2024年04月22日
チップチューンのゲームミュージックはCDフォーマットで足りてるのか
本日(2014/09/27)もまたしても一般人を置いていく話。
チップチューンのゲームミュージックはCDフォーマットで足りているのか というお話です。
足りてなかったらどうなのかって?
CD流してて「あーでもこのチープに感じられる音なのに、CDでの再生では原音に対して劣っているんだよなぁ」とか思って精神衛生上よろしくない、ぐらいです。
CDフォーマットで足りてないの? じゃあ ハイレゾへ! とか堂々と思えるとかそういう話もあります。
まあチップチューンのハイレゾ音源なんてないすけどね。
G.I.M.I.Cの出力はハイレゾになりますが、高ぇよ。加えて元の曲データが手に入らなかったら鳴らせねーよ。
というわけで開始。
今回はマスタークロックに何を用いて、どういう風に発音周波数が決められているかというあたりのお話です。
とはいえFM音源の仕組みどうこうが重要なのではなく、CDフォーマットで足りているのかというあたりが気になるだけですので、今回はPSG音源の高域限界が重要であります。
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PC-8801mk2SR に搭載の YM-2203(OPN) の場合の話
『FM音源スーパーサウンド―PC‐8801 mkII SR/PC‐8001 mkII SR/PC6601 SR/PC‐6001 mkII SR』より
マスタークロックはパソコンのCPUと同じものを使用しているとのこと。
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●FM音源の場合
発音する周波数:Fmusic=F-number*Fsample*2^(BLOCK-21)
マスタークロック:Fm=3.9936MHz
FM音源の場合の分周数:n=6
FM部の基準クロック:Fsample=Fm/(12*n)=166400/3
PC-8801mk2SRの場合の・・・
発音する周波数:Fmusic=F-number*(166400/3)*2^(BLOCK-21)
BLOCK:オクターブを表す3ビットデータ
F-number:音程を表す11ビットデータ
例:
表より オクターブ4(BLOCK)のA音は410H(16進数のH?)
Fmusic=410H*(166400/3)*2^(4-21)=440.104…Hz
になるの?表だと880だけど
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●PSG音源の場合
矩形波が出せるっぽい
発音する周波数:freq=fm/(8*n*Tp)
マスタークロック:Fm=3.9936MHz
PSGの場合の分周数:n=4
Tp…Coarse Tuneを上位、Fine Tuneを下位とする12ビットデータ
freq=124800/Tp
例:
表より ~のとき(忘却)の値は・・・Tp=08DDH・・・(16進数のH?)
freq=124800/(08DDH¥8)=440.989Hz ・・・(¥と8が何なのかは不明)
発音周波数が 1/Tp ぐらいズレていくらしいです。
一番高い音を出したときは半音ぐらいズレるとかで、和音を作るときは注意しましょうとのこと。
PSG音源で出せる周波数の範囲は、30.5Hz(Tp=FFFH)~124800Hz(Tp=1またはTp=0)
ただしSRシリーズの出力回路には混変調を防ぐためのフィルタが入っているので実用は10kHz(Tp=12)ぐらいまででしょう・・・とのこと。
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●ノイズ音源
PSG音源と混ぜるノイズ音源。
ノイズ周波数(ノイズに含まれる周波数の帯域幅):fn=fm/(8*n*Np)
ってのをいじってホワイトノイズやピンクノイズを出せる
帯域幅って言われてもどこを中心にして、なんだろ? それとも0~Npまで?
fn=124800/Np
Np:5ビットデータ…なので範囲は4026~124800Hz
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なんとPSG音源は124800Hzまで出せるようです。
しかも矩形波らしいので正弦波で再現するPCMでは44.1kHzとかではもうなんていうか全く足りてないかもしれません。(聞き取れるかどうかは別の話)
ただし、「出力回路には混変調を防ぐためのフィルタが入っているので実用は10kHzぐらいまででしょう」という表記があるのが気になります。
どうも出力回路の構成(というか挙動。素人なので構成見てもよくわからん)が分からないとCDフォーマットで足りているのかどうかが分からず、という感じです。
20kHzのLPFなんかついてたらもはやCDで足りてるような気もするし。
別の話としては124800Hzをチップチューンゲームミュージックに使ったのかどうかってあたりも・・・たぶん使わないよね。
とはいえ、(実用上の限界らしい)10kHzの矩形波はサンプリング周波数44.1kHzのCDフォーマット(PCM:正弦波で再現)でどの程度再現できるのでしょうか。例によって聞き取れるか、またDA変換後に実際に矩形波がスピーカーから出てたかどうかは別の話です。
まあでも前回、「※FM音源LSIからの出力は、55466Hz/16bitです」ということが分かりましたのでそれさえカバーしていればOKな気もします。
そうこうしているうちに下記のものを発見。
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PC-9801-26 / PC-9801-26K には不具合がある
http://pc-9821nr300.blogspot.jp/2012/10/pc-9801-26-pc-9801-26k.html
>PC-9801-26/26Kは回路設計に問題があり、FM音源部のオペレータより発振されるサイン波の波形が歪んでいる
えー。
正弦波のはずが半波整流です。
>FM音源部の音量が一定を超えない限りは発生しません。
へー。
まあでも88と98の音が違うような気がしたのはこのへんに原因あり?
『FM音源スーパーサウンド―PC‐9801』
ってのが手に入ればその他の詳しいこと書いてありそうだけど。
滋賀県立図書館にないんだよなぁ。
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ZUNの音源を再現するスレ@wiki
http://www12.atwiki.jp/touhousoundfont/m/pages/18.html
NECのパソコン用FM音源の違いについて、やたら詳しい。
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出力云々とあまり関係ありませんが
FM音源講座(pdf)・・・yamahaサイト内
http://download.yamaha.com/api/asset/file/?language=ja&site=jp.yamaha.com&asset_id=45919
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2024/04/22 08:20:31
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