
E53 X5 4.4iを2台乗り継ぎ(計7年)、E71X6 50iを6年乗った後、2015年2月から乗っていたM235iだったが、諸般の都合で1stカーを2ndカーサイズにした代償は色々と大きく、従来乗り継いできたSUVに回帰しようと考えていた。
2018年後期にX4が発表された時点で次はこれにしようと決めたが、本命のX4M40iはタマが非常に少なくさらに白ボディーばかりで自分の欲する黒ボディーが全然確保出来ない。
何だかんだで気を揉んで待っている内にX4M発表となり、じゃこちらの方が良いかと思って事前情報を入手したらまあ予想以上に高い。
しかも初回ロットは10月入庫で赤ボディー15台、濃いグレー10台のみだが、全台Mコンペティション仕様。
さらに今後も実際に入ってくるのはMコンペティションのみで、価格が100万お得なMは完全オーダー制とのこと、つまりこれから出てくるMはあくまでも撒き餌で、本当にBMWが売りたいのはそれより高いMコンペティションのみということが分かった。
さらに強制OP等を含めると驚くなかれ車両価格は1,480万ほどになり、その間にドンドンM235iの査定も下がると聞いて待ち続ける気力が萎えてしまった。(お財布事情が萎えたともいう)
実は大きな声では言えないがX4M40i初回ロットも不如意な装備品(Mデファレンシャル)があったし、今回のX4Mコンペティションも色々と初回ロット故間に合わない装備があるため、結局次回ロットを待ったら来年になってしまうということもあり、「もうM40iで良いけど在庫あるの?」と担当営業君に呟いたら、「昨日千葉デポに入庫した車が1台だけあります!」と来た。
しかしボディー色はと聞いたら白だという。
またかよと思ったが、内装は黒の赤ステッチで、サンルーフも無し(これ付けるとロール重心上がっちゃって大変だった記憶あり)だったため、半年以上待ち続けたせいもあって手を打ってしまった。
正式注文から3週後の6月27日(木)に納車となり、M235iに乗ってD~ら~へ赴いたが生憎当日は台風のため全国的に大雨。
しかし自分的にはそういうことを余り意に介す性分では無いため、夕方新しい愛車を引き取り家に帰った。
ということで、妥協の産物とはなったが、前者との違いを色々挙げてみる。
1) サイズ
でかいのは当たり前だが2代目X4となるG02は今やE53 X5よりも大きくなってしまった。
全長 4,760 mm x 全幅 1,940 mm x 全高 1,620 mmはホイールベースも含めて初代X5より大きく、低いのは高さだけとなった。
もっともE71 X6 50iは全幅が1,995㎜あったのでこれよりは小さいが、M235iと比較すれば圧倒的に大きい。
しかし乗り込んだ瞬間、ドライバーズズシートの視界はX6を彷彿させ昔の記憶が瞬時に蘇ってきた。
やはりこれくらいのサイズが自分的にはフィットするのだとつくづく感じた。
2) 内装
E53 X5よりかなり向上しM235iとは雲泥の差。
実はD~ら~に入庫したM235iを衝動買いしたのは良いが、セグメントを2ランクも落としたことで内装に関してはかなりの不満があった。
しかし現状のG02はE71と比較しても同等以上に品質感が良いし、内装のどこを触ってもソフトパッドで柔らかいのはありがたい。
ステアリングのテレスコピックやチルトが電動では無いところにX5やX6より1ランク下を感じるが、ランバーサポートが復活してくれたことは腰痛持ちの自分にとっては非常にありがたく感じる。
3) 運転性
M235iはこれが命と言えるほど機敏でレスポンス良くグイグイ反応し良く曲がってくれたが、X4のサイズとなるとそれを求めるのは当然酷で、反応は多少ゆっくり。
とはいえ他社のSUVとは違いステアリングを切るとまずはロールしてからワンテンポ遅れてヨーが発生するということは一切無く、M235iほどでは無いがロールもせず瞬時に回頭するところはさすがBMWで、足回りは背の高いスポーツセダンと言っても全く遜色ない。
M235iよりほんの少しタイムラグを感じるのはホイールベースが長いからで、一旦ヨーが発生すればレスポンスは問題なく、むしろスロットルを踏み続ければグイグイ回ってくれる。(これMデファレンシャルのおかげ)
但しステアリングはM235iより重く、直進性の安定感は抜群だがクネクネが連続する峠道ではそれ相応の腕力が必要(^_^;)
4) 動力性能
未だ走行距離800km未満で慣らし運転中につきブン回しは出来ないが、パワーウェイトレシオ、トルクウェイトレシオともM235iに対し僅かに劣るため(M235i車重1580kg/324馬力、X4M40i車重1870kg/360馬力)、多少は遅いが540ixDriveとは同等クラスかと思う。
一応0-100km/h加速は4.8秒なのでカタログ上はM235iと同等で5.2秒だったE71 X6 50iよりは速いが、ヨーイドンで足回りがバタつくようなことは一切無い。
5) 乗り心地
実はクーペとはいえM235iもMアダプティブダンパー(可変ダンパー)のため乗り心地は悪くなかったが、X4M40iも同様装備のため過度に硬い感じはほぼ無いくせにロール剛性は非常に高い。
足回りは固く締められている上重いRFTなのに突き上げ感は無く、シャシー剛性の高さと可変ダンパーのチューニングが実に上手くいっていると思う。
E53 X5はまだ可変ダンパーでは無く(リアはエアサス)、MC後の2台目も購入後すぐビルシュタインのBTSキットに換装してしまったため、当時乗っていた997C2Sより硬かったという忌まわしい記憶がある。
アダプティブダンパーになったのはE71 X6 50iからで、乗り心地を損なうことなく2.3tの巨体を良く支えてくれていた。
しかしあの巨体をダンパーだけで支えるのはさすがに厳しいのか、横G発生時のみ油圧で左右が連結されるアクティブスタビを搭載していたおかげでロールも少なかったが、今回のG03 X4M40iはそういうギミックは無く、とはいえ可変ダンパーだけで巧妙にロールを押さえ込んでくれている。
6) 安全運転装備
機能はほぼ前車と同様だが、レーンキープウォーニングのステアリング振動がM235iより些か緩い。
設定で「最大」にしてみたがそれでも緩いのはどうやらドイツ本国製とサウスカロライナ州スパータンバーグ工場製では警告振動ユニットメーカーが異なるという話を聞いた。
しかもスパータンバーグ製だと経年劣化でブルブルブルッがガタガタガタッになるかもと言われ、ただいまチョイ不安中(^_^;)
7) その他装備
標準装備のHUD(ヘッド・アップ・ディスプレイ)は、20万のOPだったE71 X6 50iがモノクロだったのに対しカラーでしかも情報量が多い。
ナビは正室車のM140iから変わっていないが、M235iとは違い施設検索だけではなかなか検索出来ず、結果的に音声能力に委ねることになるのがちと面倒くさい。
ただ音声認識能力はM140iよりかなり向上しており、施設名固有名詞をきっちり話せばかなり正確に認識してくれる。
オーディオはM235iがあまりにもお粗末な音だったためOPを付けたかったが吊しのためこれは断念。
おかげで設定にて高音、低音共に上げてドンシャリタイプにしてみたがやはり大した音にはならないのがちと不満。
センターコンソールは置くだけでワイヤレス充電が出来るが、現在使用しているiPhone6Splusだと当然対応していない。
現行のXsに換えようかとも思ったが、5G対応機は来年秋なので結局断念。
8) 現状の各種問題点
セットアップ済みなのに、iPhoneのBluetooth接続が認識されないことがある。
運転中に再設定しようにも認識されず、結果一旦車を停めエンジン再始動で復帰するのだが、M235iではこんな現象は無かった。
座席側面にシートポジションメモリボタンが無くなり、いちいち画面設定で行わなければならなくなったのが煩わしい。
右折レーンで待機中、前方から通り過ぎる車に対してコリジョンアラームが出てナビ画面がいきなり前方カメラに変わることがある。
営業君が付けてくれた後席とリアハッチ窓ガラスのスモークスクリーンが途轍もなく濃いため、ただでさえ上下が狭くて見辛い後方がルームミラーだと日中でも真っ暗で非常に大変(^_^;)(後方から迫る某機関のお車はドアミラーで監視するしか無い)
M235iはブレーキが前4ポット、後ろ2ポットの対向ピストンだったが、X4M40i前後ともキャリパーはブルー塗装してあるものの後ろが片押し、前も4ポットかどうか些か疑問。
そのせいかブレーキフィールはM235iよりストロークが深くガツンと効くような感じが希薄。
あ~だこ~だと書き連ねてみたが、車に対しては今のところ十分満足。
但し、今後ACシュニッツァーのサブコンが出たら装着する予定。
M2コンペティション用のAC製サブコンは出たのだが、これは旧タイプS55エンジンのデチューン版だから商品化は簡単だが、B58B30用のサブコンは未だACからは出ていないためこれより時間は掛かるのかと思う。
現行360馬力、500Nmがサブコンでブーストを上げることで420馬力、600NmになってくれればM235iより早くなってくれると期待しつつ、早く1,000km点検でオイル&エレメント交換をして取りあえずは目一杯ブン回したい状況です(^_^;)

