元職場の同僚である、
「大家庭菜園オーナー」 N嬢がおっしゃるのです。
「あたしこの前、
生き神様 見てきちゃった」
…
…えっ…
(0.5秒での私のめぐるめぐる思い
①皇居に行った?
②プロスポーツ界のカリスマに会った?イチローとか横綱とか?
③宗教の集会に行ったきた? …
願わくば③でありませんように!!!!!)
違いました。
先月 彼女は、インド方面に海外旅行に行ってきてそこで見たそうなのですよ。
ああ、よかった。変な宗教にハマってるんじゃなくて。
そんでもってわかりましたよ私も。
あっちで生き神様っていったら、あれでしょ
ダライ=ラマでしょ。
こうやって見るとふつうのおっさんですねえ。高感度高し。
と言うと
「それはチベットでしょ!私が行ったのはネパール!
ネパールには生きた女神様がいるの!!!!」
なにいぃっ!
マンガオタクの私ですので
現世に降臨された女神様というと
↓これしか思いつかないのですが。
※購読をやめて数年、もう39巻まで行っていたんですねえ…
閑話休題・
その女神様。
「クマリ」様 とおおせられるそうなのです。
例によってインターネットは便利!
「ネパール クマリ」で速攻ヒット!
いろんな意味でなるほど。
以下N嬢からの話。
①先代の女神様が役を降りると、特定の士族で、4~5歳の少女がいないか調べられる。
②該当の少女の中から、様々な条件を満たした少女が「女神様」となる。
③以降、「女神様」は実親とは隔絶。ふさわしい地位の養父母と、教育係によって養われる。
④一般生活とは切り離され、特別教育を施されるとともに、神事に務める。当然学校なんて行かない。
⑤そして数年。初潮と同時に、その役を解かれ、一般の生活に戻される。
うあああなにそれこわい。
これまで物心ついた時から蝶よ花よ神様よと育てられ、
金の苦労とも人間関係の懊悩にからも縁のなかった女神生活、
それが多感な10代前半になっていきなり一般人に戻されると!!!!???
無理むり無理むり
絶対無理。
何それ?国家レベルでの児童虐待!?
N嬢がガイドさんから聞いた話では、
やはり急激な生活環境の変化に順応できず、消息が知れなくなるクマリ様も多いそうです。
ほらやっぱり。そうに決まってるよっ!
(※今回のupにあたり一応確認をとらせていただきました、ネットで。
ここのサイト様がよくまとめてくださっているので、詳しく知りたい方はチェックしてください
http://www.spikynepal.com/monthlynepal/past%20jp/bn19/index.html)
21世紀の世の中にまだまだ驚愕の風習というか信仰というかはありますねえ。
わが国のことはさて置いて。
神様に驚かされた日でした。
…………………………ここから個人的な思い入れによる記述……You need not read……………………………
いや、電脳網が発達したこの世の中に
そんな前時代なならわしが残っているのか!という驚きは確かにあったのですが、
別のことでも個人的には衝撃を受けていたのです。
中学校時代、私は読書少年で
図書委員長もやっていたくらいのものだったのですが
当時、海外文学で「三大ファンタジー」と呼ばれる作品群があって
(今でもそう呼ばれていると嬉しいです)
どれも とても好きだったのです。
何度も読みました。
ひとつは J.R.R.トールキン
『指輪物語』。
ひとつはC.S.ルイス
『ナルニア国ものがたり』。
そして最後に、
ル=グウィン『ゲド戦記』。
その『ゲド戦記』2巻、『こわれた腕環』のストーリーのモチーフが、この「クマリ」様信仰にとても重なるのです。
幼い頃 司祭に見出され、以降 神の大巫女として育てられた少女。
神意を預かる者として、女王の如く振舞うことを許され、それを当然と思ってきた。塀の中で。
しかしある日、外界から来た異民族の「魔法使」が、
教団の秘所を探ろうと神殿に潜入しようとしていることを、彼女は気づく。
彼女は大巫女だから。他の神官は知らない抜け道や隠し扉も、口承されているから。
完全にアウェイな地下の回廊の中で もがく魔法使を はじめはからかい、しだいに会話となり、
そんな中で 彼女は魔法使にこう言われる。
「君は君の仕えるものが、本当に『神』だと思っているのかい!?」
その問いかけに 彼女は
呆然とし、驚き、混乱し、怒り、猜疑し、嘲り、嫉妬し、魔法使を窮地に陥れる。…
ストーリーはこの後からクライマックスへと至るのですが、
現実の「クマリ」様たちは それまでの「神」の座から降ろされた時、何を思ったのでしょうか?
自分のこれまでの生が、多人数の 信仰という名の欲望のために偽られ、弄ばれ、
自分の大巫女としてあるべきと思っていた所作は 蔭ではひそやかに嘲笑れている、
それに気づいてしまった時、彼女はこれまでの人生の集積たる自分自身を許せるのでしょうか?
この本を読んだ という体験があったので、今回 N嬢から聞いたこの話は
とても衝撃的だったのです。
願わくばネパールの「クマリ」様が「●●」さん、になっても自分の人生を胸を張って歩けますように。
いや、ひと事じゃないとはわかっているんですけどね。
しまった、オチもなくしんみりと終わってしまった。
なんかしなければっ。
ああそうそう、上で書いた「三大ファンタジー」ですが、
そっくり3つとも
映画化されていますよね。
①『指輪物語』…
『ロード・オブ・ザ・リング』 3部作、
興業成績大成功。
②『ナルニア国ものがたり』…
『ナルニア国物語』 7巻予定が興業振るわず、
2本で打ち切り。
③『ゲド戦記』…
『ゲド戦記』 えーと…
…
…
…
とりあえず宮崎(息子)、お前は許さねえ。
ブログ一覧 |
世界海外 | 日記
Posted at
2010/02/11 23:06:52