ちまたでいろいろ言われているデュアロジックですが、個人的には良く出来たロボMTだなと思います。ただ、最初にデュアロジックに乗り始めた際には、手動MTでは当たり前というか無意識に確認している手(シフトレバー)と足(クラッチペダル)の操作に伴うフィードバックが無い為、若干の不安はありましたが。
ちゃんとギア入ってるの?と。^^;
最近では耳が慣れてきて変速時の「ガチャガチャ音」で「ギアが切り替わっているな〜」ってのは確認出来ますが、それ以上のフィードバックは無く、あとは
デュアロジック様を信じるのみ!(苦笑)
まだまだデュアロジック初心者でもあるので、過去にどのようなトラブル事例があるのかな?と見ていると、セレスピードほどのトラブル事例は無いようですが、日常のちょっとしたメンテナンスでトラブルが予防出来そうなものが多いようにも感じました。
という事で、忘備録がてらデュアロジックを検証してみようと思います! 久しぶりにメカメカしぃ内容でドキドキしちゃいます♪(爆)
いきなりですが、パンダ号のミッション&デュアロジック機構です! メカメカしくて美しいですねぇ~♪ オートマチックトランスミッションと比べて非常にコンパクトにまとまっているかと思います。
基本的なギアシフト動作は、油圧を電子制御して動かしており、主な構成パーツとしては【1】油圧を発生させる油圧ポンプ、【2】油圧を一定に保つ(蓄圧する)アキュームレーター(黄印)、【3】油圧を運動(動作)に変換するアクチュエーター(赤印)によって成り立ってます。
アクチュエーターの種類は3種類。一つはクラッチを切る作業用、もう一つはギアをシフトする作業用、最後はギアをセレクトする作業用。これらをECUで制御してギアチェンジしているみたいです。ギアの位置やクラッチレリーズの位置はポジションセンサー(緑印)にて監視してます。また、油圧回路に万が一トラブルが生じた時用に電動アクチュエーター(青印)も併用しているようです。(詳しい設計図が無いので何とも言えませんが、一番右のピカピカアックチュエーターは電動っぽいですよね?)
ロボMT機構はボルト5本外せば簡単に取り外せてしまいます。下記が取り外した状態。
あと、セレスピードとデュアロジックは基本的に同じシステム構成かと勝手に想像していたのですが、メカニカルな部分で大きな違いが見受けられました。それがコレ!
左側がデュアロジック、右側がセレスピードのMTです。(右側は145のMTですがセレスピードもほぼ同じものです)
こうして比べると分かり易いかと思いますが、セレスピードは基本的に手動MT機構そのままにロボ機構を後付けし、ギアチェンジのシフト&セレクトレバーをロボMTで操作する仕様です。デュアロジックのMT機構はシフト&セレクトレバーを廃止し、直接シフトフォークを動かす設計となってました。
シフト&ギアセレクト部。
下記図はシトロエンのEGSシステムの図版ですが、デュアロジックはこちらのタイプですね。シフト&セレクトレバーを排して直接シフトフォークを動かす仕様です。
一方、セレスピードは既存の手動MT機構をそのまま利用する為、シフト&セレクトレバー(下図赤丸のコントロールシャフト)の上下左右の動きを油圧アクチュエーターで動かすという仕組みですね。下記図はルノーのQuickshift5 ですが、仕組み的にはセレスピードと同じ仕様です。
では、どちらのシステムがいいの?って考えてしまいますが、いろいろと複雑な要因が入り交じっていますので、総合判定は難しいですね。
あと余談ですが、日の丸トヨタ自動車さんも海外ではセレスピードに準じたセミAT車を販売しています。アイシン精機が開発したMC5というセミATが海外で販売されているトヨタヤリスに搭載されています。MC5は油圧を使わない電動アクチュエーター機構で、めちゃくちゃコンパクトにまとまってます。
こうしたMT機構を眺めていると、あたり前ですがギア部分は手動MT機構そのものであり、
スムーズなシフトチェンジの為にはMTオイル管理が最優先事項!だと改めて認識させられます。日本ではセールスの為に『AT』であるという事を前面的にアピールし過ぎちゃった為に、手動MT機構では当たり前のメンテナンス内容すら知らないまま乗っている方が多いように思います。(自動車ユーザーの95%がAT信仰者ですから仕方ないですが。。。)
手動MTですとギアの入り具合が手の感覚で掴めますが、ロボMT機構の場合にはそうしたフィードバックが無いので、
唯一の予防方法は確実なMTオイル交換以外にないと思います。MTオイルを4~5万キロ未交換状態だと、オイルが劣化し、ドロドロ状態となりギアの入りが渋くなります。メカ的に渋い状態でもロボMTさんは何度もギアを入れようと試みるので油圧ポンプには過負荷がかかってしまいますよね。
(つづく)
Posted at 2014/03/02 16:53:24 | |
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