KTC / 京都機械工具 9.5sq. ラチェットハンドル(ユニオン機構なしタイプ) BR3A
さて、昨日はいよいよKTCのど定番スタンダード3/8“ラチェット 「BR3E」を紹介しました。
KTC 「21世紀バージョンツール」の第一弾として2002年に鳴物入りでデビューした「BR3E」も今やKTCの顔となり、
最早KTCイズムの「正統伝承者」と言えるラチェットハンドルになったのではないでしょうか?(意味不)
しかしKTCもそこは北斗のなんとかと同じく一子相伝の拳・・・(意味不)
本日紹介する「BR3A」は、
正統伝承者「BR3E」と同じKTC宗家の血が流れていながら、
その正統伝承者としての道を断たれ・・・(以下略)
まあそんな感じです。
(だいたい言いたいことわかっていただけたと思いますがいかがでしょう?w)
KTCさん、自信作の「ユニオン機構」推しのあまり、
ユニオン機構なしモデルのBR3Aは売る気も無しなのか、
超大型ホームセンタージョイフルホンダくらいでしか店頭で見たことありません。w
(ユニオン機構=プッシュリリース、プッシュキャンセル、クイックリリース)
BR3Eが発売されてしばらくしてから、
「ユニオン機構のお陰でヘッドを指で押さえられねえじゃねえか!」
と、いうベテラン勢からの罵声に答えて追加されたモデルなのですが、
そのコンセプトが理解されず、
ほぼ誰にも取り上げられず、
みんカラのパーツレビューなどにもBR3Aの項目(投稿履歴)すら無いというマイナーな存在。
まるで北斗宗家の血を引きながら、北斗神拳正統伝承者としての道を絶たれた北斗琉拳の使い手カイオウ云々・・・(以下略)
私もこのBR3Aが出たときは絶賛したんですけどね。
ユニオン機構無しの、
このBR3Aの方こそが正統伝承者になるべきだって、KTCの中の人にも主張したと思いますが、
結局、20年経ってもその位置付けは変わらないままでした。
これ、最大の特徴は、
ユニオン機構のボタンがあった場所にギザギザのローレット加工(ナーリング加工)が施されてて、
親指でギヤの供回りを押さえやすいようになってるんですよ。
これ、念の為もう少し説明しておきます。
ラチェットをカリカリと逆転させる時の重さは、
よく「空転トルク」って表現されますけど、
その空転トルクが重いと、
ある程度ボルトが弛んでねじの抵抗がなくなってきた時にラチェットが効かず、ハンドル振ってもボルトやナットがハンドルと一緒に回っちゃって、
行ったり来たりするだけになっちゃいますよね。
その空転トルクがとても軽いと、
ねじを回す抵抗が軽くなってもラチェットが効いてチーコチーコ回せたりするのですが、
まあだいたい弛んだらラチェットハンドルは使わず指で回すのに移行しますよね。
でも、指では地味に回らないねじの固さ・・・
だけどラチェットだとカリカリ言わずハンドルごと一緒に供回りしちゃう。。
そういう微妙なところありますよね。
そういう時、
メガネレンチやスパナのように掛け替えたりせずに回せるのが、ラチェットハンドルの良いところなんですから、
ラチェット機構を使って単なる往復運動で回したいですよね?
空転トルクが軽いラチェットならもう少しゆるくなるまでラチェットで振れるんですが、
BR3EやBR3Aの様に空転トルクが重いラチェットだと早い段階でその供回り現象は訪れます。
(弛めの時の話ですが締める時もこのイライラは同じですね。)
そういう時って、
ソケットを指で押さえたり、
ヘッドを上から押してソケットを押し付けたり、
BR3Aの様にギヤがヘッドを貫通して上から見えてるタイプのラチェット(非シールドラチェット)だと親指でギヤを直接押さえたりして、
抵抗を増やすことでラチェットを効かせるということを無意識にでもやっていると思います。
で、ユニオン機構とかのプッシュボタンが付いちゃってると、上から指でギヤを直接押さえて抵抗にすることができないんですよね。
無理に押さえると当然、ボタン押しちゃってソケット落としちゃいます。
落下防止の為のプッシュリリースなのに、
いつものクセでボタン押しちゃって落下させちゃうという・・・w
ソケット外したい時に簡単に外れるのは良いんですが、
付ける時もワンアクション増えちゃうのもユニオン機構の好きじゃないところ。
今ではクイックスピンナーとか、ラチェットスピンナーとか呼ばれる、
ソケットとハンドルの間に入れて指でカリカリ回せるアダプターが人気ですが、
特にベテラン勢はそんなの使ってませんよね。
「なんだそれ?指で供回り押さえたら良いだろうが!」
という感じでしょうww
クイックスピンナ入れるだけで高さも出ちゃうしガタも増えますし、せっかくソケットを落とさない為のプッシュリリース機構なのに保持されるのはクイックスピンナだけということになっちゃいます。。(それが好都合な場合もあります。)
そういう従来の非プッシュキャンセル派の声を取り入れ、
プッシュキャンセル機構をキャンセルしw
代わりにギヤを親指で押さえやすいよう
ギヤにローレットを刻んだこの「BR3A」が登場したってわけです。
私はこのBR3Aの登場時、
「KTCの良心」
と呼んで大絶賛しました。w
ヘキサゴンソケットとか使う時とかも、しっかり上から押さえて回したいですよね。
そういうわけで単純にヘッドを押さえるのにボタンが邪魔だなあと感じることもありますが、
それ以上にやっぱりギヤを指で押さえて供回りしないよう抵抗にできるというのは、
昔ながらのラチェットハンドル使いとしては王道の使い方だと思うんですよね。
(この場合の供回りとは、ナットとボルトの供回りという意味ではなく、
前述のナット&ソケットとラチェットハンドルの供回りでカチカチ空転しないで一緒に回っちゃうという話)
それからKTCのユニオン機構のアンビルって、
寸法的精度はともかく、ソケット装着時にやたらガタ付きを感じるというか、
はっきり言って使用感ガタガタですよね。w
ラチェット、ソケットともKTCどうしでもガタガタに感じるんですから間違いなくガタガタですw
それに組み合わせるソケットに相性があって、プッシュボタンが凹んだままロックされないソケットとかもあります。
それがBR3Aのユニオン機構無しのアンビル部、
これがスナップオンやスタビレーの様に固すぎず、
それでいて緩すぎず、
パチンと気持ちよく絶妙なハメあいなんですよ。
時々よく確認してもう一回押さないとハマってないソケットとかありますが、
パチンと気持ち良いハマり具合とガタの少なさは、BR3Eのユニオン機構では味わえない爽快さ。
もちろんガタが少ないとボルトを回す時の使用感も良いんです。
KTCのユニオン機構無しのアンビル凄く絶妙!
隠れた名品です。
中の人にもBR3A凄く良いよって伝えたら、
BR3Aが褒められたの初めてだって言って喜んでくれたなあ。w
ちなみにこのBR3A、
もちろんBR3E同様に、リペアキットが出ますので、
BR3F(フレックス)や、
BR3L(ロング)、
BR3FL(フレックスロング)
などにも組み換えて、ユニオン機構をキャンセルすることができます。
私は先日紹介したBR3FLでその改造をしています。
フレックスロングは、ディープソケットやエクステンションなどで高さが出た時にハンドルを下に向けて、
よじれない様に安定させて回すことがありますが、
そういう使い方の時って、
しっかりヘッドを押さえたいんですよね。
ヘッドを押さえる時に、余計なボタンのついてないBR3Aヘッドの方が使いやすいんです。
ちょっとコストはかかりますが、オススメの改造です。
マニアック過ぎて誰もやってるの見たことないですがww
BR3A、
BR3Eの人気の影で、ひっそりとベテランメカニックを支えてきたラチェットだと思います。
これまでの一連の「KTC21世紀バージョン」ラチェットの投稿は、
どうしてもこの「BR3A」に光を当ててやりたくて書いてきた壮大な前フリだったりします。w
-
BR3EとBR3Aのツーショットはまるで
ケンシロウ・・・っていうか、
ラオウとカイオウ(意味不明)
-
ユニオン機構が無い分安いかと言えばそうでもなく、流通が少ないので返って高くなっちゃいますw
-
デザインもシンプルで良いですが、指がかかる様に刻まれたこのローレット加工が通を唸らせる存在。
-
アンビル部の精度も素晴らしく、パチンと気持ちよく脱着でき、ガタも少なく隠れた名品と呼びたい気持ち。
-
リペアキットには双方互換性がありますのでBR3E系の組み換えにも使えます。
-
BR3FLにBR3Aのリペアキットを組み換えるのはオススメの改造
-
リペアキットの品番は「BR3A-K」。1/4や1/2のBR2E、BR4Eにも欲しいアイテム。
-
BR2Eには無さそうだけど、1/2のBR4Eにはトルクレンチ用のリペアキットでユニオン無しがありそう
-
ユニオン機構もファンが多いし良いところありますが、ユニオン機構無しの出来も良いので試してもらいたい。
-
KTC自身も、ヘッドを指で押さえる使い方をする人がいることを認識している様です。
-
なんでもっとBR3Aの良さをPRしてこなかったのか?この良さが分かる人KTC内でも少数派なのですか?
-
このリペアキットに限らずですがKTCは一式以外でも補修部品出ます。エヒメマシンさん等に相談されたし。
関連コンテンツ
おすすめアイテム
[PR]Yahoo!オークション
[PR]Yahoo!ショッピング
類似商品と比較する
関連レビューピックアップ
関連リンク