンエクストラマフラー
私の場合ジムカーナやミニサーキットが中心なので特に中間トルクが重要になる環境でした。
経が細めかつ不等長のエキマニを使っていたり、むき出しエアクリではなく長めのレイアウトを持つTRDインレットダクトを採用していたのは中間トルク重視のイメージでもあったので、そのイメージ通りのエンジンになっていたのは嬉しいポイントでしたね!
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■テックワールド(Tech world)
テックワールドさんのセッティング傾向として、数字上の最大馬力を追いかけるよりは、総合力を求めている感じです。
踏みたしたときのレスポンスや、中間トルク、トルクのつながりと言った乗りやすくタイムにつながる部分を重要視しているようです。
その結果は各サーキットのタイムとしても現れていますし、1ZZエンジン+MR-Sを理解している貴重なショップさんです!
ショップのレース活動でスケジュールが取れず(私が気軽に行ける距離にいたわけでは無いのが原因ですが)実はセッティングをお願いしてから半年以上入庫ができませんでした 笑
ですが、自分でセッティングするよりエンジンを壊しにくいですし、エンジン特性を理解したセッティングに仕上がったのではないかと思います。
待ったかいがありました。
パワーFCの場合の費用感は5~6万円スタートといった感じで現車セッティングとしては比較的リーズナブルなのもポイント。
空燃比用のボス溶接をすでに終えているか、パワーチェックが必要かなどで最終価格は変わります。
私の場合はボス溶接から丸投げでお願いしました。
現車セッティングは目に見えないものなので、実感がわきにくく感じる人もいますし、ハードルが高く感じる人もいらっしゃると思います。
これから先もいろいろ吸排気を交換しようと思っている方にも向かないチューニングです。
ですが、すでに吸排気レイアウトをある程度固めてしまっている方、エンジンスワップの予定が無い方には最高のECUセッティングです。
純正1ZZエンジンで頑張ってみよう!って方どれだけいるのかはわかりませんが、1ZZエンジンのセッティングに悩まれているかたはこちらのショップに一度相談してみてはいかがでしょうか。
私にとって初めてのチューニングショップ持ち込みとなりましたが、とても良い印象のショップさんでした。
持ち込みしたことで電装トラブルにも気づけましたし、細かなところも見てくれていたのも嬉しかったです。
「テックワールド 1ZZ現車合わせセッティング」おすすめです。
■連絡先の記載なども許可取りましたのでのせておきます!
ショップ名:テックワールド
住所:岡山県岡山市中区倉益378-16
TEL:086-238-7600
営業時間:10:00~20:00
休み: 水曜日、イベント日
HP:
https://tech-world.co.jp/index.html
お問い合わせ:
https://tech-world.co.jp/contact.html
Email:info@tech-world.co.jp
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