トヨタ(純正) GR MOTOR OIL Circuit 0W-20  

サーキットへ行かないのであれば、その価格故おそらく手を出すことはなかったであろう一品です。

結論から言えば、他の一般向けオイルとは一線を画す文字通りのモータースポーツ用オイルで、モータースポーツで求められる性能に特化して処方されたものと感じます。

小排気量のNDにとって粘度は非常に重要で、5W-30であっても吹け上がりに若干フリクションを感じるので、必然的に0W-20を使いたくなります。しかし0W-20でサーキットに行くのは何となく不安。。そこで候補に挙がったのがこのオイルです。某氏のYoutubeで開発者の方がこだわりを披露しているのを見たこともあったので、試してみようかと。

交換後、まず公道でもその性能を感じることができました。一つ目は低粘度オイルにもかかわらず油膜が乗っている感覚があること。まるで30番手のオイルを使っているような感覚で、振動が少なく摩擦を抑えていることが窺えます。
二つ目は吹け上がりがシャープになったこと。これまで使ってきた歴代の0W-20と比較した中でも明確に違いを体感できるほどで、正直言って大して変わらないだろうと高を括っていたところを目を見開く結果となりました。個人的にはこの吹け上がりだけで買う価値が決まるといってもいいと思います。

サーキットへ持ち込んでも同様で、特に高回転域での油膜の感触は大変安心感がありますし、吹け上がりも早くスムースに回っていることが体感できました。またその成果として油温の上昇も若干ではありますが緩やかであるように感じます。肝心なタイムの定量表現については、稚拙な腕前ゆえご披露するに至りませんが。。。

製品としてのイメージは、良く語られるオイルの5要素（冷却・潤滑・密封・防錆・清浄）のうち、潤滑と密封に特にコストを割いたものであろうと推察されます。一方で、交換距離5,000kmと指定しているので清浄分散については犠牲になっているものがあると思われます。
このバランスが単にコストによるものなのか二律相反な関係にあるのかは知る由もありませんが、個人的にNDには今のところこれ一択です。