アポロ13のブログ一覧

『生き残った まゆげさんは本社から見捨てられちゃってね…

…販社が部品を出してくれないもんだから あんな風になっちまって… やだねぇ、旧車って。』

「そ、そんな当たり前のことを… 父さん、酸素欠乏症にかかって…。」

『部品集めを 急げ！ お前だって旧車になったんだろうが。』

来た。

来たね。

来たよ。

うなぎの ねどこ。

鯉のぼりが泳がなくなって早十数年。


竿の支柱は今や遺跡と化していた。


何か役目を持たせようと、


鳥の餌台にしてみた。


ものの五分も経たないうちにキジバトが登場。


天面の餌をあっという間に平らげ、


水を飲んで飛び去っていった。


「ポー ポッポ ポー ポー ポッポ ポー…」


満腹でご満悦であろう彼の鳴き声がどこからともなく響く。

早く他の小鳥も来ないかな～。

「いや～元号が変わったね～」
「令和だってね～」
「改めましておめでとうございます」
「俺らも３つ目の元号だね～」
「生きてるね～」

「私達３６歳です」
「俺ら３４～」
「…俺３５」
「まぁ大差ねぇな」
「みんなおっさんになったし～」

「…ミゼットじぃちゃんは何してる？」
「寝てる」
「じぃちゃんいくつになったんだっけ？」
「確か５７ですね」
「じぃちゃんも昭和なんだよな」
「昭和は長かったからね～」
「…実はミゼットじぃちゃん」
「うん」
「なに？」
「…平成生まれの隠し子が居るんだって」
「そうなん」
「マジ？」

「…俺らの先祖はミゼットのハイクラス四輪版ってことでハイゼットになっただろ」
「確かそうだよね」
「そういう風に聞いています」
「…そいつも四輪なんだけど平成版ってことでミゼットを襲名してるんだよ」
「へぇ～」
「じゃミゼット二世かい」
「ルパン三世かよ」
「次元ってルパン二世の頃から仕えてたんだよね」
「二世ならバビル二世でしょう」
「３つのしもべに命令だ～」
「あとタイガーマスク二世」
「キン肉マン二世もな」
「ファントム・F・ハーロック二世も忘れずに」
「振り向くと山が笑っていたってあれか？」
「それは親父のハーロック一世だろ」
「アルフォンヌ・ルイ・シュタインベック三世なら？」
「永井豪な～のだン」
「いつもせっかんされてたよね」
「では古代怪獣キングザウルス三世」
「いきなり帰ってきたし」
「流星キックの回だっけ」
「キングつながりでキングビアルってご存知ですか？」
「それは知らねえな」
「ビアル一世と二世と三世が合体してですね…」
「おいおいそれはマイナー過ぎだろ」
「皆殺しのトミノ～」
「かぁっぺぇ～～～」
「落ち着け」
「ネタほとんど昭和じゃん」

「…え～とね二世とかじゃなくて確かミゼットIIとかだったはず」
「ほぉ～」
「それ早く言えよ」
「ファントムII」
「みたいな」
「コルセアII」
「それそれ」
「サンダーボルトII」
「エリ８きた」
「タイガーII」
「炎のユニコーンですね」
「コスモタイガーII」
「また松本零士かよ」
「新谷かおるは松本零士のアシスタントやってましたよね」
「ハリアーII」
「車じゃないよ」
「コロナマークII」
「車じゃん」
「マークXって今年で終わりなんだって？」
「ハイゼットは永遠に不滅です」
「でもアトレーはヤバいんじゃね？」
「なんか泣けてきました」

「…それでね今度そのミゼットIIがウチに来るんだって」
「おりゃ～かかってきなさい」
「かわいがってやるぜ」
「よ～しよしよしよし」
「ぎゃはははは」
「うける～」

「…お前ら…また次の元号まで長生きしろや」